中高一貫校
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概説

元々は私立の学校がほとんどであったが、個々の生徒の能力に合わせた教育をするためには、中学校と高等学校で全く別な教育をするよりも、一貫性を持たせた教育をした方がよいという考えから、現在では中学校と高等学校の教育を統合した公立の中高一貫校が徐々に作られてきている。

また、一部では小中高一貫校を作ろうという動きもある。

歴史的な観点から見ると、旧制中学(5年生)が、新制高校に移行する過程で併設された新制中学と連続して教育を行う、旧制中学の名残りということもできる。

近年首都圏を中心に私立の中高一貫校への進学熱が加熱しており、ある程度の家計の豊かさを象徴するものとして、公立中学進学者との間に英国流の階級差となって現れることを懸念する向きもある。


公立中高一貫校の問題点

公立中高一貫校は私立中高一貫校に比べて学費が安いが、公立中高一貫校に生徒が集中すると、公立中学校には教育意欲に乏しい貧困家庭の生徒ばかりとなる恐れがあり、地方自治体が格差拡大に加担しているという批判がある[1]

教育学者の藤田英典は以下の点で公立中高一貫校には問題があると指摘している[2]
エリート校化
いくら一貫校を受験エリート校にしないため学力試験による選抜を認めない[3]と言っても広域募集・広域選抜を行う限り一貫校が「選ばれた生徒だけの特別の学校」になるのは構造的な必然である。普通の小学生が遠くの学校を自主的に選ぶということは一般的にはありえず親の関心・選択が優先することになり、一貫校は教育熱心な恵まれた家庭の子供ばかりになる可能性が高い。一貫校は特別の期待の下に設立されるので予算面や施設面、運営面や教員配置の側面で一般の中学や高校よりも優遇される。
中等教育の複線化
小学生は中学入学段階で広域募集・広域選抜を行う中高一貫校か区域内の生徒を無選抜で受け入れる3年制中学校のどちらに進学するかを選ばなければならないことになる。かくして一貫校に通う生徒と非一貫校に通う生徒、中学受験を経て入った一貫校の生徒と無試験で入った地元の中学校の生徒というように中学生に実質的にも象徴的にも地位の分化が起きることになる。一貫校の方が高い評価を得るであろうからこの地位の分化は水平的ではなく垂直的・序列的なものになるのは必至である。一貫校がある程度多くなると確実に中等教育に新たな歪みを持ち込み3年制公立中学の教育を今より遥かに難しいものにする。
学校選択の不公平
公立中学校の選択の自由は原則的に認められていないが公立中高一貫校には選択の自由がある。そのため一貫校の入学者と3年制の公立中学校の入学者の間で不公平が生じることになる。
中学受験の弊害
中高一貫校のメリットとして高校入試が無いのでゆとりのある教育が実現できることが挙げられているが実際には高校入試が小学校の段階に移るだけである。選択肢としての各学校の違いは単なる好み(個性)の違いとして表れるのではなく優劣・序列の差となって表れるから受験競争の弊害が確実に小学校の教育に影を落とすことになる。中学校も現に序列化されている高校と同じ問題が起きるようになり特に相対的に低位に位置づく学校が今より遥かに大きな難しさを抱え込むであろうことは想像に難くない。


その他

地方部ではボーダーフリーの公立高校が存在するため、見かけだけの中高一貫校が存在している。これは他の高校への通学が著しく困難であることに因る。


脚注^ 本間正吾 「 ⇒公立中高一貫校のある景色 〜秋田県の公立中高一貫校を訪ねて〜」『 ⇒ねざす』No.38、神奈川県高等学校教育会館、2006年11月。
^ 藤田英典 『教育改革--共生時代の学校づくり』 岩波書店、1997年6月20日、79-86頁。ISBN 400430511X
^ ただし公立中高一貫校で行われる適性検査は実質的には学力試験と変わらない難易度と言われていて適性検査の対策を指導している学習塾が多い。


関連項目

学校

学校教育法

中学校 - 高等学校

小中一貫教育

小中一貫校(義務教育学校)

中高一貫教育

中等教育学校

小中高一貫教育

構造改革特区

初等教育 - 中等教育

中等教育 - 高等教育

中学受験

高校受験

公立学校選択制
カテゴリ: 学校 | 中等教育 | 中高一貫校

更新日時:2008年8月11日(月)01:29
取得日時:2008/08/19 20:39


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki