アジア・アフリカなどの旧植民地国家では、実際の話者は極めて少数であるにもかかわらず、旧宗主国の言語が現在も公用語とされている事が多い。これは主に以下のような理由による。
その地域に多数の言語が存在し意思疎通が困難である
文字言語がなく文書で記述することができない
政治・経済・教育など近代的諸制度を運営していく上で旧宗主国に範を求めざるをえない
独立運動や国家運営を指導するインテリ層が旧宗主国の言語で高等教育を受けている
このような国で最も力のある部族の言葉を公用語に指定した場合、部族感情や民族感情による争いが起きることが考えられ、旧宗主国の言語を公用語として使用することが最も妥当だと考えられる。
しかし中には、ナショナリズムから、最も使用する者の数が多い部族の言語も公用語としている場合がある。この言語には文字言語がない事が多く、アルファベットの発音をあててアルファベット表記することが多い。ケニアではスワヒリ語と英語、フィリピンではタガログ語を基本とするフィリピン語と英語が公用語になっており、これらはそれぞれ義務教育によって全国で教育されている。また、これらの国には非常に多くの地方言語が存在することから、地方の言語、多数部族言語の公用語、旧宗主国言語の公用語と合わせると、多くの少数民族は3つの言語を使用することになる。ただし公用語化されない地方の言語には文字がないことが多く、公用語の普及と共にそのほとんどが消滅していく傾向にある。
詳細は危機に瀕する言語を参照
詳細は欧州連合の言語を参照
EUでは、全ての加盟国の公用語を全てEUの公用語としている。加盟国は27か国であり、公用語は23言語である。このため全てのEUの公式文書は全てEUの公用語に翻訳されている。従って、加盟国が増えるとEUの公用語も増える。EUは加盟国の増大を目指しているものの、それに伴う公用語の増大により相互翻訳作業は級数的に増大し、微妙な翻訳表現の違いも問題化している。
世界には100以上の公用語がある。公用語に指定されれば、ほとんどの場合その集団内の公的文書は、全てその言語を用いて記述されなければならない。例えば、憲法や内閣の告示、行政府の末端、また議会や市役所内での公的発言も公用語に統一される(ただし、複数の公用語を有する集団の場合、序列が存在する場合もある)。そのため公用語を初等教育などで学ぶことを義務付ける国が多い。
一方、複数の公用語を定める場合には、どちらか一方の言語のみを使用する者に不利益を与えてはならないないため、役所を始め、通訳、翻訳および併記の必要性が生じ、また、複数言語に精通した役人を置くなど多大なコストがかかる。日本国内でたびたび起こる英語の第二公用語論は公的機関の英語化の現実性を欠く場合が多い。
公用語に指定された言語には決まった表記法が存在し会話言語のような方言的誤謬がない。そのためその域内は標準となる言語で統一され情報が末端まで正確に伝わることになる。このことは情報伝達の手段としては大変有効であるが、一方で公用語に指定されない少数話者の言語が人為的に消滅することとなる。逆に言えば一度公用語に指定されればなかなか消滅することはないとも言える。特に民族間の力の差による言語の消滅は憂慮すべきところである。
関連項目ウィクショナリーに ⇒公用語の項目があります。
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カテゴリ: 出典を必要とする記事 | 言語 | 国語政策
更新日時:2008年7月7日(月)12:32
取得日時:2008/07/22 23:26