これらが時に大きな市場や経済効果を作り出す一方で、「ご当地ラーメン」には、単にラーメン店の数が人口や市街地の規模に比して多いだけで、特段その地域のラーメン共通の特徴がなかったり、マスコミに特集されるほどの質(味に加えて接客サービスなど)が伴っていない地域も存在している。ブームに便乗しようとする者も多く、近年では観光振興、地域特産の農作物・水産物・調味料といった「ご当地食材」の知名度向上や消費振興などを狙って、地元の商工団体などが意図的に企画した「ご当地ラーメン」が生まれ、自治体の観光課や観光協会などと組んでマスコミ露出や過剰なPRが行われているケースもある。これらの要素が重なった結果、現在ではこの「ご当地ラーメン」は全国的な乱立の様相を呈しており、観光資源としてのインパクトの低下が否定できない状況もある。
また、『ラーメン本』についても時に編集部やライターの姿勢に偏向のあるものや、出版社がラーメン店から掲載料を集め、掲載料に応じて記事を割り振り編集してこれを読者に販売するという、有料広告冊子の域を出ないものも見られる。また、味に定評がありながらも、店主のポリシーや店舗の混雑の慢性化などを理由に、出版物への掲載を拒否しているラーメン店も珍しくない。そのため、他の旅行ガイドブックにおけるレストランの評価と同様、記事の正確性・客観性・信用度についてインターネット上の匿名掲示板などで議論の的になることもよくある。
ご当地ラーメン、すなわち、地域ごとのラーメンである。
北海道
釧路ラーメン(釧路市)
鰹だしをベースに、昆布、煮干しなどの魚介類、豚骨、鶏ガラなどを合わせた醤油ラーメン。味はすっきりしている。麺は極細の縮れ麺で、加水率が高い。
旭川ラーメン(旭川市)
魚介類と豚骨、鶏ガラなどでダシを取ったスープに醤油を合わせる。寒冷地であるため、熱が逃げないようにラードを使用するが、味は淡泊。麺は細めの縮れ麺で加水率が低いため、スープによく絡む。醤油が喧伝されがちだが、味噌の人気も高く旭川ラーメン = 醤油という認識は正確ではない。味噌は濃厚で甘みが主張する独特な味で、札幌の味噌味とは異なる。近郊の上川町には「上川ラーメン」があるが、基本は同じ。札幌ラーメン横丁
札幌ラーメン(札幌市)
塩味に始まるが、後に味噌味が有名となる。味噌ラーメンは濃厚な味噌にニンニクと多量のラードを用いるため、独特のパンチ力がある。具の炒め野菜をスープと一緒に煮込んでしまい、味噌を溶きながら丼に盛りつけるスタイルが多い。麺は加水率がかなり高く、コシがある。味噌味以外の醤油味、塩味も大抵の店で出されているが、他の地方と比べるとやや塩辛さがある。コーンやバターを載せることも多い。
室蘭ラーメン(室蘭市)
地元特産の根昆布、鰹節をベースにした醤油味に、太めの縮れ麺を用いる。見た目は非常に濃厚だが、昆布だしがベースなので、味は淡泊。一方、以胆振地方には一ラーメン屋が広めたカレーラーメン(あんかけ状になっている)が存在し、室蘭、苫小牧にはカレーラーメンを提供する店が多い。
函館ラーメン(函館市)
塩味のスープが主流。弱火で炊き込んだ透明で薄味の豚骨がベースとなっており、そこに塩で味付けする。味はかなり淡泊。麺は道内では珍しくストレート。粉チーズを上に載せたモノもある。
札幌ラーメン(味噌ラーメン)
函館ラーメン
東北
津軽ラーメン(青森県弘前市)
煮干、鶏ガラであっさりした醤油スープが多い。煮干しではなく、焼き干しを使用する店もあるが、煮干しに比較して高価なため数は少ない。
八戸らーめん(青森県八戸市)
南部地鶏と白銀産の煮干でだしを取った特製の醤油味のスープで、名川産の長ネギや高級品として知られる田子産のニンニクなどと言った地元の食材を使い、麺は手もみの縮れ麺が特徴。
仙台ラーメン(宮城県仙台市)
仙台味噌を使った味噌ラーメンが多い。
冷やし中華(宮城県仙台市)
最初はトマト、キャベツ等野菜とチャーシューをのせていた。戦後他地方を経て今の冷やし中華の形になった。仙台発祥であり、当初は涼拌麺(リャンパンミェン)と呼ばれていた。
十文字ラーメン(秋田県横手市十文字町《旧十文字町》)
焼き干し、鰹節、昆布などの魚介類のみから出汁を採る透き通ったスープ。麺は極細の縮れ麺で、鹹水はほとんど用いないため白みがかっている。
冷やしラーメン(冷たいラーメン)(山形市)
氷の浮いた冷たいスープのラーメン。スープに浮いている脂は冷たいスープでも凝固しないように植物系(主に胡麻油)が使用されている。北海道で冷やし中華が“冷やしラーメン”と呼ばれているので、地元では混同しないように冷たいラーメンと呼ばれる。また、地元の訛りを入れてつったいラーメンと呼ぶ場合もある。
鳥中華(山形県天童市ほか)
鳥蕎麦の麺が中華麺に変わった和風中華そば。暖かいのと冷たいのがあり、共に1年中いただける。主に蕎麦屋のメニューとして置いてある。
酒田ラーメン(山形県酒田市)
魚介類と豚足、鶏ガラなどでだしをとった醤油スープ。スープ作りの段階で背脂を入れるため独特のコクとまろやかさがある。麺は細い縮れ麺で、加水率が高くモチモチ感がある。自家製麺の店が多い。
赤湯ラーメン(山形県南陽市)
基本は味噌スープだが唐辛子を使った辛味噌が乗り、好みに応じて溶かして食べる。麺は太く縮れた麺が特徴。昭和三十年代に誕生した。
米沢ラーメン(山形県米沢市)
スープの系統は喜多方と似ており、煮干し、豚骨、鶏ガラをベースにした淡泊な醤油味。麺は加水率の高い縮れ麺で、縮れ麺では珍しく細麺であるのが特徴。麺を干してから更に手揉みで拵えるため、ちりちりに縮れている。
とりもつラーメン(山形県新庄市)
鶏のモツを甘辛く煮たものをのせたラーメン。地元で祝い事があるといただく。
喜多方ラーメン(福島県喜多方市)
スープは豚骨のベースと煮干しのベースを別々に作り、それをブレンドしたもので、淡泊だが強い醤油味。