民族比率は、フィン人が93%、スウェーデン人(スウェーデン系フィンランド人)が6%、サーミ人が0.1%、ロマ人が0.1%。
宗教は、福音ルーテル教会が89%、正教会が1%、無宗教9%。 福音ルーテル派は国教であり、政府が国民から直接税の形で集めた「教会税」によって資金的援助を受けている。しかし、近年では国民の信仰心の低下や、政教分離の意見の高まりなどから、教会への支援は世論からの支持を受けなくなる傾向にあり、それにともない「教会税」も毎年、減少傾向にある。
使用されている言語は、フィンランド語が93.4%、スウェーデン語が5.9%で、この2つが公用語である。1919年に制定された。サーミ人は、サーミ語を使用し、1970年代にその地位は向上した。1999年の憲法改正により、準公用語と明記された。同時にロマ人その他の少数民族に対する配慮も加えられている。また、ロシア語を母語とするロシアからのいわゆる帰還者は最近増加しつつある。スウェーデン語は、すでにフィンランドに根を下ろしており、少数派とは言え、経済界、産業界で影響力を持ち、政界にも主要政党を持っているため、公用語問題は歴史的な問題であった。これに対しロシア語は1世紀にわたり支配社会の上層部にのみ影響をあたえただけで、庶民に浸透することはなかった。
特徴的な事柄を挙げるとすれば、男女同権思想がある。生産性の低い土地に住んでいたためか、農業時代から女性も男性と同じくらい働き、発言権を持っていたという。フィンランドで普通選挙法が導入されたとき、ヨーロッパ初の女性参政権も当然のように付属していたのはフィンランドならではといえよう。今も女性の社会進出は世界最高レベルであるが、アファーマティヴ・アクション制やクォーター制のようなフェミニズムプログラム無しで達成している。現在、フィンランドの国会議員は定数の3分の1以上に当たる76人の女性議員がいる。しかし、一方で兵役は男子のみの義務である(女子は志願制)。
また、俗説としてフィンランド人は「恥ずかしがりや」であり、サウナの様に集団で集まりやすい場を大切にし、顔を会わせずに会話の出来る電話や携帯電話の普及速度が速かったと言われる。ヨーロッパで「フィンランド人は無口で、話す時は独特の抑揚のない言語で不機嫌そうにしゃべる」というステレオタイプの印象が元になったと考えられる。
学校教育ではフィンランド語、スウェーデン語が必修であり(ただしオーランド諸島ではフィンランド語は必修ではない)、さらに英語やその他の言語の教育が行われている。本土のスウェーデン系国民は幼いころからテレビなどを通じて自然にフィンランド語を習得することが多いが、フィンランド系国民はスウェーデン語習得機会に乏しく、一部国民から「スウェーデン語必修」に反発がある。フィンランドの大学はすべて国立で、受験戦争はフランスや日本ほど厳しくはない。しかし、フィンランドの教育水準は世界トップで、教育における「フィンランドモデル」が注目を集めている。生徒は競争による相対評価ではなく、達成度によって評価される。
ユネスコの定義による高等教育機関(大学およびその他すべての高等教育機関・課程)の進学率は世界第二位の87パーセントである。(2004年度)この年の世界第一位は大韓民国の89パーセントであったが前年度は世界第一位であった。2004年度に行われたOECD(経済協力開発機構)のPISA(学習到達度調査)は日本や韓国、香港などの教育熱の高い国や欧米先進国を抑えて学力世界一を誇っている(ただし、OECDの調査自体には多くの問題点が指摘されている)。PISAは@読解力A数学リテラシーB科学リテラシーという三分野のみの調査を57カ国に対して行ったものである。
フィンランドの学校は週休二日制であり、教師は大学院卒が基本、授業時間も日本よりかなり少なく、また「総合的な学習」に相当する時間も日本より多い。近年、日本で批判されている「ゆとり教育」に近い内容という特徴があるが、教育内容や教授方法への教育行政の指示が少なく、分権化が進んでいること、成績下位者への支援態勢が特に手厚いこと、義務教育にも留年制度があること、小学校から大学まで多くの学校で学費が無料であることなどの違いがある。
文化マリサカ(Mariska), はヒップホップ音楽家
フィンランド人の音楽界での活躍は目覚しく、人口に比しても世界的な音楽家を数多く輩出している。
フィンランドの音楽と言えばジャン・シベリウスが世界的に有名であり、国民的英雄ともなっている。フィンランドでは、彼の交響詩「フィンランディア」の「フィンランディア賛歌」と呼ばれるメロディに詩人であるコスケンニエミが歌詞をつけたものが第2の国歌として深く親しまれている。
彼以後にもアーッレ・メリカント(1893?1958)、レーヴィ・マデトヤ(1887?1947)が現れ、国際的評価を得た。
その後も、カイヤ・サーリアホやマグヌス・リンドベルイなどの作曲家が世界的な評価を得ているし、オペラ作品もエイノユハニ・ラウタヴァーラ、ヨーナス・コッコネン、アウリス・サッリネンなどの逸材が制作、上演に積極的である。21世紀に入っても、人材確保の為に政府が若手作曲家を必要以上に庇護する政策を取っており、やや現在の若手作曲家がこれに甘えているという批判も見られる。
クラシックの指揮者では、オッコ・カム、 レイフ・セーゲルスタム、オスモ・ヴァンスカ、エサ=ペッカ・サロネン、ユッカ=ペッカ・サラステ、ミッコ・フランク、オペラ歌手のマッティ・サルミネン、ヨルマ・ヒュンニネン、モニカ・グロープ、カリタ・マッティラ、ピアニストのオッリ・ムストネン、バイオリンのクーシスト兄弟などがそうである。