傷だらけの天使
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、テレビドラマについて説明しています。

1997年公開の映画版については「傷だらけの天使 (映画)」をご覧ください。

西郷輝彦が『明星』に連載した自伝、1966年公開の西郷主演の映画、およびその主題歌『傷だらけの天使』(きずだらけのエンジェル)については「西郷輝彦」をご覧ください。

傷だらけの天使
出演者

萩原健一

水谷豊

岸田今日子

岸田森

ホーン・ユキ

ナレーター中江真司
オープニング井上堯之バンド
製作
プロデューサー

清水欣也(日本テレビ)

工藤英博(渡辺企画)

磯野理(東宝企画)

制作

日本テレビ

東宝

渡辺企画


放送
音声形式モノラル放送
放送国・地域 日本
放送期間1974年10月5日 - 1975年3月29日
放送時間土曜 22時00分 - 22時55分
放送分55分
回数26
テンプレートを表示

『傷だらけの天使』(きずだらけのてんし) は、1974年10月5日から1975年3月29日まで、毎週土曜日22時00分 - 22時55分に日本テレビ系で放送された萩原健一水谷豊出演のテレビドラマである。全26話。

本項では、テレビドラマ版『傷だらけの天使』および、続編小説『魔都に天使のハンマーを』について解説する。
内容

若者コンビの怒りと挫折を描いた、アンチヒーロー型の探偵ドラマである。ストーリーはバラエティに富んでおり、暴力団抗争から捨て子の親探しまで幅広い。

初期ではほとんどの回でヌードシーンが盛り込まれており、内容面では修と享が汚れ仕事をやらせる所長綾部(岸田今日子)に一泡吹かせようと反攻を試みるも、失敗するという展開が多かった。しかしこれで主婦層などの視聴者からそっぽを向かれたり突き上げに遭うなどされたために視聴率が1桁寸前にまでダウンする事態が起こり、これを受けて清水欣也プロデューサーが「第8話(1974年11月23日放送)から路線変更します」と宣言するまでに至った[1]

後期では暴力やエロチックなシーンを抑え、歌謡曲や童謡などの音楽を主軸に据えた“ロマンチシズム”をイメージに[1]、修と一人息子の健太とのエピソードも増やしてオーソドックスな探偵ものへの軌道修正が図られた[1]。しかし表・裏両社会の権力からの理不尽な仕打ちに挫折する若者二人の姿は、最終回まで貫かれた。
登場人物「エンジェルビル」こと代々木会館(東京・代々木、2012年撮影)
木暮修(こぐれ おさむ) - 萩原健一
探偵事務所「綾部情報社」の調査員。年齢は24歳。最終学歴は中学。エンジェルビルの屋上にあるペントハウスに住んでいる[2]。性格は粗暴だが、仁義に厚く、非情に徹しきれない。危ない仕事ばかり回してくる綾部には不信を抱いており、金銭的に困窮していてもなかなか仕事を受けたがらず事務所からの指示に背いて独自の行動を取ることも多い。最終回で綾部から唯一高飛びに誘われ、京子からも『本当のワルに徹するか新宿のクズで終わるか』と決断を迫られるが肺炎で死んだ亨が見捨てられず、彼なりに手厚く葬った後夢の島へ死体を棄て、いずこかへ逃亡した。趣味は浪曲のレコード鑑賞。剣菱をいつも愛飲している。死別した妻との間に一人息子の健太がいるが、金銭的な理由とあくどい仕事にこき使われている自分を見せたくなくて千葉の妻方の実家に預けている。このため子供には優しい。なお、息子の名前は高倉健菅原文太から1字ずつを取って名づけた。
乾亨(いぬい あきら) - 水谷豊
修と同じく綾部情報社の調査員。年齢は22歳(ただし劇中、修のセリフで「俺より3つ年下」とある)。修を兄のように慕い、修に張り付いて身の回りの面倒を見ている。修よりも純情かつ手堅い気質で、将来はお金を貯めて、修と健太と3人で暮らすことを夢見ている。親の顔を知る前に孤児院に捨てられ家族の顔も知らずに育ち、最終学歴は自称小卒(中学校中退)だが、自動車修理工として働いている時もある。リーゼントで頭にはポマードをべったりつけ、皮ジャンスカジャンをいつも着ている。当時の設定としては時代遅れのスタイルとしてこの格好をしていたが、放送終了後に真似をする若者が急増し、第2次ブームを迎えた。劇中、頻繁に修を「兄貴ぃー!」と呼んで登場し、ある時は連呼する。最終回では自動車修理工を辞めてクラブのボーイとして働き始めるが、客のチップ目当てに真冬の噴水に飛び込み肺炎になったところで高飛びしようとする修に見捨てられ、ペントハウスの中で毛布に包まったまま孤独死する。童貞。市川が亨の女性観を聞かれると「一生童貞なんじゃないですか? いくら女好きを誇張しても、いざ据え膳となると、ぶるぶる震えて直前になって逃げ出すタイプです」と公言。実際、修と女性の性行為を見ても、横で震えている。
綾部貴子(あやべ たかこ) - 岸田今日子
綾部情報社の社長。表向き事務所の評判はよいが裏では悪事にも手を貸し非合法な取引なども行う悪徳探偵事務所でもある。非情な性格でプライドも高い。修と亨にたびたび危険な仕事を与えて酷使する一方、修には「あなたは本当のワルになれる」と目をかけている。彼女が事務所で登場する際に背後には決まってポーラ・ネグリが歌う映画『Mazurka(マヅルカ)』(1935年、独映画)の主題歌が、古びた蓄音機から怪し気に流れている。番組中期では、「海外視察」として国内を辰巳に任せ、名前があがるだけで登場していない。最終回、本州 - 四国間海底トンネル工事の利権に絡み資産を全て押さえられた上、公文書偽造背任横領の逮捕状が出たため船でヨーロッパへ高飛びを図る。
辰巳五郎(たつみ ごろう) - 岸田森
綾部の片腕として働いている綾部情報社のナンバー2。冷徹さを装うも、実はスケベ(浅川の胸を直接触るなどの当時確立されていなかったセクハラを堂々と行う)で見栄っ張り。修と亨には常に威張っており、修たちへのギャラ(たいてい1回20万円)の一部をピンハネする。表立って口には出さないが、内心は綾部に想いを寄せている。胃下垂。頭髪はカツラであり、実際は剃髪している(岸田がカツラを外して土下座するシーンが第5話にある)。最終回では綾部に捨てられたにもかかわらず、海津が彼女を逮捕しようとしたところを阻止して手錠をかけられる。
浅川京子 - ホーン・ユキ
綾部情報社の経理担当兼電話受付。綾部を尊敬している。下請け調査員である修たちのことを見下していたが、次第に理解を示すようになる。最終回で探偵事務所が解散し、綾部から解雇され田舎へ帰ったはずだったが小説版では悲惨な最期を遂げていた。
海津警部 - 西村晃
綾部の多くの悪事の証拠の確証を掴もうとしている刑事だが、反面で綾部とは内通しており、金品と引き換えに捜査情報を漏らすこともある。第1話、7話、26話に登場。
松下刑事 - 船戸順
海津の部下。京子に色目を使う。辰巳からは「ネズミ野郎」と陰口を叩かれている。第1話、6話、13話にて登場。
放送リスト

回サブタイトル             脚本    監督     ゲスト
1宝石泥棒に子守唄を
柴英三郎深作欣二金子信雄真屋順子坂上忍加藤和夫富田仲次郎八名信夫桐生かほるオスマン・ユセフ
2悪女にトラック一杯の幸せを永原秀一
峯尾基三恩地日出夫緑魔子江原達怡上野山功一北村総一郎相原巨典和久井節緒岸井あや子
3ヌードダンサーに愛の炎を市川森一深作欣二中山麻理室田日出男都家かつ江白石奈緒美伊達三郎大木正司
4港町に男涙のブルースを大野靖子神代辰巳池部良荒砂ゆき田島義文二見忠男潤ますみ
5殺人者に怒りの雷光を市川森一工藤栄一加藤嘉松山省二木村豊幸谷岡行二檜よしえ
6草原に黒い十字架を山本邦彦神代辰巳高木均大村千吉苅谷俊介


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:84 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef