メジャーリーグベースボールでは過去にたびたびMLBと選手会の衝突が起こりストライキが実施された。
フリーエージェントに関する問題でで経営者サイドと選手会が折り合わず、6月12日からストライキを決行した。ストライキは50日間に及び、スト解除は7月31日であった。そのため、この年はレギュラーシーズンが前後期制となった。
この年のストライキは越年し、メジャーリーグベースボール史上最大となった。オーナーがチームの総年俸に上限を定める「サラリーキャップ制度」を導入しようとしたものの、選手会側がこれに反発しレギュラーシーズン途中の8月12日からストライキを行った。ストライキは232日間にも及び、この年は残りの公式戦やプレーオフはもちろん、第二次世界大戦中も中止にならなかったワールド・シリーズも中止になってしまった。早期解決を促すべく翌1995年2月にはクリントン大統領(当時)も調停に入るが、調停は失敗に終わった。ストライキは4月1日をもって解除されたが、この年の大リーグ開幕は4月25日と例年より約1ヶ月遅ることとなった。当初は4月2日開幕の予定だった。なお開催が中止されたワールドシリーズに代わり、アメリカの一部では日本の日本シリーズが中継された。
これがもとでサラリーキャップ制度導入は中止となり、その後の話し合いでいわゆるぜいたく税の制度が導入された。これはチームの総年俸が一定額を超えた場合、そのチームから超えた分の一定の割合をぜいたく税として徴収し、総年俸の低いチームへ還元するというものである。このストライキでは大規模なファン離れが生じ、1997年のインターリーグ導入の契機にもなった。
実際には実行には移されなかったが、ストライキが行われる直前まで至った。年俸総額や球団削減などを織り込んだ新労使交渉が選手会とオーナーの間で折り合わず、8月30日までに妥結されない場合はストライキを決行することにした。ストライキ開始日となる8月30日が近づいても交渉はこう着状態のままでストライキ回避は不可能と思われていたが、ストライキ決行日に決めていた8月30日に事態は急転し交渉が妥結され、ストライキは回避された。急転妥結の原因として、1994年のストライキによる野球離れの再来を労使ともに警戒したためとされる。
2002年8月に妥結された労使協定は2006年12月19日までとなっており対応が注目されたが、2006年10月24日に過去最長となる5年間の新労使協定を締結。今回の契約内容には、2011年12月までストライキや施設封鎖(ロックアウト)が行われないことなどが盛り込まれている。
2006年の観客動員数は前年比1.5%増の7,604万3,902人と3年連続で増加し過去最高を記録している。30チーム中24チームが200万人を超え、8チームが300万人を超えており、年々入場券の平均価格が上がっているにも拘らず観客動員数は増加傾向である。現在までの年間観客動員数最多チームはニューヨーク・ヤンキースで420万518人、最少チームはフロリダ・マーリンズで116万5,120人、全チームの平均は253万4797人となっている。また、2006年のマイナーリーグの観客動員数は4,171万357人で、MLBと合わせた観客動員数は1億1,775万4,259人となっている。ただし、新ヤンキースタジアムなどの観客動員数の多いチームの新スタジアムは旧スタジアムに比べて収容数が大きく減るため今後減少すると予測されている。入場券の売り上げだけで巨額なものとなっており、放送権収入、商標権収入、スポンサー収入、グッズ収入なども含めたMLB全体の総収入は1995年に約13億8,499万ドル、1996年に約17億7,517万ドル、1999年に約27億8,687万ドル、2005年に約47億3,300万ドルなどと年々増加し、2006年には約52億ドル(約6,130億円)に達した。これは、NFLの約60億ドルに次ぐ額となっている。
また、チームの資産価値も年々上昇しており、アメリカの経済誌フォーブスが2006年4月20日に発表したMLB各チームの平均資産価値は、前年比15%増の3億7,600万ドルとなっている。 ⇒[1]1位のニューヨーク・ヤンキースは10億2,600万ドル、30位(最下位)のタンパベイ・デビルレイズは2億900万ドルの価値と算定されている。そのため、MLBでは30チーム中25チームが黒字である。赤字のチームは、ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツ、ロサンゼスル・エンゼルス、フロリダ・マーリンズの5チームであるが、後述の課徴金制度のためヤンキースなどの収入の多いチームは多額の課徴金を支払っており、これが赤字の原因の一つとなっている。さらに、各チームの収入にヤンキースはYES Networkによる収入、カブスはWGNによる収入が含まれていないなど実際には各チームの収入はもっと多いとされており、黒字チームも25チームより多いと言われている。また、チームの収益が選手年俸の伸びより速く増加しているため、全体の営業利益は2004年の1億3,200万ドルから2005年には3億6,000万ドルにまで増加している。選手の平均年俸も年々増加し、2001年に初めて200万ドルを超え、2006年の平均年俸は269万9,292ドルとなっている。
現在コミッショナーを務めているバド・セリグ・コミッショナーは、かつて収益や観客動員の少ないミルウォーキー・ブルワーズのオーナーを長年務め、チームの経営難に苦慮した経験を持っていたため、コミッショナーに就任して以来戦力均衡策の導入に積極的だった。インターリーグ(交流戦)、プレーオフでのワイルドカード、年俸総額が一定の額を超えたチームに課徴金(Luxury Tax、ぜいたく税)を課す課徴金制度などを導入した。1965年に導入されていた完全ウェーバー制ドラフトなどもあり、2001年以降ワールドシリーズの優勝チームが毎年入れ替わっている。ただし、所属選手の年俸総額を比較すれば各チームの戦力差に大きな開きが有るのは事実である。たとえ制度を充実させても、補強に積極的なチームとそうでないチームがあるため、必然的に戦力に差が出てきている。また、サラリーキャップ制や収益の完全分配などを導入することも検討されている。
MLBの収益分配制度は2つある。1つ目はBase Planと呼ばれるもので、各チームの純収入(総収入から球場経費を除いた額)に20%課税し、各チームから集められた課税金の4分の3が全チームに均等に分配され、4分の1が全チームの平均収入を下回るチームに下回る額に比例して按分分配するという内容(スプリット・プール方式)である。1996年に導入され、その後、2002年8月に締結された労使協定で、税率が34%で課税額の全てを全チームに均等分配する内容(ストレート・プール方式)に改められた。2つ目はCentral Fund Componentと呼ばれるもので、収入の高いチームに課税して、一定の規則のもと収入の低いチームに再分配するという内容(スプリット・プール方式)。
この制度の目的は、収入の低いチームにより多くの分配金を分配することで収支を改善し、戦力均衡を促すことにあった。ところが、チームがポストシーズンに進出できなくなると球団側は有力選手を放出し、チーム全体の年俸総額を下げて多額の分配金を受け取ることを画策するようになり、結果的に戦力の均衡は達成できなかった。
そのため、2002年8月に締結された労使協定において、球団側が選手に支払う年俸総額が一定額を超えた場合、超過分に課徴金を課す「課徴金制度」(Luxury Tax、ぜいたく税)が導入された。