マウスにおけるホイールは、ポインタ移動とクリック・ドラッグによる操作だけでは煩雑な処理を補助するために設けられた機構である。標準的な2ボタンマウスの場合は、通例左ボタンと右ボタンの間に保持され、人さし指、または中指による前後方向の回転移動を行う。
ホイールは一次元縦方向の回転量を検出し、それを何らかの操作の移動量と結びつける。マウスのポインタ移動と異なり、マウス自体は移動しない。また原理上、動作は無限軌道である。
ホイール自体もクリック動作をもつ。多くの場合、それはホイール状態をロックしてポインタ移動と同期するか、または回転のメタファーから状態のトグルを表す操作に対応する。いずれにせよ、ホイールは比較的クリックしにくい構造であり、頻繁に利用する動作が割り当てられる事はない。
もともとホイールは3ボタンマウスを使用するCADなどのソフトで、ズーム操作を補助するために中ボタンの機能を拡張したものである。そのためホイールのクリック操作は中ボタンのクリックと同等であり、ホイールの回転でズームを、クリックで操作メニューの表示や画面のパン(図面領域をつかんで画面上を移動させる行為)を行うことができる。
しかしCAD等のソフトを使用しない一般のユーザーにおいては、ブラウザやワープロなどのソフトにおいて画面に入りきらない情報をウインドウ内でスクロールするために用いる事が圧倒的に多く、そのためホイール操作は画面スクロールと同期される場合がほとんどである。もちろんこれはプログラミングにより挙動を変更できる。
ホイールのバリエーションマイクロソフト製マウスのチルトホイール
通常の回転型ホイールは文字通り車輪が埋め込まれており、回転量に応じた移動量が検出される。
前後方向へのシフト移動を行うホイールでは、中心からのオフセット量に応じて回転速度をエミュレートする。
マイクロソフト社は2003年頃に従来の縦方向の回転に加えて横方向の角度によって操作できるチルトホイールを搭載したマウスを開発、発売した。これは横スクロールが使用できる。現在ではロジクールをはじめ、他社からもチルトホイールを搭載したマウスを発売している。
A4Tech社のマウスでは、縦スクロールと横スクロールのために二つのホイールが付いているものがある。
Apple社のMighty Mouseでは、スクロールボールと呼ばれるトラックボール状のボールで45度単位の方向検出を行う。
Apple社のPowerBook/iBookでは二つの指でトラックパッドを操作する事でホイール動作をエミュレートする。
トラックボールによる完全な2次元の方向検出を行えるものもある。マウス本体の移動と合わせれば、4軸の自由度をもつデバイスと言うことが出来る。
かつて(2000年前後まで?)は、ボタンやレバーによってホイールの機能を代替したマウスが販売されていた。そのボタンを前または後ろに押し続けることで(レバー式の場合はレバーを前後に倒すと)、ホイールを前または後ろに回転させたのと同じ操作とみなされる。
ホイールには、回した時に段がついたもの(通称:カクカクホイール)段がないもの(通称:ヌルポホイール)がある。後者の場合、ホイールで項目を選択するような状況ではホイールに段が付いていないため一つ一つの項目をうまく選択しにくい場合がある。
主なメーカー
マイクロソフト
ロジクール
サンワサプライ
バッファロー
アイ・オー・データ
エレコム
関連項目
クリック
ドラッグ・アンド・ドロップ
マウスジェスチャー
トラックボール
ペンタブレット
コンピュータアクセシビリティ
外部リンクウィキメディア・コモンズには、 ⇒マウス に関連するカテゴリがあります。
⇒NPA CarrersによるChris Petersに対するインタビュー(英文)
⇒Chris Peters(ピーターズがチェアマンを務める米プロボウリング協会による紹介、英文)
⇒Doug Engelbart 1968 Demo(英文)
カテゴリ: ポインティングデバイス
更新日時:2008年8月19日(火)03:59
取得日時:2008/08/26 16:05