カセットテープ等のオーディオテープが磁気媒体であるのに対し、レコードは物理的な凹凸を利用した媒体である。
コンパクトディスク(CD)は蒸着によって形成されたアルミニウムの反射層を、プラスチックの一種であるポリカーボネートで作られた板で挟んだものである。ピットの有無によりデジタル信号を表現する(CDには音楽用以外の用途もある)。反射層のくぼんだ部分をピットといい、くぼみでない部分をランドという。ピットはランドより1/4波長くぼんでいる。ランドに当ったレーザー光は反射して戻ってくるが、ピットがある部分に当ったレーザ光は、ピットからの反射波とランドからの反射波とが1/2波長の位相差があるため打ち消しあい暗くなる。この明暗によりデジタル信号を読み取る。製造にはレコードと同様、スタンパを使用するプレス工程が用いられる。
レコードは針と盤との接触、それによって生み出される振動を利用した再生システムであるのに対し、コンパクトディスクはレーザー光の反射を利用した非接触の再生システムになっている。
音の質を左右する要素はまずCDなどのデジタル再生では小さい音量ほど歪みが増えるのに対し、テープやレコードでは音量が大きいほど歪みが増える点。これも同じマスターテープでCDとレコードを生産しても同じ音にならない原因である。
ステレオ再生ではクロストークの発生が避けられない問題もある。左右幅が縮まる事でやはり音の鋭さや奥行きの再現が不鮮明になりやすい上、各カートリッジごとにクロストークに違いがある。
さらにレコードはテープやCDと異なり盤の外周に対し内周で歪みが増えるという特有の欠点がある。正しく調整されたリニアトラッキング・プレイヤーを用いれば問題は無いが、ピックアップ部が弧を描いて動作する通常のトーンアームではインサイドフォースやオーバーハングずれの影響を解消する事は容易ではない。
音楽が販売される媒体として、レコードは長い間、非常にポピュラーであった。このため、レコードが CD にとって代わられた現在でも、音楽を録音したものを制作、販売する会社は「レコード会社」と呼ばれる。CD などを販売する小売店が「レコード店」と呼ばれることも多い。
フランス人はレコードの発明者を自国のシャルル・クロであるとしており、彼の名を記念した ACC ディスク大賞がある(ACC: Academy de Charles Cros)。
レコードの大敵はホコリ(埃)と静電気である。埃があると物理的な振動を用いるレコード再生では「針飛び」が発生し「プチッ」という音になり大変耳障りである。静電気は素材が塩ビであるため避けることはできず、静電気が発生することで埃を吸い付けることもあった。また、手の脂などにより、カビが生えることもある。このため、レコード再生の前には必ず埃を取る「儀式」が必要だった。このためレコードの埃取りや、埃を防ぐため帯電防止・表面潤滑材などの周辺グッズが多数販売されていた。
元々レコード盤には帯電防止剤が添加されているが、かつては盤の材料に帯電防止剤を大量に添加するメーカーも存在していた。これを「エバー・クリーン・レコード」と称し、その証として赤い半透明の盤にしていた。しかし経年劣化によりこの添加物が化学変化を起こすためか、久し振りに聴いたら音が歪んでいたという指摘もなされている。
可変ピッチ記録のLPレコードは溝の疎密から音の大小が推定できるため、慣れると長い曲の聴きたいところを簡単に頭出しすることもできた。
実用性には乏しいが、一枚のレコードの片面に複数の音溝をきざむこともでき、再生してみるまで、そのどれをトレースするかわからない、という趣向のレコードを作れた(実際に、そのランダムさを利用した競馬ゲームや占いのレコードが作られた)。 また、1994年にテクノDJのジェフ・ミルズが、盤面にループしている8本の音溝が刻まれており、再生すると4小節のリズムトラック8種類が無限に繰り返されるというクラブDJ向けの12インチシングルを発表している。
レコード盤の溝は主に外側から内側に向かって刻まれるのに対し、内側から外側に向かって録音再生していく方式を採っていた用途もあり、円盤式トーキーの為のレコードや、テープレコーダの普及以前に放送局などで広く用いられた円盤録音機に多く見られる。(なお、通常のレコード盤の変わり種としても、実際にジョークのレコードとして販売された例がある)。アナログ時代とは逆に、後のコンパクトディスクにおいては、ディスクの内側から再生する方式が標準とされることになる。
落語家の初代桂春団治が、日東レコードの協力のもと、本物の煎餅でレコードを作った事がある。煎餅が湿気ない様に缶にパッケージされていた。これは1926年のことで、天理教大祭の人出の多さを当て込んだものだったが、値段が高かったため全く売れず、春団治は大損した。なお、煎餅レコードは落語やコントなどが収録され、「聴き飽きたら食べる」というコンセプトのものであった。
玩具メーカーのバンダイが、2004年に『8盤(エイトばん)』と称する直径8cm、厚さ約2mmの片面で約4分再生可能なレコード(33 1/3回転)と、ポータブル電蓄を模した小型の専用プレイヤーを開発して販売していた。交換針は汎用のT4Pのものが採用された。レコードは1980年代のアイドル歌手や『ひらけ!ポンキッキ』のシングル、朝日ソノラマのソノシートなどを、オリジナルのまま復刻・縮小したものが発売された。しかし、片面盤のためカップリング曲は未収録で、しかもパッケージを開けるまで、何が入っているか全く分からない仕様であった。結局は不人気のため、新しいシリーズは全く出ておらず失敗に終わっている。音質はソノシート並み、ステレオで記録されていたが、専用プレイヤーは結局モノラルの機種しか出なかった。イベントなどで展示してあったこの玩具を、レコードのかけ方を知らない若者が内周から針を落とす、という光景も見受けられたという。
21世紀になってもレコードは僅かながら生産されている。日本では東洋化成でレコードのプレスが行なわれ、同社ではテスト・レコードの販売や過去の名盤の再生産も行なっている。少ない枚数の製作をプレスやカッティングで行なう業者もあり、ラッカーとビニールの素材選択に対応するなどバラエティがある。また高額ながらカッティング・マシンもベスタクスからVRX-2000が発売され、個人がレコードを1枚からビニール/ラッカーを選んで作る事も可能である。レコードからPCなどでノイズリダクション処理を施しつつCD-Rに録音するサービスも行なわれ、その際の再生にレーザーターンテーブルを用いる場合もある。SP盤時代のものやマスターテープの所在が不明の音源を市販CD化する際も、上記と同様の処理が行われている。
クリーニングの技術も進歩し、かつてベルベットなどによっていたブラシやクロス(=布)にはホコリを出さない繊維も使われるようになり、大規模なレコードクリーニング装置も専用の洗浄液に浸して眼鏡のように超音波で汚れを落とすタイプや真空ノズルで汚れを吸い取るタイプがある。帯電防止スプレーも引き続き入手可能である。
一方で取り扱いがCDと異なる点の認識度は低い。水洗いが良いと聞いてレコードの洗浄に水道水(不純物が多い可能性がある)を用いたり、一部の評論家による「メラミンスポンジでレコードをクリーニングする」という記事を読んでLPレコードを擦って音溝を損傷したという実例もあるので注意が必要である。
なおCDをメンテナンスする際はやわらかい布などで放射状に軽く拭くのに対し、レコードをメンテナンスする際は円周方向にむかって手入れをするという点も異なる。
基本的に、CDと同じである。
音楽関係
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