中華人民共和国の地区級の行政単位としては、地区、地級市、州、アイマク(盟)の四種がある。アイマク(盟)は清代以来、モンゴルに設けられていた行政単位、州は1950年代半ば以降、地区級の民族区域自治行政単位のみに用いられた行政単位の呼称であるのに対し、地区、地級市は、中国の全土に設けられている行政単位である。
地級市
省級の行政単位と県級の行政単位の中間にある地区級の行政単位の一種で、従来より各省、自治区の中核都市に設置されていたが、近年、各種の地区級行政単位の地級市への転換が大規模に推進されている。
アイマク(盟)
アイマクは、清代にモンゴルを中心に施行された「盟旗制」に由来する行政単位の呼称で、盟はアイマクに対する中国語の呼称である。内蒙古においては民国期、人民政府期を通じてこの呼称が使用されつづけ、現在にいたっている。モンゴル国でも行政単位としてアイマクという呼称が用いられており、そのまま「アイマク」とカナ書きされるほか、「州」や「県」などと和訳されることがある。中国の現行制度では、アイマク(盟)は地区、ホショー(旗)は県に相当し、二十世紀末から今世紀初頭にかけ、盟の地級市への再編が進行している。
州
州は、数県を管轄する行政単位として、中国において古くから使用されてきた行政単位の呼称であるが、現行制度では、州と名のつく自治体は、すべて民族区域自治行政単位である自治州である。中華人民共和国の建国初期、中国人民政府の掌握地域の各地で「○○族自治区」として発足し、1950年代半ばに「○○族自治州」と改称されて現在に至るものが多い。各省と、自治区のうち、新疆ウイグル自治区に設置されている。
地区
地区は、元来は数県を管轄し、中国の全省、自治区内にもうけられていたが、近年地級市への転換がすすみ、現在では黒龍江、貴州、甘粛、青海の各省の一部分と、西蔵自治区内に残るのみとなった。
ホショー(旗)と自治県
ホショー(旗)
ホショー(旗)は、アイマク(盟)を構成する県級の自治体。清末の内蒙古で漢人の入植が進んだ地域に、漢人を管轄する行政機関として州、県が設置された伝統を受け継ぎ、漢人が多数分布する県級の自治体は県、モンゴル人が多数を占める県級の自治体は旗を名乗る傾向がある。
自治県
民族自治区域内に存在する諸県のうち、「自治県」の名称を冠するものとしては、以下のような種類がある。
いずれかの省において、「集住」の領域が県規模の場合、自治主体民族の名を関した自治県となる。
いずれかの民族自治州において、その州の自治主体民族とは別の民族の集住領域が県規模の場合、その民族の名を関した民族自治権となる。
内蒙古自治区や西蔵自治区内の諸県、四川・青海・甘粛・雲南の各省内の「チベット族自治州」を構成する諸県で、「チベット族」が自治主体民族である諸県は、いずれも「○○族自治県」を名乗っていない。
各級の民族区域自治行政体
中華人民共和国における省級の民族自治区域一覧(自治区)
中華人民共和国における地級の民族自治区域一覧(自治州)
中華人民共和国における県級の民族自治区域一覧(自治県・自治旗)
これらの少数民族には、各自の言語、文化を維持する権利が保証されている。特に各少数民族を教授言語とする初等中等教育が原則保証されている。しかし、実際は北京語以外による高等教育は認められず、また民族語を教授言語としても、民族史の授業を認めないことが同化政策として問題視されることもある。また、少数民族の優先的な上級学校進学、公務員採用などのアファーマティブ・アクションも採られているとされ、この恩恵に預かるため漢族が少数民族を詐称することが問題になっているという。
中国政府は成立直後の1950年ごろ、新疆ウイグル自治区に漢族を中心とする新疆生産建設兵団を大量に入植させた。そして当初人口7パーセントだった漢族が1991年には40パーセントになり、自治の主体たるはずのウイグル族は少数派に転落しつつある。漢族と、非漢族の経済格差が激しいとされる。その結果、新疆ウイグル自治区では、分離独立運動も高まっている。歴史上、西トルキスタンとの関係が深く、石油資源などが豊富なこの地を、中国政府は、武力を背景に分離独立を許さないかまえである。
チベットを参照のこと。
内モンゴル自治区を参照のこと。
関連項目
国家民族事務委員会
中華民族
羈縻政策(きびせいさく)
衛所制
土司
外部リンク
⇒民族自治州
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更新日時:2008年5月6日(火)01:33
取得日時:2008/07/27 13:49