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現在

現代人は移動することを生業とするともいえ、建築家の黒川紀章は、牧畜民、農民といった生活形態での区別に、現代人を「動民」(ホモ・モーベンス)として位置づけた。


現代の交通


概観


地域交通

ある特定の地域内での交通においては、大都市部、中小都市部、それ以外の地域内輸送、ぞれぞれにおいて、特徴的な交通実態になっている。

大都市部内での交通は、交通需要が極めて大きい。また、通勤通学時に極端に交通需要が増えたり、ビジネス地区への一方的需要が大きい。そのため、通勤通学時の混雑、渋滞などが問題になっている。


地域間交通

後述のように、地域間交通の主力交通手段が、鉄道からバス、航空機へシフトしてきている。


陸路


鉄道

現在、日本など先進国のほとんどでは鉄道網はほぼ完成状態にあるといえる。主要都市間の鉄道網は完備し、高速鉄道網(新幹線)も主要な部分は完成している場合が多い。

比較的近距離の都市間の移動には鉄道は他の交通機関と比べても優位性がある。特に短・中距離(在来線で200キロ、新幹線で500キロ程度)以下の場合、航空機と比べて到達時間に優位性があること、比較的乗客が多いため、利益が確保できることなどがあるからである。日本中国インドヨーロッパなど、中・大都市間での移動需要が一定量ある場合、鉄道はよく使われている。

しかし、現在の鉄道は、いくつもの課題を抱えているのも事実である。

まず、乗用車バストラックといった自動車の存在があげられる。自動車の登場により、自動車の小回りのきく輸送力には鉄道は太刀打ちできず、主要都市間を除く鉄道網は次第に衰え始めた。さらに、都市内の路面電車においても、道路上の車の台数が多すぎて、身動きができなくなり、ついには廃止される都市が多くなった。しかし、地下鉄などの都市内部の鉄道網は、慢性的な通勤ラッシュが続いており、鉄道並みの輸送力を確保できる交通手段は他にないため、現在でも世界各地で都市鉄道網の拡張が続いている。

一方、都市間の交通需要も、最近では、高速道路の整備により、高速道路を利用した高速バスが、従来鉄道が得意としていた数十〜数百キロの都市間連絡に使われ、鉄道の領域を脅かしつつある。特に、鉄道では遠回りになったり、速達性の高い列車が走っていない都市間ではよく使われている。また、鉄道を使った場合の運賃よりも安いのもメリットで、とりわけ都市間連絡の夜行バスなどは、夜行列車が少なくなっている現状では、現地での有効時間を十分に利用できること、鉄道運賃+ホテル宿泊費よりもバス運賃が安いことなどから大きな需要がある。これを狙って、さらに安価な主催旅行の形を取った貸切バスによる都市間ツアーバスも参入し、鉄道を脅かす存在になっている。

中距離(300-500km)以上の移動に関しては、飛行機と完全な競争状態にある。空港でかかる搭乗時間や空港までのアクセス時間等がかかるので、すべての県で新幹線網が使える東北地方や、鉄道網が高度に発達した関東地方および関東地方に隣接する甲信越地方静岡県では中距離輸送は鉄道優位だが、それ以外の地方では長距離移動は飛行機・中距離移動は高速バスと拮抗状態にある。1997年の規制緩和以降国内線の航空券が、定価(普通運賃)よりも大幅に安い各種割引プランで買える場合が多くなり、金額的にもかなり不利であることが多い。長距離(おおよそ500km以上)では飛行機に分があるところの方が多い。

また、需要が多い都市近郊の輸送においても、輸送量が増えすぎ、設備の強化をすること(増結、複々線化、高密度運転化など)に多額の経費がかかり、経営に足かせとなっていることもある。鉄道が都市のインフラであることから、輸送力増強資金は自前調達が原則とされていた以前よりは公的な援助が受けやすくなってはいるものの、少子化で将来的に通勤/通学需要が減っていくことも懸念材料である。そのため、各社とも、効率的な投資、ダイヤの組み替えによる利便性の向上、駅設備での関連事業の強化(いわゆる駅ナカホテル事業など)等で、経営状態の安定化を図っている。たとえば、銚子電鉄では、片手間で始めた副業(煎餅の製造販売)が本業の赤字を補うほどの収入を上げているし、大手私鉄は古くから不動産・小売業に力を入れ、特に阪急電鉄東京急行電鉄では戦前からベッドタウン・商業地といった都市開発を本業としており、鉄道事業もその一部と位置づけられていた。民営化後のJRも交通事業のほか不動産不動産の分譲や賃貸など)や金融小売など関連事業の強化に乗り出している。

しかし、エネルギー効率が悪く、排気ガス等の環境問題がある、自動車中心の交通網を見直す動きも出てきている。モーダルシフト(輸送手段の鉄道や船舶などへの移行)という概念である。地球環境に対する負荷の低さや、大量に、かつ定時性を確保するための交通手段として、陸上の輸送手段では最大の輸送力を持つ鉄道が見直されてきている。

輸送量があまりない地域では鉄道が成り立たなくなりつつあるが、都市部などでは、環境問題のほかに高齢者や障害者などの交通弱者対策も兼ね、最新式の車両を使ったLRTなどの導入が再検討されつつあり、既存の路線でも駅設備等のバリアフリー化を行ない、サービス向上に努め、競争力を高めて需要を喚起する事も重要である。

そのような傾向とは対極的に、近年では規制緩和の流れから、鉄道事業法が改正され、事業者の市場への参入(免許制から許可制に)と退出の規制(廃止時の沿線自治体などとの協議期間の短縮など)が緩和された。そのため、採算を取るのが難しい地方私鉄や第三セクター鉄道では、存廃論議の再燃や、実際に廃止されたところもあり、また、都市やニュータウンにおける鉄道も、初期投資の割に予測どおりの輸送人員が得られず、赤字に陥っているところも多い。


自動車

日本で、広い意味での自動車が交通手段として台頭(広義のモータリゼーション)してきたのは、道路網の本格的な整備が進められた1960年代(昭和30年代)以降であろう。1970年代(昭和40年代)以降になると自家用車の普及が進み、公共交通機関の衰退が進むようになる。しかし、環境問題により、自動車への懸念がなされている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki