詳細はメキシコ革命を参照エミリアーノ・サパタ。クエルナバカ市にて (1911年4月)
フアレスは自由主義者としてレフォルマ(改革)を推進するも、1872年に心臓発作で死去した。フアレスの後を継いだテハダ大統領は自由主義政策を進めたが、この時代になると指導力が揺らぐことになった。 この隙を突いて1876年に、フランス干渉戦争の英雄ポルフィリオ・ディアスがクーデターを起こし、大統領に就任した。ディアスは30年以上に渡る強権的な独裁体制を敷き、外資が導入されて経済は拡大したものの、非民主的な政体は国内各地に不満を引き起こした。
フランシスコ・マデーロの行動がきっかけになって1910年以降のメキシコ革命が始まった。パンチョ・ビリャ、エミリアーノ・サパタ、ベヌスティアーノ・カランサ、アルバロ・オブレゴンらの率いた革命軍は、路線の違いもありながらも最終的に政府軍を敗北させ、1917年に革命憲法が発布されたことで革命は終息した。
革命が終わると、1929年に国内の様々な勢力を一つにまとめて国民革命党が結成され、71年間の一党独裁制が続くことになる。1934年に成立したラサロ・カルデナス政権は油田国有化事業や土地改革を行い、国内の経済構造は安定した。その後与党の制度的革命党 (PRI)が第二次世界大戦を挟み、一党独裁の下に国家の開発を進めた。
PRIは国内では一党独裁を進め、アメリカ合衆国や西側の資本により経済を拡大したが、その一方で外交面ではキューバなどのラテンアメリカ内の左翼政権との結びつきも強く、政策が矛盾した体制ながらも冷戦が終結した20世紀の終わりまで与党として政治を支配した。また、20世紀に入って以降は石油や銀の産出とその輸出が大きな富をもたらしたものの、その後の近代工業化の過程で莫大な対外負債を抱え、20世紀中盤に工業化には成功したものの、慢性的なインフレと富の一部富裕層への集中が現代に至るまで国民を苦しめる結果となった。
また、1994年に発効したNAFTAはアメリカ合衆国、カナダとの貿易を拡大する一方で貧富の格差を拡大し、伝統的な共同体に住むインディオの共有地を解体し、さらにはアメリカ産のトウモロコシに競争で敗北する農民の権利を侵害するものであったため、同年1月1日にマルコス副司令官らの率いるサパティスタ国民解放軍(EZLN)が最貧州のチアパス州から蜂起した。サパティスタは戦闘を挟んだ後、チアパス州を解放区にして反グローバリゼーションの筆頭的存在として内外の支援を受け、現在も政府軍とのにらみ合いが続いている。
その後2000年にPRIは蔓延する汚職や停滞する経済失策の責任、サパティスタ民族解放軍の蜂起などを問われて総選挙で敗退し、71年の独裁に終止符が打たれた。しかし現在も強力な政党として大きな影響力を維持し現在にいたる。
近年は原油価格の高騰やNAFTA締結後の輸出量の増加、さらに内需拡大傾向を受けた国内経済の活発を受けて中流層が増加するなど、国情が良好に変化してきている。
人口:1億778万人(2006年)
人口増加率: 1.18%(年率)
人種構成:
メスティーソ(スペイン人とインディヘナの混血):60%、
先住民族(インディオ):25%、
ヨーロッパ系(主にスペイン人。他にもイタリアやフランス、ドイツなどからの移民の子孫がいる):14%
その他にも日系メキシコ人やアフリカ系メキシコ人なども総人口の1%程存在する。
公用語はスペイン語(メキシコ・スペイン語)だが、先住民族の65言語(マヤ語など)も政府が認めている。宗教はローマ・カトリックが89%、プロテスタントが6%、その他が5%である。
北米大陸の南部に位置し、約197万平方kmの面積(日本の約5倍)を持つ。海岸線の総延長距離は1万3868kmに達する。海外領土は持たないが、領土に含まれる島の面積は5073平方kmに及ぶ。
メキシコの地質構造は北に接するアメリカ合衆国とは異なり、クラトンが存在しない。アラスカから太平洋岸に沿って伸びるコルディレラ造山帯とアメリカ合衆国東岸に沿う古いアパラチア山脈に続くワシタ造山帯(メキシコ湾岸)がメキシコ国内で一つにまとまる。地向斜による膨大な堆積物がプレート運動により褶曲山脈を形成しているほか、第三紀以降の新しい火山が連なる。このため、メキシコは高原の国であり、北部は平均1000m前後、中央部では2000m前後である。標高5000mを超える火山も珍しくなく、メキシコ最高峰のピコ・デ・オリサバ山(シトラルテペトル山)の5689m(もしくは5610m)をはじめ、ポポカテペトル山 (5465m、もしくは5452m)、イヒタキウアトル山 (5286m)、シシュタシワトル山 (5230m) などが連なる。最も頻繁に噴火を起こすのはコリマ山 (4100m) である。
最長の河川はアメリカ合衆国との国境を流れるリオ・ブラボ・デル・ノルテ川(リオ・グランデ川)であり、3057kmのうち2100kmが両国の国境を流れる。最大の湖はチャパラ湖(1680平方km)である。
メキシコの気候は地域により変化に富んでいる。例えば、年平均降水量が100mm以下の地域もあれば、5000mmを超える地点もある。カリフォルニア半島の大部分と、メキシコ高原中央部は、ケッペンの気候区分でいう砂漠気候 (BW) であり、北回帰線より北のほとんどの地域はステップ気候 (BS) に分類される。