2007年11月18日付けの朝日新聞朝刊社説によると、勤務医の平均年収は約1400万円である。勤務医の労働時間は日本医労連の2007年4月発表の資料によると、平均労働時間は1日あたり10.6時間、週あたり58.9時間、月あたりの時間外勤務は62.9時間となっている[2]。
他の調査も大同小異で勤務医の平均給与は1100万円〜1400万円程度の報告が多く、大手放送局や大手商社の一般職社員とほぼ同額、もしくは若干低くなる。ただし、時間外勤務に関しては、労働基準法を大きく逸脱するケースが多いため正確な申告が出されていないと思われ、サービス残業や無給の拘束時間に関しては信頼できるデータはない。
また、いわゆる日雇い契約で雇用される医師や、大学院生、研究生などの身分で無給労働を強制される医師も多く、正式な勤務医だけの収入から勤務医全体の平均収入は把握できない。また、各医師も上記様々な身分を遍歴し、無給労働期間(研究生・大学院生)、諸手当・ボーナスなし期間(日雇い契約)、マイナス所得期間(海外留学)をそれぞれ何年間も経験するため、正式な勤務医の期間中だけの収入から生涯賃金を計算することは出来ない。
さらに、医師は認定医、専門医などの資格を維持するために学会費を支払い、定期的に学会に出席することを必要とされるが、これらの経費は勤務医の場合通常全額自己負担であり、旅費も学会費も通常経費として認められない。
2007年11月18日付けの朝日新聞朝刊社説によると開業医の平均年収は2500万円であると報告された。中央社会保険医療協議会が医療従事者・医療施設の経営実態を調べる「医療経済実態調査」(05年6月時点)では、個人開業医の収支差額は2744万円だとした。しかし、この計算には社会保険料や税金、設備投資借入金の返済などの出費が含まれておらず、日本医師会によると、手取り収入平均1,070万円であり[3]、中小企業の経営者等とほぼ同額であると示した。また勤務医の平均とされる1400万円より低かった。
かつて薄給で「奴隷のようだ」と形容され、労働基準法における最低賃金を下回る状態でもあった研修医の待遇は、近年「生活費稼ぎの徹夜のアルバイトの連続など医療事故の温床である」との観点から、2004年度からは月収30万円程度(特別手当無し)を支給するように国からの勧告がおりた。研修医はその研修コース次第で週60時間から100時間病院に拘束されるため、月収30万円でも時給750円から1250円になる。
現代の医師の収入は、同等の学歴を持つ大企業サラリーマンの所得に劣るが、ごく最近までは医師は非常に高収入であった歴史がある。特に、健康保険制度が施行される1961年以前はすべての医療が自由診療であり、診察料を医師が自分の裁量で決めることが出来たので医師は極めて高収入であった。
健康保険制度開始以後も、医師不足解消の目的で開業医の優遇税制などが設けられ、診療報酬も現在より高く設定されていたのでしばらく高所得の期間が持続し、1970年代には長者番付や脱税報道に医師の名前がたびたび登場した。1980年代に入ると医師に対する逆風が強くなり、1983年に当時の厚生省保険局長の吉村仁氏により「医療費亡国論」が発表され、その後診療報酬はたびたびの法改正により削減されていくことになった。
それでもバブル景気のころまでは多くの医師が動産、不動産に投資し、診療報酬以外の収入で富を築いた。現在、動産、不動産などの資産から副収入を得ている医師と、診療報酬に収入のすべてを頼っている専業の医師の間には大きな所得差があり、これが「医師は高所得」というイメージを強化している。
また、外科手術に際して医師に、診療報酬以外に患者が「お布施」という形で多額の現金を提供する場合があった。この慣行は大都市圏と一部の地方に限られており、全国的にはほとんど行われていなかった。1980年代以降取り締まりが厳しくなり、現在ではほとんどの病院で禁止されている。
従来は医局の指示により、転職するのが一般的であった。しかし近年では初期臨床研修義務化による医局に入局する医師の減少にともない、新たに医師の派遣を行ったり、医師の人材紹介や転職を斡旋する会社が出てきている。これらの医療従事者専門の転職支援サービスは、医局から医師の派遣を断られた病院の医師確保などにも一定の役割を果たしている。このビジネス分野は未開拓で、さまざまな会社がしのぎを削っている。
医師といえど一人の人間である事実にかわりはなく、QOML(Quality of My Life)を大切にするべきという考えも広がりつつあり、過酷な勤務を要求する勤務先から転職するケースが増えている。
出産難民も参照
いわゆる少子化の影響で、妊娠・出産を扱う産婦人科や、これに続く乳幼児期の子供を扱う小児科の志望者が少なくなっている問題がある。また、特に産科領域では、一般的に子供は正常に生まれて当たり前との認識があるので、何か異常が起こると医療訴訟となる可能性も高いといわれている。また、そのような事故に対するマスコミによる患者側への医学的根拠のない過剰な擁護が医師を疲弊させている。これによって、産婦人科や小児科を扱う医療機関が減少し、残った医療機関への負担が増加し、妊娠・出産への対応や子供の急病などへの対応が困難になっている。陣痛が来て初めて病院に行き子供を生んだ後病院を抜けて行方不明になり費用を払わない野良妊婦なども増加しており、さらに産婦人科の減少と少子化に拍車をかけている。この問題については、少子化に関する諸問題の一つとして、マスコミなどで頻繁に取り上げられているが、厚生労働省は有効な対策を打てていないのが現状である。
著名な医師
医学者の一覧も参照
日本・古代〜近世
大月景秀
小瀬甫庵
杉田玄白
前野良沢
田代三喜斎
丹波康頼
永田徳本
華岡青洲
曲直瀬道三
施薬院全宗
玉木吉保
吉田政重
緒方洪庵
大槻俊斎
伊東玄朴
手塚良仙
平住専安
高野長英
医師の保護などをした人物
安国寺恵瓊
板倉勝重
一宮随波斎
宇野藤右衛門
小西隆佐
角倉了以
徳川家康
日本・近現代
高原喜八郎(癌治療専門医、東京大学医学部卒業、米国法人野口英世記念財団理事、米国臨床化学会正会員、元神奈川県立衛生短期大学教授、米国臨床化学会正会員、国際アカデミー賞受賞、国際文化栄誉勲章受章)