マグロ
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価格高騰

世界的な日本食・「sushi」ブームによってマグロの消費量が増大し、マグロの価格が高くなった。日本も輸入マグロの割合が増え、価格の影響を受けやすくなっている。さらに原油価格高騰・漁船燃料高騰による出漁のコスト増、マグロ減少による漁場の遠距離化、出漁に対する成果の低下も重なり、価格高騰に拍車を掛けている。

マグロを取り扱う日本国内の各漁協水産企業では漁船の燃費節約に迫られたが、対応できず倒産する水産企業が相次ぎ、漁協の解散例すらも出た。これもマグロ漁獲高減少・価格上昇につながっている。

90年代後半から2000年代初めにかけて、台湾漁船の大量漁獲によって、日本での水揚げが減少したため、日本は減少分を台湾から輸入して維持したが、海洋資源保護の立場から、台湾のマグロ漁急拡大が批判された。このため台湾政府はマグロ漁の規制に乗り出し、マグロ漁船を公開解体するなどで海外にアピールした。台湾での規制によって日本へ入るマグロが減少した。

さらに、中国都市部での日本食ブームによってマグロ需要が急増し、日本の漁獲減少の隙を突いて、中国漁船による活動が拡大し、競争が激化している。また、乱獲防止と資源保護のため漁獲量が2割減が決まりさらに高騰するといわれる。そのために近年では世界中でマグロの代替品が増えている。

過去、米国およびオセアニアにおいては、脂身であるトロは商品的価値・需要が低かったので、日本の商社はトロを安価で購入することが出来た。しかし、近年の日本食・「sushi」ブームの影響で欧米でもトロに対する需要が起こり、かつてのような値段では購入出来ない状況にある。また、1990年代後半には台湾で、2000年代に入ってからは中国で、日本食を中心とした海産物の人気が高まり、中国向けの漁獲が急増しているため、競争はますます熾烈になっている。


水銀問題

海洋の食物連鎖の頂点に存在するマグロは、水銀等の有害物質を蓄積しやすいという指摘がなされている。アメリカのFDAは、2003年に妊婦のマグロ摂取量制限の勧告を行っている(6オンス=約170g/週)。実際にニューヨーク市では、2007年、幾つかのすし料理店において基準値を越す水銀が検出された ⇒[2]

日本でも厚生労働省による見解が2003年と2005年に示された。2003年の発表において海外の調査報告が行われ、2005年の発表では妊婦の摂取に関して言及している。そこでは便宜的に有機水銀を単に水銀と表記している[1]


乱獲問題

需要増加・価格高騰が拍車をかける形で、世界中でマグロが乱獲され、国際的な資源保護が叫ばれている。絶滅が危惧される生物を記載したIUCNレッドリストには、マグロ8種のうち5種が記載されている。過激な保護運動を行う環境団体には、クジラ並みにマグロ漁禁止を求める強硬派もいる。


養殖

マグロは長距離を遊泳すること、成熟に時間が掛かること、小さな傷が死につながるほど皮膚が弱いことなどがあり、捕獲したマグロの稚魚や若魚を養殖する「蓄養」や、卵から成魚まで育てる「養殖」が困難である。

2002年近畿大学水産研究所が30年余かけて、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功し、2004年には市場へと出荷が開始された。近畿大学は和歌山県串本町の大島実験場と奄美大島の奄美実験場で、商業化に向けて研究を続けている。クロマグロの蓄養は、幼魚が黒潮に乗って回遊してくる西日本各地で行われている。蓄養マグロの出荷量は、1位の鹿児島県が2位の長崎県以下を大きく引き離している。

マグロ価格高騰と天然物の漁獲量低下の追い風もあり、養殖や蓄養による出荷量は増加している。低コスト化・安全性向上の他、トロの割合を多くし価値を高める研究も行われている。


関連項目

魚の一覧

一酸化炭素 - かつて発色が良くなる方法としてマグロの加工処理に使用していたが、消費者が鮮度を判断できなくなると批判され、現在は禁止されている

青肉 - 肉製品の不良品。マグロでも発生する

大間町壱岐市 - 地域ブランド的なクロマグロの産地として売り出している


参考文献

本田崇・魚住雄二・熊井英水『マグロはいつまで食べられるか』Newton2007年3月号

岡村収監修 山渓カラー名鑑『日本の海水魚』(サバ科執筆者 : 中村泉)ISBN 4-635-09027-2

藍澤正宏ほか『新装版 詳細図鑑 さかなの見分け方』講談社 ISBN 4-06-211280-9

檜山義夫監修 『野外観察図鑑4 魚』改訂版 旺文社 ISBN 4-01-072424-2

永岡書店編集部『釣った魚が必ずわかるカラー図鑑』 ISBN 4-522-21372-7

内田亨監修『学生版 日本動物図鑑』北隆館 ISBN 4-8326-0042-7

岩井保『魚学入門』恒星社厚生閣 ISBN 4-7699-1012-6


外部リンク

Fishbase-Scombridae(サバ科のページ・英語)

近畿大学水産研究所

まぐろ博物館

まぐろくんドットコム


脚注^ 厚生労働省の公開文書: ⇒2003年6月、 ⇒2005年6月
ウィキメディア・コモンズには、 ⇒マグロ属に関連するカテゴリがあります。 カテゴリ: サバ科 | 赤身魚 | 釣りの対象魚

更新日時:2008年8月21日(木)09:09
取得日時:2008/08/24 16:35


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki