ヘルメット
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検定試験法

飛来・落下物用
衝撃吸収性試験人頭模型にヘッドバンドが密着しないよう装着したのち、5kgの半球を1mの高さから自然落下させる。人頭模型に加わる衝撃荷重が4.9kN(約500kg)以下であれば合格。耐貫通性試験人頭模型にヘッドバンドが密着しないよう装着したのち、3kgの円錐(先端角度60°)を、帽体頂部を中心とする円周100mmの範囲内に1mの高さから自然落下させる。その際、先端が人頭模型に接触しなければ合格。

墜落時保護用
衝撃吸収性試験衝撃点が保護帽の前頭部及び後頭部となり、且つヘッドバンドが密着しないよう人頭模型(中心線が水平に対し30度傾斜)に装着したのち、5kgの平板を1mの高さから自然落下させる。その際の衝撃荷重が9.81kN以下であり、且つ 7.35kN以上の衝撃荷重が 3/1000秒以上継続せず、4.90kN以上の衝撃荷重が4.5/1000秒以上継続しなければ合格。耐貫通性試験1.8kgの円錐(先端角度60°)を0.6mの高さから自然落下させた際、帽体内面への先端の突出量が15mm以下であれば合格。試験は前頭部・後頭部・両側頭部それぞれについて行う。

電気用
帽体の縁3cmを残して水に浸し、内外より20kvの電圧を1分間印加する。その際、漏えい電流が10mA以下であり、且つ絶縁破壊がなければ合格。


特記事項

何れの検定試験も有効期限は3年間であり、期限到来の折は同等の試験を再度行わなければならない。


試験に用いる人頭模型は、いちょう・かえで・なら・ぶな・ほう を材料とし、重量は2.8kgから3.2kgとする。


衝撃吸収性試験の前には高温処理(48℃?52℃の場所に継続して2時間置く)、低温処理(-12℃ ? -8℃の場所に継続して2時間置く)、浸せき処理(20℃?30℃の水中に継続して4時間置く)を施し、飛来・落下物用は処理後1分以内、・墜落時保護用については3分以内に試験を終了するものとする。このような処理は、種々の作業条件を考慮して行われるものである。


電気用保護帽については、労働安全衛生規則第351条において「六月以内ごとに一回、定期的にその絶縁性能について自主検査を行わなければならない」と定めている。特例として、六月を超える期間使用しないものに関してはその当該期間の検査規定が免除されるが、使用再開時にはやはり同等の検査を行う必要が生ずる。また、検査時は「検査年月日」「検査方法」「検査箇所」「検査の結果」「検査を実施した者の氏名」「検査の結果に基づいて補修等の措置を講じた場合の内容」を記録し、これを三年間保存しなくてはならない。


着用方法について

ヘッドバンド(後頭部の調節具)は、自身の頭部サイズに調節すること。
2000年以降、ラチェット式のヘッドバンドが普及している。片手で操作できる製品も存在するが、そうでないものであっても、これまでより簡便に調整が可能。共通点は、被った状態で調節できることだ。

後ろに傾けないで、真っ直ぐに被ること(内装の下辺が眉の上に来るぐらいが適当)。
帽子などを後ろに傾けて被った様子が、光背をまとった仏像に似ていることから「阿弥陀被り」とよばれる。特に、前後逆に被る行為はもっての外。ヘッドバンドが額に来る様子は周囲の失笑を買うであろう。第一、危険である。

墜転落時の脱げ防止のために、あご紐をきちんと締めること。
一般的に、欧米の保護帽はあご紐がオプション扱いである一方、日本製品には当初より あご紐が付属している。これは、内装だけでは安定して被れないという理由のほか、保護帽においても墜落による危険から人体を守ろうとする日本と、保護帽では墜落時の危険から身を守ることは出来ないと云う欧米との思想の違いに因るものでもある。ただし、墜落や転倒の危険性が無い場合は、下記の野球用や軍事用ヘルメットと同様に、ヘルメットが脱げないようにすると衝撃をまともに受けて逆に危険になる事もありえるため、法令で定められた場合以外で着用する場合などにはあご紐を締めないこともある。


耐用年数について

熱可塑性樹脂製品 …各々約3年とされている。

ABS製品

PC(ポリカーボネート)製品

PE(ポリエチレン)製品


熱硬化性樹脂製品 …約5年とされている。

FRP製品


内装部品 …約1年とされている。
しかしながら、大きな衝撃を受けた場合や、日々の使用から生じる損傷の程度によっては、耐用年数以内であっても新品との交換を行うべきである。


材質の特性について

作業に適した保護帽の選定が重要である。

ABS製品
長所 : 安価で耐電性もある。加工性が良いので、複雑な通気孔の配置や凝った意匠の製品にも適する。短所 : 熱や薬品にはめっぽう弱い。耐候製も他の材質と比較し、やや劣る。

PC(ポリカーボネート)製品
長所 : 分子量が他の材質と比較して非常に大きいため、熱可塑性樹脂製品の中では最も丈夫であるといえる。短所 : 高価である。なお、ABSより耐候製は優れるが、耐電性・耐薬品性については同等である。

PE(ポリエチレン)製品
長所 : 耐電性・耐薬品性があり、有機溶剤に対して屈指の強さを誇る。また、耐候性もABSより優れる。短所 : 熱に弱いのはABS同様。また、割合軟質である。

FRP製品
長所 : 耐熱性・耐候製ともに優れる。災害備蓄用に最も適する材質である。短所 : 材質の特性上、電気用としては使用不能・内装固定のためのリベットが必須・細かい筋が一面に見える。


意匠について

概ね下記の三種類に分類されるが、特殊な形状の製品も存在する。

MP型(えむぴーがた)
古くから存在し、現在においてもなお広範に使用されているシンプルな球体形状の保護帽であり、一般的に“ドカヘル”(土方用ヘルメット)と言うとまず思い浮かべる形状である。終戦直後、物資の不足した時代に米軍憲兵(Military Police)が使用していた鉄兜を放出し、それを買い取った日本の保護帽メーカーが鉄兜の内帽を手直し、販売したことが始まりで、またその名称の由来でもある。なお、当時はベークライトを原料に使用していた。

野球帽型
その名のとおり、野球帽に似せた形状の保護帽である。1955(昭和30)?1957(昭和32)年ごろ、主に運輸・物流業界から「よりコンパクトな保護帽を出してほしい」との要望を受けて開発されたが、のちには工場などにおいても布帽子(通常の作業帽)の代替として使用されていく様になった。現在でも、運輸・物流業界では野球帽型の使用割合が比較的高い。

欧米型
野球帽型と同様の ひさし に加え、前頭部に設けたリブ(出っ張り)を特徴とする保護帽であり、国内においても昭和60年ごろより製造・販売が開始された。それまでの保護帽業界は、長らくMP型と野球帽型しか存在しない世界であったが、デザインの豊富さから現在では欧米型の割合も増しており、近年は ひさし の部分を透明にして視界の確保と安全性の両立を狙ったものや、帽体を複数のパーツで構成すること(これによって大きな通気孔を設けつつ物体の侵入も阻止している)により従来品以上の通気性を確保した製品も見受けられる様になった。帽体周囲に簡単な意匠を施した製品も多く存在する。


軽作業帽について

※ 本来は保護帽に含まれないが、関連が深いため同一項目とした。

物体の飛来落下や墜転落の恐れのない作業場所においても、作業内容によっては頭部をぶつける・切るといった災害が発生する。そのような場面において使用されるものが軽作業帽である。保護帽としての規格には満足しないため、労働安全衛生規則で保護帽の着用を定められた作業では使用することが出来ないが、反面安価であり、構造もより単純なものとなっている。当然、「保護帽の規格」に定められた あご紐 も不要であるが、これについては軽作業帽を扱う全メーカーがオプション扱いで用意している(トーヨー80型は、簡易なゴム紐を標準添付)。使用場所の一例としては、自動車工場の車体組み立て工程、狭所における機械装置の組み立て・調整作業、ヤマト運輸のベース店におけるロールボックスへの荷の積み卸し作業(ボックスの中間棚や、前面の蓋を掛けるためのバーに頭部をぶつける災害が非常に多い)などが挙げられる。なお、交換時期の目安や手入れなど、取扱法については保護帽に準ずるものとする。国内における軽作業帽の製造・販売は平成初期に開始され、布帽子の代替としてや“国家検定品に比較し安価なヘルメット”として、その普及を見せている。


保護帽製造者

谷沢製作所 …ラチェット式のヘッドバンドは同社が初めて商品化し、以後他社にも広がりを見せている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki