モーテルの元々の意味は、アメリカ合衆国のような自動車や道路網が発達した広大な国で、自動車で旅行をする人を想定して設置された、セルフサービスを基本とするホテルである( ⇒英語版のMotel参照)。米国でのモーテルは、日本における、国道沿いや高速道路のインターチェンジ付近にあるビジネスホテル(前述)に近いものである。アメリカの場合、ほとんどは高速道路(フリーウェイ)の出入り口周辺の町の郊外に立地しており、かなり小さな町にまで存在することも多く、地域の社会インフラの一つとなっている。
形態としては、日本の「ビジネスホテル」同様、大規模なチェーン店のものから、小規模のものまで存在する。セルフサービスで荷物の運搬を楽にするため、車を止めて、短い距離で客室にアクセスできる構造になっているのが特徴である。アメリカでは、平均的な料金が一部屋で一泊40〜50ドル前後と比較的手ごろで、一部観光地などのハイシーズンを除き予約なしで利用できることから、非常にポピュラーな宿泊施設として定着しており、客層もビジネス客、男女のカップル、家族連れとさまざまである。
イメージ的には、大手チェーン店のものは日本の「ビジネスホテル」、個人経営に近い小規模なものは「旅館」「民宿」に近いが、客室は家族連れも想定したセミダブルベッドのツインルームが基本で、面積も日本の一流シティホテル並みの広さがある。
日本では、車で入ることができる「ラブホテル」の意味で用いられることが多かったが、本来、米国ではこのような意味はない。近年、日本においても、米国における意味でのモーテルという語が知られるようになるとともに、車で入ることができるラブホテルが一般化したため、ラブホテルに対してモーテルという呼称はあまり使われなくなっている。
各種の観光地や温泉、高原などのリゾート地に立地する宿泊施設。旅行者が主要な宿泊客となる。観光業の発達と共に発展し、大規模なものから小規模のものまで存在する。大規模なものでは、レストランや結婚式場などのシティホテルにも設置される施設のほか、より観光客向けにプールやプライベートビーチ、テニスコート、カジノなど多くの付帯施設を持つものもある。
日本では、主に温泉地で営業するリゾートホテルの場合、館内に共同大浴場や場所によっては露天風呂を持っている業態のホテルも多いため、旅館との区別が曖昧である。家族連れや団体での利用を想定しており、靴を脱いでゆったりとした気分を味わってもらうため、畳敷きの和室を設けるホテルも多く、洋室と和室を兼ねた和洋室が用意されていることもある。館内での浴衣、スリッパ履きが許容される場合が多い。またシングルルームは極端に少なく、皆無というケースも多い。ほとんどが旅館業法のホテル営業ではなく旅館営業である。料金は、他の業態のホテルでは見られない一泊二食で設定されている(夕食や朝食がセットになっている)こともあり、時期によって大きく異なる。
これに対し、海辺・高原などで営業するリゾートホテルの場合は、シティホテルと同様洋風のシステムを用いている場合が多い。利用形態として旅行利用のほか、会議、コンベンション、あるいは合宿などに用いられることがある。
また、これらのホテルは前述したとおり、旅館との区別が曖昧であるため、日本旅館がホテルを名乗ることも少なくない。そのため、政府登録国際観光旅館に登録されていたり、あるいは国際観光旅館連盟(通称「国観連」)、日本観光旅館連盟(通称「日観連」)に加盟していたりすることが多い。
カプセルホテルはカプセル状の簡易ベッドが提供される宿泊施設。日本独自の形態のホテルである。旅館業法ではホテル営業ではなく簡易宿泊所営業になる。ほとんどは、ビジネスホテル同様、都市の繁華街に立地する。施設としては単独のもののほか、サウナ店に併設されるケースも多く、大部屋の中にカプセルが積み重ねられた形態が多い。
詳細はカプセルホテルを参照
高速道路のインターチェンジ周辺、幹線道路沿い、あるいは、駅近隣の特定地に立地しており、カップルでの利用を想定しているホテル。略称「ラブホ」。日本独自の形態のホテルである。俗に「連れ込み宿」「同伴旅館」などとも呼ばれ、自動車で向かうラブホテルのことを、初期には「モーテル」とも呼んだ。性交目的に利用することを想定しており、構造は一般的なホテルとはかなり異なる。
入り口に垂れ幕があったり、外部から見えにくくしていたり、内部も他の客や従業員にできるだけ会わずに入室できる工夫がしてある。客室も同じ部屋はほとんどなく、ベッドにも工夫が凝らしてあり、浴室なども豪華に作られている事が多い。客室は写真などで選べるシステムになっている。外部の看板も、派手なネオンサインが光っているのも特徴の一つ。
利用目的が、他のホテルと大きく異なる為、料金も宿泊のほか、「休憩」名目で3時間で○○円というような体系があり(近年では一般のシティホテルなども日中の短時間利用(デイユース)が可能な施設も増えている)、法的には風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(略称・風営法)の適用を受ける。このような形態のホテルは、香港や台湾、韓国など他の一部のアジア諸国にも存在する。多くは日本のラブホテルをモデルにしている。なお、ブティックホテルの呼称は、作家・前長野県知事の田中康夫が発案した。ただし、アメリカでのブティックホテルとは日本でいうデザイナーズホテルに相当する。
近年では、日本でもデザイナーズホテルのことを「ブティックホテル」と呼ぶこともあり、使用が曖昧となっている。
詳細はラブホテルを参照
その他、一般的でないホテルとして、アイスホテルや洞窟ホテル、水中ホテルなどが挙げられる。
アイスホテル
アイスホテルとは湖などから切り出した氷や雪によって作られたホテルである。スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国やカナダなどで、冬季の寒さを利用して建設される。