日本の経済産業省では、2007年より「希少金属代替材料開発プロジェクト」を発足させた。インジウム、ジスプロシウム、タングステンの3つのレアメタルの代替材料を産官共同で開発する計画である。文部科学省も同じく2007年より「元素戦略プロジェクト」を行なっている。代替品開発と希少金属元素の効率的な使用方法開発を目指している[2]。
レアメタルは主産物としてのベースメタル鉱石中に副産物として得られるものが多く、以下に主要な主産物と副産物の関係を示す。
レアメタルの主要な主産物と副産物主産物レアメタル
銅コバルト Co
鉛アンチモン Sb
アルミニウムガリウム Ga
亜鉛ゲルマニウム Ge
亜鉛インジウム In
亜鉛、銅タリウム Tl
鉛ビスマス Bi
銅セレン Se、テルル Te
リチウムルビジウム Rb
モリブデンレニウム Re
主産物である鉱石の採掘を停止すると副産物の産生も行なわれなくなる。日本のケースでは、2006年2月に豊羽鉱山の採掘・操業が停止されたため、世界第1位の産出量であったインジウムの供給源を突然失った[2]。
日本でも黒鉱ベルト(グリーン・タフ)と呼ばれる、鉛、亜鉛、バリウム、アンチモン、ビスマスを豊富に含む鉱床が存在するが、硫化鉱と諸金属からの分離に手間がかかるために、従来はコスト的に引き合わなかったため採掘は行なわれていなかった。これも、21世紀から始まったレアメタルの価格高騰が続けば、今後の開発も現実味を帯びてくる[2]。
日本の排他的経済水域内にはレアメタルの含有量の高いマンガンノジュールやコバルトクラストや熱水鉱床があり、開発が期待される。
世界の非鉄メジャーと呼ばれる企業群の中に日本企業の名前はなく(下の非鉄メジャー一覧を参照)、鉄鋼業界における日本の重要性とは全く異なる状況にある。日本の商社は日本企業向けのレアメタルの輸入を行なっているが、鉱山開発から精製、販売までの非鉄金属業界の中で自ら進んで戦略的に動く意思と能力は持っていない。
こういった中で、中国やロシアが「資源ナショナリズム」と呼ばれる自国資源の囲い込みを始めてているため、日本の国内産業に不足するレアメタルを輸入するには資源国の示す価格条件を受け入れるしか選択肢がない状況である[1]。
レアメタルの用途は大きく分けて3つある。
構造材への添加
電子材料・磁性材料
機能性材料
構造材に使われるレアメタルは、鉄や銅、アルミニウムなどのベースメタルに添加して合金を作ることに使われ、強度を増したり、錆びにくくしたりする。ステンレス鋼、耐熱材、マイクロアロイ鋼、特殊鋼(工具、耐磨耗)、Ni合金材、Cu合金材、Ti合金材、Al合金材などに利用される。
半導体レーザー、発光ダイオード、一次電池、二次電池(ニッケル-水素電池)、燃料電池、永久磁石(希土類磁石)、磁気記録素子、磁歪材料、磁気冷凍、超伝導材料などに利用される。
光触媒、磁気光学媒体、EDレンズ等の光学ガラス、ニューガラスと呼ばれる透明電極(ITO)や光通信用のフッ化ガラス、ニューセラミックスと呼ばれるガスセンサーや切削工具の刃先、磁気ヘッド、形状記憶合金、水素吸蔵合金などに利用される[2]。