共謀共同正犯の成否につき、判例は結論として共謀共同正犯を認める立場であるが、理論構成は必ずしも明確ではない。古くは共同意思主体説が述べられたこともあり、間接正犯類似の理論構成を述べるものもある。
共謀共同正犯に関して、判例においては、従来の理論では
共謀(意思の連絡+正犯意思)
共謀に基づく実行行為
の2つが要件とされている。正犯意思は幇助犯と区別するためのメルクマールとしての意義がある(主観説)が、近時は正犯意思という言葉は使われない傾向にあり、犯罪遂行における役割の重要性が重視されている。
詳細は共謀共同正犯を参照。
過失の共同正犯には正確に分けるなら2類型あると言える。1つは過失犯の共同正犯、もう1つは結果的加重犯の共同正犯である。
過失犯の共同正犯が問題となる事例では、各人に過失犯の単独正犯が成立している場合が多いが、各人の行為と結果の間の因果関係が立証できない場合もあり、過失共同正犯が成立しないかが問題とされる。
過失共同正犯の成否については、「共同実行の事実」の成否と「共同実行の意思」の成否が問題となる。
「共同実行の事実」の成否には、過失犯に関する新旧過失論の立場が影響する。
旧過失論の立場では、過失は責任段階での問題にすぎないから、構成要件段階での過失行為の共同は認めがたい。しかし、新過失論によれば、構成要件段階での過失の実行行為を観念できるから過失行為の共同も可能といえる。有力学説によれば、行為者に共同注意義務があるときは過失行為の共同が認められるとされる。
「共同実行の意思」が過失犯で認められるかについて、
従来、過失犯の共同正犯の成立は共同正犯の成立要件として意思の連絡を必要とするかの議論に帰結すると考えられてきた。犯罪共同説の立場からは、過失犯は無意識を本質とするから共同実行の意思が認められず、過失犯の共同正犯は成立しないとされた。一方伝統的な行為共同説の立場からは共同正犯の成立には意思の連絡は不必要であるから、過失犯の共同正犯の成立に問題はないとしてきた。
他方、過失は一次的には無意識的はものであるが、二次的には一定の主観的心情・心理状態とあいまって発現するものであり、過失犯において心情・心理状態も重要な要素であり、これについては相手の行為を利用しあう意思ないし意識を認め得る として犯罪共同説・行為共同説にかかわらず共同実行の意思を認める説もある。
例えば、甲と乙が傷害の意思で共同してAに傷害を与え死に至らせた場合に、両者に傷害致死罪の共同正犯が成立するかという問題である。
結果的加重犯について、加重結果を帰責するには加重結果の過失が必要とする立場からは、上記の過失犯の共同正犯の議論が妥当する。一方で判例などのとるいわゆる故意犯説からは、基本犯についての共同実行の意思と事実があれば加重結果についても共同正犯が認められる。
承継的共同正犯とは、先行者が既に実行行為の一部を行い、その実行行為が終了する前に後行者が共同実行の意思を持って実行行為に参加する場合のことをいう。
関連項目
共犯
教唆犯 - 幇助犯
正犯
間接正犯
同時傷害の特例
共謀罪
などして下さる協力者を求めています(P:法学/PJ法学)。
カテゴリ: 法関連のスタブ項目 | 刑法
更新日時:2007年10月12日(金)08:19
取得日時:2008/08/23 04:36