日本では主に政治家がロビイストとしてロビー活動をおこなっているが、本来関係団体が費用を自己負担すべきなのに、政治家がロビー活動を行なうことに批判の声が強いとの指摘がある。一方で、有権者の意向を具体的な政策等に反映させることこそが政治家の役割であり民主政の過程そのものであると言う見解もある。
アメリカ合衆国のロビイストはアメリカ合衆国上院、下院、行政府を対象として行動し、政府、州政府、地方政府、裁判所に影響を与えることを目的としている。ロビイストの中には法案の起草を行う者も存在する。
オックスフォード英語辞典ではロビー (lobby) およびロビイスト (lobbyist) という単語の用法としてアメリカ合衆国が建国された時代における政治家の政治的影響力をあげている。ロビー活動は1869年から1877年の期間に政府を率いたユリシーズ・S・グラント大統領の時代に本格化した。ヘビースモーカーであったがホワイトハウスでの喫煙を妻に禁止されていたグラントは、付近に存在するウィラード・ホテルのロビー(待合エリア)で葉巻を楽しんでいた。彼がしばしばこの場所に出没することを知った関係者は、ニコチンの助けを借りて上機嫌な大統領への陳情をこのロビーで行うようになった。ロビー活動の語源はこれにあるとされる。
2005年7月に市民団体パブリック・シチズンは『議会からKストリートへの旅路』 ("The Journey from Congress to K Street") と題するレポートを発表した(KストリートはワシントンD.C.にある、シンクタンクやロビイストのオフィスが集まる通り)。ロビー活動公開法、外国代理人登録法の規制の下で提出されたロビイスト登録文書を分析したこの報告書は、1998年以後に退職した議員198名のうち43%がロビイストに登録していることを明らかにした。ワシントン・ポスト紙はこのレポートに関して、ロビー活動に対する議員たちの態度が変化している事実を反映していると述べている。同紙によると、議員がロビイストになることは20年前には考えられなかったことであると同時に、議員出身のロビイストは怠惰であることが多く敬遠されていると述べている。
レポートではロビイストの代表例として、1999年に下院議長の有力候補となりながら、セックス・スキャンダルに見舞われ議員を辞任したボブ・リヴィングストンをあげている。辞任後に彼が設立したロビー会社は創業から6年間で年間4000万ドルもの売り上げを上げる企業に成長した。彼が妻とともに政治活動委員会 (PAC; Political Action Committee) を通じて行った献金は50万ドルにも上るとされる。
2005年には共和党系のロビイストであるジャック・アブラモフを巡るスキャンダルが発生し、ジョージ・W・ブッシュ大統領の弾劾まで口にされるほどの騒ぎに発展している。アブラモフはネイティブ・アメリカンの補助金横領、アフリカの複数の国家元首とブッシュ大統領の会談をセットした謝礼として数百万ドルを要求したことなど複数の疑惑が取りざたされている。
議員とロビイストの関係に批判があつまる事態を受けて民主党のラス・ファインゴールド議員は上院、下院のフロア、ジムなどへの立ち入りを認めていた前議員の特権を廃止することを提案している。
1999年の時点で欧州委員会は次のような数字をあげている。
約3000の利益団体がブリュッセルに存在し、そこで雇用されている人数は10,000名ほどになる。それに対しアメリカ合衆国においては2005年時点で議会へのロビー活動に限ると35,000名のロビイストが登録されている。
50の団体は国または地域を代表したロビー活動を行っている。
参考文献
ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策1』 副島隆彦訳、講談社、2007年9月。ISBN 978-4062140096。
ジョン・J・ミアシャイマー、スティーヴン・M・ウォルト『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策2』 副島隆彦訳、講談社、2007年10月。ISBN 978-4062142588。
マリオン・ネスル 『フード・ポリティクス-肥満社会と食品産業』 三宅真季子・鈴木眞理子訳、新曜社、2005年。ISBN 978-4788509313。
クレメンス・ヨース、フランツ・ヴァルデンベルガー『EUにおけるロビー活動』 平島健司監訳、日本経済評論社、2005年5月。ISBN 978-4818817463。
映画
サンキュー・スモーキング (2006年、アメリカ)
外部リンク
一般
⇒Nova Southeastern University: Lobbying Links
アメリカ合衆国のロビー活動
⇒LobbyWatch, a project of The Center for Public Integrity
⇒PoliticalMoneyLine
⇒Sourcewatch-- Wiki to collect information about lobbyism, formerly Disinfopedia
⇒U.S. Senate Office of Public Records -searchable database of registered lobbyists
⇒LobbyingInfo.org -- A Public Citizen project, including their July 2005 report in PDF format
⇒opensecrets.org
⇒FundRace 2004
⇒Carmen Group-- Lobbyist site with huge collection of links, information
⇒Washington Post-- Capitol Hill as a steppingstone to K Street
⇒Yahoo Business Lobbyist Listing
ヨーロッパのロビー活動
⇒Alliance for Lobbying Transparency and Ethics Regulation (ALTER-EU)
⇒Corporate Europe Observatory (CEO)
⇒Spinwatch
⇒Rules on lobbying and intergroups in the national parliaments of the Member States. Working document (1996)