ヘルメット
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乗車用ヘルメットオートバイ用ヘルメット(左から順にジェット型・フルフェイス型・フルフェイスのあごが上がってジェット型になるもの)

各種の輸送機器に乗車する際、用いられるヘルメットである。自分が障害物や地面にぶつかる時の運動エネルギーを吸収・対貫通するためのものであり、一般的には「メット」と略されることもある。フォークリフトなどの場合は作業用のものが用いられている。

形態による分類は、次の通りである。

お椀型:半球形、半キャップ型。

ジェット型:側頭部、後頭部まで覆うタイプ。昔のジェット戦闘機の操縦士が装着していたヘルメットの形状からついた。

フルフェイス型:ジェット型にチンガード(顎の部分の覆い)を付けたもの。視界を確保する部分以外は覆われることになる。

「半キャップ型」は以前はジェット型の側頭部が短いもの(セミジェット、ハーフジェット)をいったこともあったが、最近ではお椀型を指して呼ぶ事がほとんどである。以下もその用法に倣う。

ジェット型は視野の広さと開放感、利便性(顔を隠さないので、ヘルメットを被ったまま水を飲んだり、対話することができる)、フルフェイス型は高い安全性(顔面から転倒するような場合)が利点として上げられる。

フルフェイス型やジェット型ではベンチレーションシステムと呼ばれる、通気口が帽体上部、チンガード部分にあり、走行中、ヘルメット内部に空気の流れを作り出す仕組みを持ったものもある。フルフェイス型でありながらフェイスガード部分をシールドごと開閉出来たり、帽体との分割・合体が自在な構造のものもある。

半キャップ型ヘルメットは一見涼しそうに見えるが、ベンチレーションシステムが無く、通気性がないために夏場は中が蒸れ、冬は露出部の多さで顔が凍えるように寒くなる。そういった点ではジェットタイプやフルフェイスタイプのヘルメットよりも不快である。また、耳の上方にあたる部分の頭蓋骨は比較的薄いため、側頭部の衝撃は致命傷になりやすい。


オートバイ用ヘルメット

日本では自動二輪車原動機付自転車では公道走行をするときは装着義務があり、屋根付きのオートバイ(ピザの配達などで使われるジャイロキャノピーなど)でも装着義務が適用される。ただし、三輪以上で車室のないオート三輪バギートライクミニカーなどでの走行の場合、2008年現在においては装着を義務付けられていない。

アメリカ合衆国における法規は、各州で異なる。アイオワ州イリノイ州ニューハンプシャー州の3州では着用義務がなく、テキサス州フロリダ州など26州では、若年者・初心者に限っての着用義務がある。ヘルメット着用が完全に義務化されているのは、カリフォルニア州ニューヨーク州など21州である。

ベトナムでもオートバイ事故の多発を受けて2007年12月15日からヘルメットの着用義務が開始された。

日本において通用する規格として、JIS・SNELLなどがあり、SNELL2005規格の試験が一番厳格とされる。また、サーキットにおいての競技使用を認める規格を日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が定めている。消費生活用製品安全法により乗車用ヘルメットは特定製品とされ、事業者が検査をしている旨の表示であるPSCマーク、SGマークの認定がないと販売及び陳列ができない。


オートバイ用ヘルメットの規格

SNELL

M2005

M2000

M95

国際規格。日本の規格ではないため法的な効力を持つものではない(SNELLを取得しているだけでは乗車用とは認められない)5年おきに見直されており、M2005規格が現時点で最も安全性が高いとされる。M95規格は1995年に制定された。

MFJ規格
日本モーターサイクルスポーツ協会が制定した競技対応規格。

JIS

JIS2000

過去のJIS規格からB・C種が統合され2000年に制定された規格。基本的に旧C種をベースとした安全基準。一部(対貫通性のテスト等)甘くなっている部分もあるが、今までのJIS規格の中では最も安全性が高いとされている。

JIS2000(125cc以下)
過去のJIS規格A種が変更され2000年に制定された規格。基本的に旧A種以上の安全基準。

JIS規格A種
旧JIS規格。125cc以下の二輪車限定で使用が許されている規格。低速での安全性のみ確保されている。

JIS規格B種
旧JIS規格。125cc超の二輪車に対応しており、最低限必要な安全性は満たしている。

JIS規格C種
旧JIS規格の中では最も安全性が高いもの。

SG規格PSCマーク・SG規格PSCマーク(125cc以下)
日本国内で販売されているヘルメットは基本的にこの規格を通っている。ただし安全性ではなくバイク用のヘルメットの証明であり、この表示がないと他の規格の表示があっても販売は認められない。(ただし使用はできる。下記参照)


オートバイ用ヘルメットの種別について

オートバイに使用する乗車用ヘルメットの基準は、道路交通法により以下の様に定められている。[道路交通法 第七十一条の四]1. 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。2. 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。(3?5.省略)6. 第1項及び第2項の乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。[内閣府令(道路交通法施行規則第九条の五)]乗車用ヘルメットの基準
左右、上下の視野が十分とれること。

風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。

著しく聴力を損ねない構造であること。

衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。

衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。

重量が二キログラム以下であること。

人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。

この様に道交法ではヘルメットの規格については特に定められておらず、道交法第71条4-1項(総排気量50cc超の小型/普通/大型自動二輪)、2項(総排気量50cc「以下」(not未満)の原動機付自転車)共に乗車時のヘルメット着用義務を謳っているに過ぎず、排気量によるヘルメットの基準分けは存在しない。国家公安委員会による「交通の方法に関する教則」ではSGマークやJIS規格のヘルメットが推奨されている。これはあくまで「推奨」であり強制でも無ければ罰則もない。

以上のことから、原付向けの半キャップ型のヘルメットを大型二輪に使用しても法的には問題は無い。

ただし乗車用として認められていない安全ヘルメットなど、容易に基準を満たしていないことが目視で確認できるヘルメットの場合は罰則が適用される恐れがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki