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古代ローマ人の名前

古代ローマの自由人男性の氏名は多くの場合3〜4の部分からなっていた。個人の名前、氏族の名前、家族の名前、および添え名である。例えばガイウス・ユリウス・カエサルは、「ユリウス氏族のカエサル家のガイウス」という名であった。このうち個人名のバリエーションは少なく、20種類ほどに限られていた。そしてクィントゥスは日本語的には「五郎」といった感じで数字由来の名を付けることも多い。また個人名はバリエーションが少ないこともあって略して記されることも少なくない。以下はその対応。

ガイウス - C 

マルクス - M

ルキウス - L

ティトゥス - T

ティベリウス - Ti

プブリウス - P

クィントゥス - Q

デキムス - D

グナエウス - Cn

アウルス - A

ヌメリウス - N(またはNum)

自由人女性には個人名はなく、氏族名の女性形やあだ名で呼ばれていた。例えばクラウディウス氏族の娘はクラウディアと呼ばれ、ユリウス氏族の娘はユリアと呼ばれた。

養子の場合にはもとの姓を家族名の後ろにつけた。例えば、オクタウィアヌスの場合「ガイウス・オクタウィウス・トゥリヌス」がカエサル家に養子となった後は「ガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス」となった。

沿え名は国家に功績のある場合などに元老院の決議などにより与えられた。多くアフリカヌス、ゲルマニクスなど勲功を上げた土地の名にちなんで与えられた。また出身地の名称からとられることもあった。こうした添え名は一代限りのものも多かったが世襲を許され、家族名として用いられるものもあった。


オランダの名前

オランダでは前置詞 van を含んだ姓 (surname) が多く見られる。van は英語 of あるいは from の意味を持ち、出身地を示すが、現代ではもとの意味はほとんど失われている。英語圏で見られるようなミドルネームは持たない。複数の個人名 (given name) を持つこともあるが、日常的に用いるのはそのうちの1つだけであり、ほとんどの場合はファーストネームを使う。そのため大部分の人はファーストネーム・サーネームの組み合わせで広く知られることになるが、フルネームで最も良く認識されている場合もある。貴族の家系では Huyssen van Kattendijke などの複合姓 (double surname) を持つこともあり、この場合 Huyssen はファーストネームではない。ナイトに対応する称号としては ridder が知られる。

ファーストネームが複雑な場合には省略した通称で呼ばれることもあり、例えば Hieronymusch が通称 Jeroen などとなる。大きな契約や結婚、IDカードなど以外には通称を用いるのが普通である。複数の個人名を持っている場合、通称も複数個からなるものを用いることがある。


その他の国や地域

インドについては、インド人の名前を参照。

アイスランドでは、家系に共通の姓はない。姓名は通常、子供の名と、父の名の語尾に接尾語を加えた名の2つの部分からなる。接尾語は、男の子には息子を意味するソン(son)、女の子には娘を意味するドッティル(dottir)を父の名の後に付すという形をとることが法律で定められている。電話帳では、ファーストネームにより検索することになる。

トルコでは、1934年に導入された創姓法によって、国民全員が姓を持つことが義務付けられた。

フランスではナポレオン法典によって子供につけられる名前が聖人の名前などに限定されたことがある。Jean-PaulやJean-Lucのような2語からなるファーストネームがフランスで一般化したのは、そのような状況の中で名前に独自性を持たせようとした当時の工夫のためである。フランスでは子供に付けられる名前が少なく(アラン、フィリップなど)、同じ名前の人物が多数いるという状況で、苦情が絶えない。

ギリシャ人は長男に父方の祖父の名をつける、などの習慣がある。また「〜の息子」を意味する「〜プーロス」という姓が用いられることも多い。(例:「ステファノプーロス」=「ステファノスの息子」→ギリシャ系アメリカ人で米TVコメンテーターのジョージ・ステファノポロス等が有名)。また古代ギリシャ人では姓は形跡があったものの、一般化しておらず、このため古代ギリシャの人物は「ハリカルナッソスのヘロドトス」にように地名を冠して呼ばれることが多い。ギリシャ人に姓が普及したのは、有力貴族が成長してきた9世紀の東ローマ帝国時代以降のことである。


人間以外の名前

犬や猫などのペットには通常、人名と同様の個体固有の名前が与えられる。日本では犬の「ポチ」、猫の「タマ」などが比較的典型的な名前として知られている。アメリカでは犬には「Dude」が多い。これらの名前からわかる通り、ペットの名前は人間の名前とは明らかに異なるものである場合も多い。だが、最近「ペットは家族の一員」という考えが広まるにつれ、人間と同様の名前をつけるケースも多くなっている。また、ペットが自分の名前を呼ばれて反応するということは、犬やネコも名前の概念を持っていると見ることも出来る。

また、日本には茶道具、刀剣や船などに人名に類似した固有名をつけてきた伝統があり、今日でも産業用ロボットにも個体固有の名前を与えることがある。これは欧米などに見られないものであるとされ、これは日本人の工場労働者がロボットを敵対視していないことの現れであるとされることが多い。また、工事現場で大型クレーンに愛称をつけて呼ぶこともある。


参考文献

松本脩作・大岩川嫩 『第三世界の姓名 人の名前と文化』、明石書店、1994年 ISBN 4750305790

朝日ジャーナル編 『世界のことば』、朝日新聞社、1991年、125頁(アイスランド人の名前について) ISBN 4022595361

東京外国語大学語学研究所 『世界の言語ガイドブック』(2)「アジア・アフリカ地域」、三省堂、1998年、269頁(ミャンマー人の名前について) ISBN 438535815X

"Names" The New Encyclopaedia Britannica (15th ed.) 2002. Chicago, IL: Encyclopaedia Britannica.

"Naming" Encyclopedia of Marriage and the Family. David Levinson (editor in chief, 1995. New York, NY: Simon & Schuster Macmillan

"Name" The World Book Encyclopedia. Chicago,IL:World Book Inc.

21世紀研究会 編『人名の世界地図』 文春新書 文藝春秋 2001年 ISBN 4166601547

梅田修 『世界人名ものがたり―名前でみるヨーロッパ文化』講談社現代新書 講談社 1999年 ISBN 4061494376

梅田修 『ヨーロッパ人名語源事典』大修館書店 2000年 ISBN 4469012645

梅田修 『世界人名ものがたり―名前でみるヨーロッパ文化 』講談社現代新書 講談社 1999年 ISBN 4061494376

辻原康夫『人名の世界史』平凡社 2005年 ISBN 4582852955



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki