キリンホールディングスの ⇒集計によると、2004年の世界のビール総生産量は1億5475万klにのぼる。日本の大瓶(633ml入り)に換算すると2433億本となる。生産量のベスト10は、中国、アメリカ、ドイツ、ブラジル、ロシア、メキシコ、日本(発泡酒等を含む)、イギリス、スペイン、ポーランドの順。オランダは12位、チェコは15位、ベルギーは17位であった。
主な生産国の状況と銘柄は以下の通り。
ドイツドイツの歴史に残るミュンヘンのビアホール・ホフブロイハウス。ビールとワインで祝う収穫祭シュトゥットガルトのカンシュタッター・フォルクスフェストの巨大仮設ビアホールの内部。
生バンド演奏のもと椅子の上に立ち上がり盛り上がる。
ラガービールの原産国。アルト、ケルシュ、ヴァイツェンなどのエールビールも多種造られている。 ビールの新酒は秋初めに出回り、これにあわせて各地でビール祭りがある。もっとも有名かつ大規模なものはドイツ、ミュンヘンのオクトーバー・フェストである。また、オクトーバー・フェスト用に供されるメルツェンビール(3月に醸造される)、秋口に醸造され冬場に供されるウィンタービール等の季節ビールも多くのメーカーで作られている。なお、ドイツではビール法(ビール純粋令)によりビールを名乗る飲料には原材料の規制(水・麦芽・ホップのみを原料とする飲料物のみをビールとしてとりあつかう)があったが、非関税障壁として非難され、現在は輸入ビールについては廃止されている。ドイツのビールメーカーは、日本酒の地酒のように各地にあり、全国ブランドのビールメーカーは少ない。価格も安く、地ビールの缶ビールの価格は、コーラより安い。
ドイツのビールは大きく分けて大麦を原料とするピルツェン・ビールと小麦を原料とするヴァイツェン・ビールがある。小麦を原料とするビールでもミュンヘン近辺では白っぽいヴァイスビール (WeissBier) が有名。ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州近郊ではヴァイツェンビールでも透明なクリシュタール・ヴァイツェン、半透明なヘーヘ・ヴァイツェン、濁ったドゥンケル・ヴァイツェンがある。常温で飲むビールもあるが、ドイツでも一般的に冷やして飲まれる。
レーベンブロイ
カールスバーグ
ヘニンガー
ベックス
イエファー
ホルステン
ホーフブロイハウス
ハッカープショール
ドイツのローカルビールだったラガーを世界的に広めたのは、この国で生まれたピルスナーのおかげである(日本で最も飲まれる黄金色のビールは、このピルスナー・タイプである)。ピルスナーは、ピルゼン(プルゼニュのドイツ名)で醸造されたビールの呼称から由来する。この事実により、中央ヨーロッパでは、ビールの醸造法についてはチェコをその本場として一目置く。
ピルスナーウルケル
ピルゼン市の地ビール。
ブドヴァル
チェスケー・ブデヨヴィツェ市の地ビールである。米バドワイザーとの商標権訴訟でも有名である。
エールビールの本場。エールビールは冷やさずに供されるので、日本風のビールに馴れた人にはかなり違和感を覚えるかもしれない。かつては外国産ビールに押され気味だったが、1970年代、熱心なエールファンによるCAMRA(CAMpaign for Real Ale=真正エール(復活)運動)が起こった。しかし現在でも若者層を主流に多く飲まれているビールは冷やして供されるバドワイザー、ハイネケンなどの外国産ブランドのラガー、もしくは自国産のラガーであり、これらのビールは上記の真正エールなどをはるかに超えるシェアを持っている。エール復興運動は盛んであるが、あくまでも好事家向けのニッチ産業としての側面が強い。
バス・ペールエール - すっきりした味わいと、フルーツのようなほのかな甘みと香りをもつ。
ニューキャッスル・ブラウンエール
ギネスを始め、ビールの国、呑み助の国としてのイメージが強烈なアイルランドであるが、国内市場は事実上殆どギネス社(の母体であるDiageo社)の寡占市場にあり、パブでのタップからサーブされるビールの選択肢は多くない。だが近年では都市部を中心にベルギービールやチェコビールなどをタップからサーブするパブも増えてきつつある。近年では地ビールなども出現してきているが、上記のような寡占状態のためパブなどでタップからサーブするビールとして発見することは非常に難しい。いわゆるマイクロブルワリーの中でもっとも成功しているのがPorterhouseである。同名のパブ内で醸造を行っており、市内に数店の支店を持っている。
ギネス (Guinness) - もっとも有名なアイリッシュスタウト
マーフィーズ (Murphy's Irish Stout) - 代表的なアイリッシュスタウトの一つ。数少ない大規模生産を行っている独立ブランドで、アイルランド南西部のコーク地方を中心に飲まれている。
キルケニー (Kilkenny) - エールの一種(アイリッシュレッドエール)。
スミヴィックス (Smithwicks) - アイルランドで年配層を中心に根強い人気があるエール。上記のキルケニーと似た製品。