三権分立
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権力分立の態様

まず、天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」(1条)とされ、「国政に関する権能を有しない」(4条1項)ものとされた。天皇の「国事」に関するすべての行為(国事行為)には、内閣の「助言と承認」を必要とし、内閣がその責任を負うこととされた(3条)。

立法権を行使する国会は、衆議院と参議院からなり、「全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」(43条1項)ものとされた。国会は、「国権の最高機関」であって、「唯一の立法機関」とされている(41条)。「最高機関」の意味するところは、統治権を総攬するかつての天皇のような機関という意味ではない。

また、「唯一の立法機関」と定められたことから、国会中心立法の原則と国会単独立法の原則が導かれる。国会中心立法の原則とは、国会による立法以外の実質的意味の立法は、憲法に特別の定めがある場合を除き許されないという原則である。その例外には、議院規則最高裁判所規則などがある。内閣が定める政令は、個別具体的な委任による立法のみが許される。

国会単独立法の原則とは、国会による立法は、国会以外の機関の参与を必要とせずに成立する原則をいう。その例外としては、95条の地方自治特別法がある。天皇による「公布」は(7条1号)は、大日本帝国憲法における天皇の「裁可」のような機能を持たない。内閣の法案提出権は、国会の審議採決を妨げず、また、72条に議案提出権が定められているため、許されると解される。

全て司法権は、最高裁判所下級裁判所からなる裁判所に属することとされ、最高裁判所は終審裁判所とされる(76条1項)。特別裁判所の設置は禁止され、行政機関が終審として裁判を行うことはできない(同条2項)。司法権の行政権からの独立を確立するため、司法行政権は司法権の一部として裁判所に帰属することになった。また、行政裁判所は廃止され、通常の裁判所が行政事件を管轄する。さらに、最高裁判所は「一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所」とされた(81条)。これは、最高裁判所および下級裁判所が、違憲立法審査権を有することを意味すると解されている。

「行政権は、内閣に属する」(65条)。他の二権が、「唯一の」(41条)あるいは「すべて」(65条)とされているのに対し、単に「属する」と定められたことは、三権分立が行政権にとっては抑制原理(他の二権にとっては防衛原理)とされていることを意味すると解される。内閣は、「首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣」で組織される(66条1項)。内閣総理大臣は、「国会議員の中から国会の議決で、これを指名」(67条1項)され、天皇に任命される。国務大臣は、内閣総理大臣が任命し、天皇が認証する。国務大臣の過半数は、国会議員の中から任命される。このように、内閣総理大臣を国会議員の中から国会が指名し、内閣が行政権行使について「国会に対し連帯して責任」を負う(66条3項)ことから、議院内閣制が採られているものと解される。


三権相互の関係

まず、国会と内閣の関係は、議院内閣制の下、国会による内閣総理大臣指名権が要点となる。また、衆議院は内閣不信任決議を行うことができ、可決されると内閣は総辞職か衆議院の解散・総選挙を選ばなければならない(69条)。さらに、内閣は衆議院を解散する権限を有していると解されている(7条3号)。これにより、国会と内閣は均衡し、内閣と国会における与党が一致して国政を運営している。なお、議院には国政調査権が付与され(62条)、この権限を適切に行使することにより、国会には内閣の行動を監視監督する機能も期待されている。

次に、国会と裁判所の関係は、司法の独立を基調にして、国会から裁判所への過度の干渉は排除されている。国会は法律を制定して裁判官を拘束し(76条3項)、また、非行などのあった裁判官は、国会議員からなる裁判官弾劾裁判所が弾劾する(64条)。ただし、裁判官弾劾裁判所は国会から独立した機関とされ、また、刑罰を科すことはできない。一方、裁判所は、国会の制定した法律の憲法適合性を審査するため、違憲立法審査権を有するなど、立法権抑制のため、強い権限が付与されている。

裁判所と内閣の関係は、司法の独立があるものの、密接である。最高裁判所の長官は、内閣が指名し、天皇が任命する。最高裁判所のその他の裁判官は、内閣が任命する。下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣が任命する。このほか、判事が法務省などの行政機関に出向して行政事務を行い、あるいは、検事が裁判所に出向して判事になるなど、判検交流と称される人事交流も広く行われる。このように、内閣が裁判官人事に深く介入しているためか、行政事件は裁判所が審理裁判するものの、行政に不利な判断は滅多に示されない。また、裁判所では、いわゆる司法消極主義の態度が広く見られ、政治部門に対する法的判断は控えられる傾向にある。このような裁判所と内閣の関係は、戦前の司法行政権の名残であるとも言えなくはない。地方裁判所・高等裁判所で地域住民の訴えを認めた判決が、最高裁判所に上告されると判決がくつがえるなどの事例も多く、日本国の三権分立は、司法権が行政権に支配を受けやすい状態であるといえ、現状での最高裁判所の実態は、人権保障の最後の砦としての「憲法の番人」とは呼べない状況にある。このような最高裁判所の実態は「憲法の番人」ならぬ「権力の番犬」と揶揄されることもある。

ただし、行政が司法の任命権を持つことは世界の権力分立制度に共通のものである。これらの国との違いは、日本において政権交代が著しく少ないことが原因とする考えもある。アメリカの場合は、上院の承認さえクリアすれば、大統領によってより恣意的に合衆国最高裁判所の判事の選任が行われる。しかし判事の任期は終身であることから、辞任した判事の後任を任命することしかできないため、数年に1人程度の任命しかなく、結果的に共和党と民主党の交代に伴って、判事がバランスよく配分されることになる。このような状況は、日本では自民党政権が長期にわたっているためあまり無く、行政と司法の距離を特に近づけているとする考え方である。


関連項目

日本国憲法

立法

司法

行政

第四権力

四権

連邦制

日本の行政機関
内閣
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内閣府宮内庁 | 公正取引委員会 | 国家公安委員会警察庁 | 金融庁
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen