プラズマ
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身近なプラズマプラズマボール。手が触れている。オーロラ

一般に気体中で放電することによって生成される。身近なプラズマの例としては、点灯している蛍光灯の内部も水銀ガスがプラズマになったものである。このことはグロー放電を起こしてそれからクルックス管である蛍光灯内のアルゴンキセノン等に経路状に電流が流れ発光する事と同じである。なお、このグロー放電は放電プラズマの一種である。 稲妻セントエルモの火もこの類である。

我々の生活に必要不可欠な(燃焼炎)もプラズマの一種である。他に強力な磁界をもつ高圧鉄塔の電線の周りには同心円状にプラズマが発生する。地下水脈で水が勢いよく岩盤にぶつかることでもその空洞内に発生すると言われている。

電離層オーロラ太陽恒星の内部)、太陽風コロナ)、星間物質科学博物館によく展示されているプラズマボールなどもその例である。

2006年9月に打ち上げられた太陽観測衛星「ひので」によって、恒星を取り巻くプラズマ化した大気の中で起こっている活発な現象を、より詳細に観測・研究できるようになった。


プラズマの種類と産業への応用

プラズマには高温プラズマ(プラズマを構成する粒子すべての温度が高い状態、熱プラズマ)と、低温プラズマ(電子温度のみが高い)があり、金属の内部や蛍光灯の内部は低温プラズマと見なされる。高温な熱プラズマは数万ケルビンにも及び、地球上のあらゆる物質を溶かしてしまうため、高融点の材料の開発が求められている。 なお、種々のプラズマにより、核融合プラズマディスプレイ溶接プラズマロケットカーボンナノチューブをはじめとする立体構造を持つ様々な機能・特性を備えたハイテク新素材の生成技術など、その応用分野は広い。

プラズマは原子レベルで制御ができるため、人間の目では見えない非常に細かい穴を掘る(エッチング)作業を行うことができる。レーザーアブレーションは、固体材料に強力なレーザーを照射することで、固体材料を気化し高密度プラズマを得る技術である。薄膜作成、クラスター生成、材料加工、医療、エネルギーなどの広範な分野で応用されている、最も発展的な分野のひとつである。シリコンなどの半導体にイオン注入する手法は以前からあったが、近年制御性に優れたプラズマイオンを照射する技術が確立されたことにより、さまざまな原子や分子を直接ターゲットに注入し、アルカリ金属内包ナノチューブをはじめとする新機能超分子構造物質の創製が可能になった。磁化プラズマを用いる分野では、スパッタの技術によってさまざまな機能性薄膜の形成が試みられている。高精度でプラズマを生成して制御する技術が確立した結果、従来よりもはるかに高品質のダイヤモンドを生成することにも成功している。

液中プラズマは、液体中でプラズマを発生させる技術である。液体に超音波気泡を発生させて、その気泡に電磁波を照射することでプラズマを発生させる。周りが液体であるため、非常にたくさんの原料を溶液から供給することができ、さらに材料が高温に晒されて燃えるといったことなどがない利点を持つ。そのためプラスチックや紙などの母材にも、さまざまな物質をメッキすることが可能になる。

レーザープラズマ加速器は非常にコンパクトで高出力が得られる特徴を持つ。キャピラリー放電型プラズマチャンネルによって数十億電子ボルトのビーム加速に成功している。

核融合のプラズマから電力を得るには、猛烈な勢いを持つ荷電粒子を減速させるための逆電界を印加するだけでよい。粒子の運動エネルギーを直接電気エネルギーに変えることが出来るため、80%を超える極めて高い変換効率が実現可能である。従来の原子力タービンを用いた熱-電気変換効率が30%程度であることを考えると、プラズマの直接発電は画期的と言える。

プラズマボールが放電によって電界と磁界を生み出す性質や、発生している電磁波を視覚的に捉えやすいことなどもあって、次世代型の健康的な電化生活環境を構築するための基礎研究用の実験装置として用いられている例もある。

半導体内での電子正孔や、金属内の電子の振る舞いはプラズマと酷似しているため、固体プラズマと呼ばれる。


実験装置で作り出される特殊なプラズマ

一般には電気的中性を保つとされるプラズマだが、超伝導ソレノイドコイルで作り出した磁場内に、リング状の電極を配置したトラップ装置を使えば、磁界と電界の力を重ね合わせて、非中性状態のプラズマを何もない空中で捕獲することが出来る。このようなトラップ内に電子ビームを照射すると、電子のみで構成された電子プラズマを一定空間内に閉じ込めて高密度に蓄積することも可能になる。

このようにして集めた電子プラズマを減速材として用いて、陽電子を捕獲して蓄積することで、反物質プラズマを大量に生成して実験に用いる道が開けてくる。

プラズマがもつ熱エネルギーに比べて、粒子間のクーロン力が強い場合、プラズマは自由に動くことができない特殊な状態になり強結合プラズマと呼ばれる。木星白色矮星の内部、中性子星の外郭などでは、プラズマ密度が固体密度を大きく越えるため、プラズマはその複雑なクーロン多体相互作用のために、液体や固体のような物性をもつと予想されている。実験室内で、液状や固体(クーロン結晶を含む)のような振る舞いをする電荷を持つ粒子群が、比較的簡単な方法で作り出されて研究されている。


自己組織化によってプラズマ中に生成されるさまざまな構造

ダストプラズマが自己組織化することによって、クーロン結晶などが生成されることが1994年に複数の研究チームによって確認されている。プラズマ構造を積極的に制御することにより、微粒子の糸状結晶なども容易に得ることができる。

プラズマは何らかのエネルギーが外部から供給されて揺らぎが生じると、不安定な様相を見せる。プラズマが揺らいで発生するフィラメント状の構造の代表的な例は、オーロラとして観察できる。パルス発信機を用いてX線放射の実験を行うことで確認できるが、フィラメントや渦といった構造は、条件が整うとお互いが生み出した磁場によって、同じ方向に動いているほかの渦を引き寄せて、自己組織化しながら成長していく。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen