微小地震については上記のMs、mB、気象庁マグニチュードなどでは正確な規模の評価ができない。そこで、たとえば渡辺(1971)は上下方向の最大速度振幅Av(cm/s)と震源距離r(km)を用いて、0.85M - 2.50 = log Av + 1.73 log r
の式を示している。なおこの式はrが200km未満のときに限られる。
低周波地震ではMs、mB、気象庁マグニチュードを用いると地震の規模が実際よりも小さく評価される。そこで阿部(1981)によって、津波を用いたマグニチュードMtが考案された。Mt = log H + log Δ + 5.80
ここでHは津波の高さ(m)、Δは伝播距離(km)(Δ≧100km)である。
簡易な計算式として、マグニチュードがdM増えたときのエネルギーの倍数は1000(0.5*dM)となる。 たとえば、マグニチュードが1増えるとエネルギーは約31.62倍、2増えると1000倍となる(1節参照)。
また、マグニチュードが1増えると地震の発生頻度はおよそ10分の1になる(下記参照)。
一般にM6以上では災害となることがある。M7クラスの直下型地震では、条件にもよるが大災害になる。阪神淡路大震災はM7.3(Mw6.9)である。また、東海地震や南海地震といったプレート型地震はM8前後である。
M5未満では被害が生じることはまれで、M2〜3程度の地震はほとんどの場合、人に感じられることはない。M1未満になると、日本の地震計観測網でも捉えられない場合がある。M0未満の地震はほとんど捉えられない。
マグニチュードにはマイナスも存在する。成人男性が大きなハンマーを振り下ろして地面を叩いた場合、M-3程度の地震に相当する。
防災科学技術研究所では以下のように解説している。
M7〜 : 大地震
M5〜7 : 中地震
M3〜5 : 小地震
M1〜3 : 微小地震
M1未満 : 極微小地震
M8以上の地震を巨大地震、M9以上の地震を超巨大地震と区分けすることがある。
また、アメリカ地質調査所は以下のような目安を作っている。
M8〜:Great(巨大)
M7〜7.9 : Major(大きい)
M6〜6.9 : Strong(強い)
M5〜5.9 : Moderate(並)
M4〜4.9 : Light(軽い)
M3〜3.9 : Minor(小さい)
M0〜2.9 : Micro(微小)
地震の発生頻度は以下のグーテンベルグ-リヒターの関係式により表される。 logn = a − bM
この式はマグニチュードがMのときの地震の数をnで表す。傾きを表すbを「b値」と言い、統計期間や地域により若干異なるものの、0.9〜1.0前後となる。この式から、マグニチュードが1大きくなるごとに地震の回数は10倍となる。ただ、実際に観測される地震の回数をグラフに表すと、M3〜M8付近では式に沿ったものとなるが、M3以下とM8以上では、正しく表されなくなる。これは、M3以下の地震は、規模が小さすぎるために観測できていないものが多いからであり、この規模の地震の観測数を調べることで地震の観測網の能力を計ることもできるとされている。一方、M8以上の地震は、発生回数自体が少ないために正確に表せていないもので、より長期間調査することで精度が高まるとされている。
日本での頻度の目安は以下の通り。規模の小さなものは、1小さくなる毎に10倍になると考えればよい。
M8.8以上 : 日本で発生したことはない
M8.0〜8.7 : 10年に1回程度
M7.0〜7.9 : 1年に1〜2回程度
M6.0〜6.9 : 1年に10数回程度
また、M5程度の地震は世界のどこかでほとんど毎日発生しており、M3〜4程度の地震は日本でもほとんど毎日発生している。
参考文献
宇津徳治 『地震学 第3版』 共立出版、2001年、ISBN 4-320-00216-4。
⇒第1章 地震 2 山賀進、『われわれは何者か-宇宙・地球・人類-』第2部 2 地球の科学、2008年2月23日閲覧。
⇒1.2 マグニチュード 防災科学技術研究所、『地震の基礎知識とその観測』第1部 地震の基礎知識、2008年2月23日閲覧。
外部リンク
⇒防災科学技術研究所 地震の基礎知識
⇒アメリカ地質調査所 地震の用語解説
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