小型のプランクトンは、水界の生態系を構成する食物連鎖の下位に位置し、魚類やクジラなど、より大型の動物の餌として重要な役割を担っている。特に海底が深くにある海洋では、生産者の位置にあるのが植物性プランクトンである。他方で、水中においては排泄物や分解産物も水中を浮遊し、デトリタスのような形で分解の過程を経るから、分解者としてその経路に関わるものもやはりプランクトンである。
小型のものが多いが、量的には大きいので、多量に漁獲できる場合には、水産物としても利用される(イサザアミ、オキアミ、シラスなど)。富栄養化によって植物プランクトンが大量発生する現象は赤潮と呼ばれ、生態系に深刻な影響を与える。
プランクトンの採集には、プランクトンネットが使われることが多い。 古典的なプランクトンネットは、丈夫な丸い枠に目の細かい円錐形または円筒円錐形の網をつけたもので、先端にはサンプル採取用のガラス瓶がつく。 これを手やボートで引っ張るなどして採集するものである。 目的に応じて目合い(メッシュサイズ)を使い分ける。 伝統的に0.33mmを動物目合い、0.1mmを植物目合いとして来たが,近年では0.33mmでは主要なカイアシ類が抜けるために、動物プランクトンの採集にも0.1mmを使うことが多い。 藻類や微小動物プランクトンの採集には、現在では採水法を使うのが一般的である。 採水法では、海水を1L、2Lなどと定量的に採集し、プランクトンを海水ごと固定して沈殿濃縮し、顕微鏡で同定・計数を行う。 また、目的によっては10μm、2μm、0.2μmなどのフィルターを使って濃縮し、フィルターを光学顕微鏡や蛍光顕微鏡で観察することもある。 藻類については,同定をせず,グラスファイバーフィルターで生海水を濾過して、アセトンやメタノール、ジメチルホルムアミドなどで抽出し、吸光度または蛍光を測定してクロロフィルなどの色素量のみを定量することもある。
プランクトンとは、水生生物を生活型に分けた場合の、浮遊生物に対する名前である。これに対し、水流に逆らって遊泳できる生物をネクトン (nekton)、あるいは遊泳生物、水底で生活する生物をベントス (benthos)、あるいは底生生物と呼ぶ。また、水面より上に生活するものをニューストンという。
ただし、これらの概念はあくまで理論的なもので、実際の生物に完全に適用できるものではない。例えば甲殻類のオキアミ類の遊泳力はプランクトンとネクトンの中間程度であり、マイクロネクトンと呼ばれる。また一部のカイアシ類やアミなど,日中は海底直上にとどまり,夜間は水中に泳ぎ出すという半プランクトン半ベントス的な生活をするものある。ネクトベントス、プランクトベントスなどの中間概念としてのカテゴリー分けも便宜上使われている。
また、これらの区分は、生物種の生活史全体を通じて不変のものではない。例えば、エビ、カニ、ヒトデ、カイメン、イソギンチャクなどの多くは、幼生期にプランクトン生活を送るが、成長と共に水底で生活するベントスになるし、魚類の多くも、卵から孵化した後の幼生期は、プランクトンであるが、成長と共に遊泳能力が発達しネクトンとなる。
海洋プランクトン. 有賀祐勝[ほか] 著, 丸茂隆三 編,東京大学出版会,1974. 海洋学講座, 10.
⇒日本プランクトン学会 カテゴリ: 生物 | 海洋学
更新日時:2008年9月25日(木)02:19
取得日時:2008/09/29 06:24