世界の非鉄メジャーと呼ばれる企業群の中に日本企業の名前はなく(下の非鉄メジャー一覧を参照)、鉄鋼業界における日本の重要性とは全く異なる状況にある。日本の商社は日本企業向けのレアメタルの輸入を行なっているが、鉱山開発から精製、販売までの非鉄金属業界の中で自ら進んで戦略的に動く意思と能力は持っていない。
こういった中で、中国やロシアが「資源ナショナリズム」と呼ばれる自国資源の囲い込みを始めてているため、日本の国内産業に不足するレアメタルを輸入するには資源国の示す価格条件を受け入れるしか選択肢がない状況である[1]。
レアメタルの用途は大きく分けて3つある。
構造材への添加
電子材料・磁性材料
機能性材料
構造材に使われるレアメタルは、鉄や銅、アルミニウムなどのベースメタルに添加して合金を作ることに使われ、強度を増したり、錆びにくくしたりする。ステンレス鋼、耐熱材、マイクロアロイ鋼、特殊鋼(工具、耐磨耗)、Ni合金材、Cu合金材、Ti合金材、Al合金材などに利用される。
半導体レーザー、発光ダイオード、一次電池、二次電池(ニッケル-水素電池)、燃料電池、永久磁石(希土類磁石)、磁気記録素子、磁歪材料、磁気冷凍、超伝導材料などに利用される。
光触媒、磁気光学媒体、EDレンズ等の光学ガラス、ニューガラスと呼ばれる透明電極(ITO)や光通信用のフッ化ガラス、ニューセラミックスと呼ばれるガスセンサーや切削工具の刃先、磁気ヘッド、形状記憶合金、水素吸蔵合金などに利用される[2]。 他にCRTやプラズマディスプレイ、蛍光灯等の蛍光体にも使用される。
企業名国種類売上高
(2006年,百万ドル)
アングロ・アメリカン社
(Anglo American Corporation of South Africa Ltd.)英、南ア総合資源18,825
リオチント
(Rio Tinto)英、オーストラリア総合資源12,111
BHPビリトン
(BHP Billiton)英、オーストラリア総合資源20,927
エクストラータ
(XSTRATA plc.)(グレンコア)スイス多種金属5,178
CVRD
(Companhia Vale do Rio Doce)ブラジル多種金属7,803
WMC
(WMC Resources Ltd)オーストラリア多種金属不明
コデルコ
(CODELCO, Corporacion Nacional del Cobre de Chile)チリ銅専門8,021
フェリプス・ドッジ
(Phelps Dodge Corp.)米銅専門5,217
ファルコンブリッジ
(Falconbridge Inc.)カナダ亜鉛専門6,806
ノリリスク
(Norilsk)ロシアニッケル不明
インコ
(Inco Ltd.)カナダニッケル3,025
出典:JOGMEC, K.SAWADA[1]
出典^ a b c d e 中村繁夫著 『レアメタル資源争奪戦』 日刊工業新聞社 2007年8月25日初版第4刷発行 ISBN 978-4-526-05813-4
^ a b c d e f 田中和明著 『レアメタルの基本と仕組み』 秀和システム 2007年11月17日発行 1版1刷 ISBN 978-4-7980-1809-6
関連項目
希土類元素 (レア・アース)
非鉄金属
資源リスク
エコリュックサック
都市鉱山
地上資源
外部リンク
⇒金属資源情報センター