基本的に、全ての通信をノード間で行う。
サーバに依存しないため、ネットワークの耐障害性が非常に高い。 全体を把握するサーバが無いため、実装次第では匿名性を確保可能である。 ファイルの転送に関しては効率が良いが、ファイルの検索がネックとなる。
手軽に共有できる点から著作権があるデータを共有させるといった問題も発生している。
最初にファイル共有ソフトが著作権問題に問われたソフトウェアにNapsterがある。1999年12月にRIAAがNapsterを提訴し[1]、Napsterは非商用目的で共有するのは合法であると主張したが、米連邦地裁からサービス停止命令が出され[2]、Napsterもこれに反論し続けたが、2001年7月にシステム障害を理由として、ファイル共有ソフトとしてのNapsterはサービスを終了した[3]。
WinnyやShareなどのファイル共有ソフトは、ファイルを暗号化し、データを送受信してファイルを共有する。そのため配布者の特定が困難で、著作権の保持された音楽や映画、市販のソフトウェアなどを違法に交換する者が絶えない。
日本国内では、Winnyが高い人気を誇ったが、Winnyの開発者が逮捕され、利用者への取り締まりが進んでいる。それと呼応し、Shareという Winnyと類似した仕組みで動作するソフトウェアが開発された。現在はWinny・Share共に暗号化・匿名化の仕組みは解明され、配布者の特定が原則として可能になっている。ただし、特定にはそれぞれのネットワーク全体の絶え間ない監視が必要なので、監視を始める以前から存在するか、監視対象となる前のノードから発信されたファイルについては配布者特定は不可能である。
Napsterは1999年1月に公開された、音楽の共有を目的としたソフトウェア及びサービス。 このサービスはMP3ファイルの共有を行うことができた。 P2Pモデルを用いたファイル共有ソフトの先駆けであり、初めて多くの利用者を獲得したP2Pファイル共有ソフトとなった。 尚、日本語に対応していないことから日本ではほとんど普及しなかった。 RIAAから訴えられ敗訴したことをきっかけに、2001年7月にサービスは停止した。
ファイルの転送はP2Pで行うが、ファイルの検索・ノードのマッチングは専用のサーバが集中管理して行うハイブリッドP2Pモデルを採用している。 このため、専用のサーバが停止すると一切機能しなくなる。 専用のサーバはNapster社が用意したものを利用する。 人気があるファイルを持つノードにアクセスが集中して転送が遅くなる問題を持っている。
最初のGnutellaクライアントは、AOL社のNullsoft部門の社員が会社に黙って開発し2000年3月に公開したものである。 これはAOLによって公開・開発はすぐに停止されたが、このクライアントの解析によりプロトコルが解明したことで、さまざまな互換クライアントが今も開発されている。 現在も多くの利用者が居る。
Napsterとの違いはピュアP2Pモデルを採用していることである。 従来のファイルの転送に加えて、ファイルの検索・ノードのマッチングもP2Pで実現し、専用のサーバを不要とした。 このように専用のサーバに依存しないためGnutellaネットワークは極めて高い耐障害性を持ち、いちど機能し始めてしまうと止めることは困難となる。
BitTorrentは2001年に公開されたプロトコル。非常に高い効率を持ち、合法的な用途では最も多く利用されている。多くのクライアントがある他、一部のウェブ・ブラウザやネットワーク機器などが対応している。WinMXの衰退により海外では多くの利用者がBitTorrentに乗り換えた。
従来のファイル共有ソフトは明示的に指定したファイルしかアップロードしなかったのに対し、BitTorrentクライアントはダウンロードしたファイルも自動的にアップロードするよう義務づけられている。これにより、人気があるファイルを持つノードへのアクセス集中は最小限に押さえられ、むしろ人気があるほど高速に転送できる性質を持つに至り、効率の良いファイル共有を実現した。
BitTorrentはハイブリッドP2Pモデルを採用し、ノードのマッチングは専用サーバが行うが、Napsterと異なりファイルの検索機能を持たず、ファイルの転送に徹している。利用者は、ダウンロードしたいファイル一つに対し、対応するtorrentファイル一つを用意する必要がある。専用のサーバは誰でも設置することができ多くのサーバが存在するが、torrentファイルに記録されているので利用者は意識する必要はない。ほとんどのtorrentファイルはウェブ・サイトで配布されており、torrentファイルを集めて検索機能を付けたサイトも多い。
WinMXは2001年に公開された。 マルチバイト文字に対応しているため、日本で初めて普及したファイル共有ソフトとなった。(Unicodeに対応しているかは不明。)高機能なチャット機能も持ち、独自のコミュニティが生まれている。雑誌による丁寧な解説もあり、初心者による導入も増え利用者の裾野が広がっていったが、日本において2001年11月に著作権の侵害を理由に利用者から逮捕者が出たことで、利用者は激減した。尚、ファイル共有ソフトの利用者が逮捕されたのは、世界的に見てもこれが初めてとなる。海外でも、アメリカ最高裁が出した判決によって2005年9月に公式サーバが閉鎖されたことで、利用者は激減した。ファイル共有ソフトとしての利用者は減る代わりに、チャットを目的に導入する利用者が増えている。
Napster互換プロトコルによるハイブリッドP2Pモデルを採用している。 ファイルの検索・ノードのマッチングを行う専用サーバは、公式のサーバの他に、個人が設置したサーバも幾つかある。
Winnyは2002年5月に公開された日本製のファイル共有ソフトであり、匿名ファイル共有ソフトの草分けでもある。WinMXの利用者が逮捕されたことで、違法な共有を行っている利用者を中心に動揺が広がっていた時期であり、多くの利用者が匿名性を持つWinnyに乗り換えた。現在でも国内で最も普及しているファイル共有ソフトである。条件に合うファイルを片っ端から自動でダウンロードさせる地引と呼ばれる利用方法を初めて提案した。BBS機能も持ち、その用途でも利用されていた。マルチバイト文字に対応しているがUnicodeには対応しておらず、またローカライズが困難な仕様だったため、海外では殆ど普及していない。当時、匿名性が絶大に信頼されていたものの、2003年11月27日に著作権の侵害を理由に利用者から逮捕者が出たことで、Winnyの開発は停止した。翌年、2004年5月10日に著作権の侵害の幇助を理由に開発者も逮捕された。現在では解析が進んでおり匿名性は破られてきている。
Winnyは作者のセンスが良く技術的なことも含め様々な点で特徴的であり注目を集めた。国内では初めての実用的なピュアP2Pネットワークソフトであったことも、その一つである。Winnyの影響を受けたソフトウェアも多い。
Gnutellaと同様にピュアP2Pモデルを採用しているが、Gnutellaよりファイルの検索機能が効率化している。転送する時、ファイルをそのまま転送するのではなく、キャッシュと呼ばれるデータに変換してから(あるいは変換しながら)転送を行い、必要に応じて復元する。その際、一定確率で転送の中継を行うことで匿名性の確保を図った。BitTorrentと同様にダウンロードしたキャッシュは自動的にアップロードされるが、キャッシュは原則Winnyが管理し利用者は関与しない方針により、BitTorrent以上に徹底している。