二等辺三角形の等しい 2 つの辺が作る内角を頂角といい、残りの 2 つの内角を底角という。また、頂角の対辺を底辺という。△ABC が b = c の二等辺三角形であることは、∠B = ∠C であること、また ∠A の二等分線が辺 BC を垂直に二等分することとそれぞれ同値である。図 6: 直角二等辺三角形
直角二等辺三角形の頂角の大きさは 90 度であり、底角の大きさはそれぞれ 45 度となる(図 6)。
正三角形の内角はすべて等しく 60 度となり、三辺の長さも等しい。また任意の 1 角が 60 度である二等辺三角形は正三角形である。(図 7)。
三角形は基本的な平面図形であり、面積の求め方も、基本的なものだけでも幾通りかが知られている。いずれの式を用いても同じ値が得られるので、その時点で明らかになっている辺の長さや頂点の角度といった要素に応じて使い分ければよい。
1つの辺、またはその延長線と直角に交わる直線をその辺にたてた垂線といい、垂線とその辺との交点を垂線の足または垂足という。ある辺にたてた垂線が、それに対する頂点を通るとき、垂線の足とその頂点との距離をその三角形の高さという。高さは 3 つの辺それぞれに対して定義できる。ある頂点 A の対辺 a に対する高さを ha とするとき、面積 S は
で表される。
3辺の長さを a, b, c とし、
とするとき、面積 S は
で求められる。これをヘロンの公式と呼ぶ。
2辺の長さを a, b 、その夾角の角度を C とするとき、面積 S は
で求められる。
1辺の長さを a 、その両端角の角度を B, C とするとき、面積 S は
で求められる。
2次元直交座標系(直交座標平面)で、座標 (0, 0), (x1, y1),(x2, y2) を頂点とする三角形の場合、面積 S は
で表せる。
2次元極座標系(極座標平面、円座標)で、座標 (0, 0), (r1, θ1), (r2, θ2) を頂点とする三角形の場合、面積 S は
または
で表せる。
三角形は内心、外心、垂心、重心、傍心をもつ。これらをあわせて五心という。
外心を O、重心を G、垂心を H とおくと、3 点 O, G, H は一直線上にあり(この直線をオイラー線と呼ぶ)、また OG : GH = 1 : 2 である。
三角形の 3 つの内角の二等分線は 1 点で交わる。この点のことを内心という。内心は 3 つの辺から等距離であり、内心を中心として半径がその距離である円は 3 つの辺に接する。この円のことを内接円という。
三角形の 3 辺の垂直二等分線は 1 点で交わる。この点のことを外心という。外心は 3 つの頂点から等距離であり、外心を中心として半径がその距離である円は 3 つの頂点を通る。この円のことを外接円という。
外心は三角形の内部にあるとは限らない。鈍角三角形の場合は外側にあり、直角三角形の場合は斜辺上にある。
三角形の 3 つの頂点からそれぞれの対辺に引いた垂線は 1 点で交わる。この点のことを垂心という。
三角形の頂点とその対辺の中点を結ぶ 3 つの線分は 1 点で交わる。この点のことを重心という。また、それぞれの線分を中線といい、重心は中線を 1 : 2 の比で分割する。
傍心図 12: 三角形の傍心(IA, IB, IC がそれぞれ、傍心である)
三角形の 1 つの内角と他の 2 つの外角の二等分線は 1 点で交わる。この点のことを傍心(ぼう しん)という。三角形に傍心は 3 つある。傍心は 1 つの辺と 2 つの辺の延長線と等距離にあり、傍心を中心として半径がその距離である円を傍接円という。
三角形の 3 辺、およびその延長線上と等距離である点は、内心と傍心あわせて 4 点ある。
2 つの三角形を移動して重ねあわせることができるとき、この 2 つの三角形は合同であるという。ここでいう移動とは、平行移動、回転移動、対称移動を組み合わせたものである。
ある 2 つの三角形について、以下の条件のうち 1 つでも満たしていれば、その 2 つの三角形は合同となる。これを三角形の合同条件という。この条件は「三つの条件のうち、どれかが与えられれば三角形は決定される」、「相似の特別な場合である」(これは一般の多角形についても成り立つ)と解釈する事もできる。
三辺相等: 対応する 3 辺の長さがそれぞれ等しい
二辺夾(挟)角相等: 対応する 2 辺の長さと、挟まれる角の大きさがそれぞれ等しい
二角夾(挟)辺相等: 対応する 2 角の大きさと、挟まれる辺の長さがそれぞれ等しい
なお、二角夾辺相等については、「一辺両端角相等」などの表記もみられる。また、三角形の内角の和が 180 度である事を考えれば、必ずしも、辺を挟む 2 角が与えられていなくとも良い事が分かる。図 13: 2 辺と 1 角が等しいが合同ではない三角形の例
これに対して、2 辺と 1 角が等しい場合には、それだけでは合同であるとはいえない。例を図 13 に示す。図 13 の場合、三角形 ABC と A'B'C' について、辺 AB と A'B', AC と A'C', 角 ABC と A'B'C' が等しいが、合同ではない。
また、1 角が直角である場合、次のような合同条件も考えられる。
斜辺と他の一辺相等
斜辺と一つの鋭角相等
ある 2 つの三角形について、以下の条件のうち 1 つでも満たしていれば、その 2 つの三角形は相似である。
三辺比相等(三辺の比相等): 対応する 3 組の辺の長さの比が等しい
二辺比夾(挟)角相等(二辺の比と夾(挟)角相等): 対応する 2 組の辺の長さの比と、挟まれる角の大きさがそれぞれ等しい
二角相等: 対応する 2 組の角の大きさがそれぞれ等しい
「三辺比相等」について、これは、ある三角形と、また別の三角形について、対応する辺の長さがそれぞれ等しいことを言っている。 また、ある三角形 A において、辺の長さの比が、p : q : r であり、別の三角形 B において、辺の長さの比も、p : q : r である場合には、三角形 A の辺の長さが ap, aq, ar とおけて、三角形 B の辺の長さが bp, bq, br とおける。