フグ
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養殖

高級魚であるため、養殖が昔から行われている。愛媛県愛南町では陸上養殖が行われている。 だが養殖の生産量が急増したのは、当時の水産庁によるトラフグ養殖推進の方針や、熊本県などのように養殖フグ生産地の各自治体による養殖マニュアルが作成された1991年以降である。当時ハマチ・タイ等を養殖していた業者がトラフグ養殖に転換し、生産量が増加した。


ホルマリン薬浴問題

魚体に寄生虫(代表的なものとしてエラムシ)が付着しやすいため、その対策が養殖業者の課題となっている。ホルマリンによる薬浴が手っ取り早い方法であるとされるが、処理後の廃水を海に流す事による環境の破壊、周辺の魚介類への汚染や、発ガン物質でもあるホルマリンのフグの身への残留が問題視されている。

2002年東京水産大学厚生労働省に対して、愛媛県長崎県養殖業者が寄生虫対策としてホルマリンを使用していることを指摘。両県が調査を実施した結果、2003年になって半数以上の業者が使用していたことが判明。同問題発覚後に熊本県等の他の自治体でも調査を実施した所、ホルマリン使用業者が多数見受けられた。

この影響で長崎県では、しばらくホルマリンを使っていないフグまで出荷できなくなるなどの影響が出た。

また、ほぼ同時期に発生した真珠貝アコヤ貝)の大量へい死では、アコヤ貝の死骸からホルムアルデヒド(ホルマリン)が検出され、近隣海域でフグ養殖業者の他にホルマリンを使う者が存在しない事から関連性を指摘される。 その結果、ふぐ養殖業者と真珠養殖業者とが反目した他、消費者団体によりホルマリン残留問題が提起されるなど社会問題にもなった。 その後、水産庁によるホルマリン使用禁止通達や各自治体によるホルマリンを使わない養殖マニュアルの作成後は養殖でのホルマリン使用量は減少したが、依然として心ない一部業者によるホルマリンの使用は続いており、イタチごっこの様相を呈している。


輸入

2002年、初めてフグの輸入量が国内生産量を上回った。[2]2002年の輸入先の99%は中国であり、残りは韓国である。近年は養殖技術の向上により、これらの国の養殖フグも大量に輸入されている。

なお、近年の中国産食材安全性の問題はフグ関連でも発生している。アメリカに於ける、中国産の鮟鱇の切り身でのフグ・フグ毒の混入、及び日本と米国ハワイ州に於ける中国産カワハギの切り身でのフグ・フグ毒の混入が代表例として挙げられる。


ブランド化の取り組み

フグは、山口県下関市が本場として知られるが、実際のところ漁獲量はさほど多くない。福岡県宗像市の漁港では、従来下関に水揚げしていたフグの一部を玄海とらふぐとしてブランド化を目指して売り出した。日本では、加工場の問題もあり、漁獲されたフグの多くが下関や大阪・東京に集中するという傾向がある。最近では水揚げ漁港の側で加工場などの整備を行い、地場の名産品とすべく努力も行われている。


食材ふぐ刺し(薄造り)

食用にする種としてトラフグ、マフグなどが有名。特にトラフグが高級魚として知られる。詳しくはふぐ料理を参照。

ふぐ料理は、一般的に高級料理として旬の冬場に食べられる。もっとも、近年は養殖により季節を問わず食べる事が可能である。フグを料理用に捌くためには、一般の調理師免許に加えて各都道府県の定める免許や資格が必要となる。ただし、各都道府県によりその対応は異なり、届け出後講習会を受講するだけで資格が与えられる地域があれば、試験によるふぐ調理師免許取得を要する地域もある。また、毒のないフグにおいても調理にあたり資格が必要であるが、資格なしでも調理できるように働きかけがなされている一方で、条例によっては家庭での調理は条例によって罰せられる地域もある。

日本近海においてもふぐは数百種類生息しているが、それぞれによって毒を保有している部位が異なり、また、食用になる部位が全くないものもいる。そのためキノコ類と同様、素人目には判断できない場合が多い。

なお、食用ふぐの7割が京阪神地域で消費されており、特に大阪での消費量は全消費量の6割に達する。

エジプトでもフグは免許を有する人間に由って調理される[3]。 因みにフグを象ったヒエログリフは「不満」を意味する[4]

ふぐ刺し(てっさ)

ふぐの白子

から揚げ

ふぐちり(ふぐ鍋・てっちり)

卵巣の糠漬け石川県

ふぐざく


有毒部位の管理

盗難による悪用防止のため、施錠できる容器に保管して適切に廃棄しなければならないので、一般家庭では設備上の問題から調理は認められていない。同様の理由から、原体のまま小売・問屋から購入する事も原則として認められていない。


文化・その他

食用のほか、各地で本物のふぐを利用したふぐ提灯などが、みやげ物として売られている。

下関宗像などでは、縁起をかついで「ふぐ」ではなく、「ふく(福)」と呼ぶ。逆に大阪では、「当たると死ぬ」という洒落から「てっぽう(鉄砲)」と呼ぶ。

時代劇などで、フグ毒にあたった者を砂中に埋めて毒抜きをするシーンが見受けられるが、そのようなことをしても毒素の代謝分解がされることは無い(当時あった民間療法の一種で、迷信)。


フグの毒

体内にフグ毒と呼ばれる強いを持つ種類がほとんどである。を食用とする種でもハラワタには毒があることが多い。

しかし、フグの肝(ハラワタ)は多くの食通を唸らせる美味であり、「フグは食いたし命は惜しし」という言葉があるように、中毒を覚悟してまで食べようとする者もいる。料理評論家の服部幸應はその味を「練乳に似た濃厚な風味。アンコウの肝ほど脂っこくなく、さっぱりしている。あれを捨ててしまうのはもったいない。」と語っている。

フグ毒の成分はテトロドトキシンで、もともと細菌が生産したものが餌となる貝類を通して生物濃縮され、体内に蓄積されたものと考えられている。餌の種類を変えて養殖すると、同じ種であってもフグ毒が少なかったり、全くない場合があることからこのように推定されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen