万引き
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万引き対策

食料品や雑貨などでは店員による目視、監視カメラの設置等が一般的である。しかし、店員の監視は人件費や通常の業務などを考えると、どうしても人を割けない事情もある。監視カメラにも死角があり、いずれも限界がある。


万引き防止システム電波式の万引き感知ラベル

電子機器やソフトウェアなど高額商品の場合、磁性体(磁気式-EM)やICチップ(電波式-RF)を利用した商品タグや小型のブザーを商品に貼付もしくは装着し、店舗入り口に設置された検知器で検出すると言う方式が一般に採用されている。 この方式ではコストはかかるものの、個別に防犯対策を施せる事から、各種量販店やレンタルビデオ店などでも普及している。 しかし、検知を無効化したり、防犯装置自体を破壊したりして窃盗する者も出現しており、犯行はより巧妙化している。

また、衣類に関しては、洗浄の難しい染料系インクを加圧封入したガラス管を装着した特殊なタグを容易に切断できない高張力高分子ワイヤで商品に装着し、所定の治具以外で取り外すと商品・犯人共にマーキングされるという方法で万引きを抑止している。

しかしながらシステム導入費用や導入後の維持に多大な手間と費用がかかることから小規模小売店などは導入に躊躇している。


万引きGメン

また近年は、私服で巡回を行い不審者を監視する警備員「店内保安員」を配置する店が増えている。売り場にそぐわないごつい体格の男、しわくちゃになった小さなレジ袋(長時間の巡回によりしわくちゃになるものと思われる)を持っている者、あるいはどう見てもお買い物を楽しんでいる客とは思えない厳しい視線を投げかける者などが、店内を不自然にうろうろ歩いていることが多く直ぐに判別が付くので、犯罪抑止効果も狙っているものと思われる。しかしながら、買い物客としては行動があまりにも不自然なので、一般客から不快感を持たれたり逆に不審人物として制服警備員に通報されるケースもある。

ワイドショーや犯罪関係の番組などで、こうした警備員を「万引きGメン」として その勤務の模様を放送することがある。その勤務内容は、
店内で不審な行動を取っている客を監視し、その客がバッグやポケットに商品を入れるのを確認する。

その後その客が店を出て、犯罪が成立した時点で声を掛ける

というものである。 一連の万引きGメンと万引き犯人のやりとりを放送することは万引きの抑止にもなるという声もあるが、この企画が放送されるとやらせではないのかなどと抗議・苦情が来る場合もある。

なお、犯人を捕まえて連行、警察官が駆けつけるのを待つ事を“キャッチ” “捕捉”と呼ぶ。


犯人への対応

秋葉原電気街等の小型高価格製品を扱う店舗が多く、かつ、中古品の買い取りを行う店舗が存在する場合、荒稼ぎが可能となるとして、そのような個所では厳重な警戒が行われ、初犯であっても即座に警察に引き渡す・職場などに連絡するなどの厳しい措置が取られている。

また、刑法改正により窃盗罪にも罰金刑(最高50万円)が新設施行され、従来は起訴便宜主義により起訴猶予微罪処分となっていた多くの万引き事犯でも、今後は略式命令等による罰金刑宣告処分が増加する可能性がある(ただし少年保護事件の処理に影響あるかは不明である)。


万引きに関連した事件など

2003年1月に、・京急線八丁畷駅近くの古書店で万引きをして店員に補導された少年が、その後引き渡された警察官のもとから逃走し、遮断機の降りた踏切を越えようとして走ってきた電車に撥ねられ死亡するという事故が起きた。

この事故がテレビ等で取り上げられた際、少年の父親やテレビでインタビューを受けた一般人の一部が書店側の責任を問う発言をし、マスメディアで放送された。その後、書店に対し全国から多数の抗議が寄せられ書店は閉店した。

その後、少年の万引きが初犯でなかったことや、補導時の少年の行動等に言及し、書店側の行動が妥当な対応であったとして、 書店を擁護する声が上がり、書店に対する多数の応援も寄せられた。

これを受けて書店側は営業を再開したが、その後再び閉店した。 以上の経緯から、マスメディアによる当初からの報道内容や姿勢、中立性について糾弾する声があがった(報道のあり方に関しては報道の自由ならびに報道被害の項を参照のこと)。

また、万引きをした犯人が、追跡してきた人間をナイフ等で傷害、殺害するという事件の例があり、この場合、事後強盗傷害罪または事後強盗殺人罪となる。反撃を恐れる店舗では、なるべく万引き犯を追わないようにと呼びかけていることがある。

また、被害を受けた店側が、連行した万引き犯に対して、警察に通報しない事を条件に引き替えとして、 不当な行為を要求して問題になる事例がある。 この場合、通常の社会的通念を越えた要求は脅迫罪強要罪ないし恐喝罪を構成しうる。

ほかにも、捕まえた万引き犯に対し捕まえる際にもみ合ったり、店員が逆上したりして暴行を加えた結果数時間後に死亡し万引き犯を捕まえた店員が暴行致死で逮捕されるといった事例もある。

常習化された万引き犯が警察に行っても、引き取り手がいればすぐに出て来られるのが問題である(上記の暴行による死亡は万引き常習犯の老人男性が被害者だったケース)。


現行犯について

一般人が犯人を逮捕できるのは現行犯(憲法第33条・刑事訴訟法第213条)、準現行犯(刑事訴訟法212条)である。準現行犯の説明は現行犯の項に詳しい。本来、犯人を逮捕する為には、事前に裁判所が逮捕の必要性について検討した結果、その発行した逮捕状が必要となる。現行犯の場合には、犯罪の実行が明らかであり誤認逮捕の危険性が低く、逮捕状なしに一般人が逮捕することが認められている。

逮捕は相手の身柄を拘束すると言う人権侵害行為であり。罪状によるが逃げる様子もなく、住所・氏名・職業(学生)など、明らかにしている者を、ことさらに逮捕することは逮捕監禁罪(刑事訴訟法217条)となることもある。

万引き犯が後日店にやってきたとしても、現行犯・準現行犯の用件を既に満たしていない(時間的近接性がない)ので現行犯逮捕はできない。この場合、職務質問類似行為、犯人の荷物を確認する行為、身柄を押さえる行為などもできない(体さえ触れる事ができない)のである。ただし、警察に被害を報告している場合には通報する事はできる。さらに、呼び止めて事情を説明し、犯人に自ら警察に出頭すること求める事もできるが、その場合にも、現行犯、準現行犯でないにも関わらず別室に連れて行くのは逮捕監禁罪となる可能性がある(だからこそ万引きは現行犯逮捕が原則である)。その来店時において犯罪を犯し、現行犯・準現行犯の要件を満たせば逮捕できるし、警察が来るまでの間身柄を押さえる事もできる。

一般人が身柄を押さえる事ができるのは現行犯、準現行犯のみである。ただし、一般人による荷物確認、職務質問類似行為などは現行犯・準現行犯に対してであってもできない。それは司法官憲のできる行為である。現行犯、準現行犯の身柄を押さえたらすぐに警察に通報し、警察がくるまで身柄を拘束し、警察に引き渡す事が求められる。

万引きの現場が撮影された防犯ビデオは証拠となるが、実際に何を盗まれたのか、それが明確に特定できない場合には、警察に被害届を出すことは困難であり、仮に被害届けを出したところで、通常逮捕ではまともに取り入って貰えない可能性は高いと思われる。

ただし、万引き犯がこれを見て何の利益も感ずるべきではない。実際に監視ビデオが警察に渡り、常習万引き犯が入ったという店からの通報により、店員でなく警察が店に乗り込んで緊急逮捕するという可能性もあるからである。


万引き犯を逮捕したら

一部の事業所では万引きを逮捕した場合、警察に通報せず、被害売価の数倍の現金を要求したり、誓約書や念書を書かせる等を行っている。

前述の万引きGメンにしてもそういった法令教育がなされていない場合が多い為、警備員(私人)であるにも係わらず、取調べ類似行為や脅迫まがいの行為を行う様な違法行為が時々テレビで放送されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki