パニッシャー
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この項目では、マーベル・コミックのヒーローについて説明しています。佐渡川準作の漫画作品については「PUNISHER」を、その他の名称については「パニッシャー (曖昧さ回避)」をご覧ください。

パニッシャー
The Punisher
パニッシャーのロゴ
出版の情報
出版者マーベルコミックス
初登場The Amazing Spider-Man #129 (1974年2月)
クリエイターGerry Conway
Ross Andru
John Romita, Sr.
作中の情報
フルネームフランク・キャッスル (born Francis Castiglione)
著名な別名Mr. Smith, Charles Fort, Frank Rook, Johnny Tower, Franken-Castle, Scourge of the Underworld
能力戦略、戦術のエキスパート
武装・非武装時において鍛錬された戦闘技術
高度な爆発物の取り扱い
人間の最高潮に匹敵するコンディション
痛みに耐える強い精神力

パニッシャー (The Punisher) は、マーベル・コミック刊行の複数のコミックに登場する架空ヒーロー。また、彼の登場する漫画作品、映画のタイトル。翻訳家によってはパニシャーとも表記される。
概要

本名、フランク・キャッスル (Frank Castle) 。フランクはセントラル・パークで家族と共にピクニックを楽しんでいた。しかし、突然勃発したギャング同士の抗争に巻き込まれ、その銃撃戦の流れ弾によって最愛の妻と二人の子供達は帰らぬ人となってしまう。暗黒街のギャング達への復讐を誓った彼は、正面に大きく白い髑髏を描いた漆黒のコスチュームに身を包み、非情の私刑執行人「パニッシャー」となり、ニューヨークを中心にクライムファイター(=犯罪者退治専門のヒーロー)として活動を始める。

1974年に『The Amazing Spider-Man』#129にて初登場し、当初はスパイダーマンと敵対する人物であった。その後人気が出てくると1986年遂に自身が主人公の単独誌が刊行。犯罪者に対して容赦なく、これまでの代表的なスーパーヒーロー達と異なり殺しを行う異色のダークヒーローである。元はアメリカ海兵隊で、ベトナム戦争では特殊部隊として最前線で戦い多数の勲章を得た。軍人になる前は聖職者を目指していた経歴を持つ。

マーベルユニバースでのダークヒーローを代表する最も有名なヒーローの一人で、日本国外ではキャラクター商品展開などでアベンジャーズの主要キャラと並びアイテムがラインナップされる程の人気キャラクター。1970年代、80年代当時のアメリカでは犯罪発生率が増え続け、特にニューヨークは世界的にも犯罪多発都市と知られ年間殺人件数は2000件を超えるようになる。その時代に現れたパニッシャーは、現実に凶悪事件が増え続ける社会の中で悪への徹底的な粛清描写、更にベトナム帰還兵という設定(ベトナム戦争を批判する表現であり、パニッシャー自体が使用していた銃器もベトナム戦争に対しての皮肉が込められていた)は当時の社会情勢を背負ったキャラクターとし、人々から多くの支持を得た。その人気ぶりから、実写映画は設定を作り直されながらも三度も作られ、2011年にはテレビドラマの製作も決定した。彼が主役のビデオゲームもNES(海外におけるファミコン)時代から様々な機種で発売されている。
特徴

マーベル・コミックのヒーロー達は、本来は相手がどんなに極悪の犯罪者であっても故意に殺すことはなかった。しかしパニッシャーは法律やモラルを無視し、犯罪者を冷酷に処刑・殺戮する。そのため、当の彼自身が犯罪者として警察に追われる身であり、また他のスーパーヒーロー達とも対立、あるいは軽蔑されることもある。

しかしその強い個性と人気から、他作品のキャラクターと共演したりクロスオーバーすることもあり登場する作品は多い。マーベルユニバース全体のヒーローを巻き込んだクロスオーバーイベントでは、パニッシャーにスポットを当てられることも多く、正史ではないが『What If』シリーズではスーパーヒーロー達を皆殺しにするストーリーが度々描かれる。超人ヒーロー達が吸血鬼化やゾンビ化したりといった風変わりな作品の中でも勇敢に立ち向かうキャラクターとして選定されやすい。

また、他社のキャラクターともクロスオーバーされ、『バットマン/パニッシャー』が1995年に発売された。本作ではスーパーパワーを持たないダークヒーロー同士であり「愛する者、肉親を殺されたことの報復[1]」という共通する行動原理を持つにもかかわらず、「絶対に犯罪者を殺さない」バットマンと「犯罪者は必ず殺す」パニッシャーの生き方の違いが浮き彫りにされている(アマルガム・コミックスも参照)。
能力

隊員時代の経験から銃火器や爆発物などあらゆる兵器に精通した超一流の戦闘技術を持つ。個人的にも鍛錬された体力と痛みに耐えうる精神力などの(あくまでも常人の範疇内で)訓練された強さを持ち、更には相手の裏をかく謀略にも長けており、この総合的な能力から、他のヒーローのような超能力などのパワーは持っていないが、他のヒーロー達に一切ひけをとらず共闘、あるいは堂々と敵対できる実力を持つ。ヴェノムに寄生された際など、異能力が手に入った際には自在に使いこなすといった兵器以外の力への適応力も高く、それに加えて何よりも「犯罪者を容赦なく殺す覚悟を持っていること」が挙げられる。
主なキャラクター
マイクロチップ/ライナス・リーバーマン
1987年11月に初登場。フランクの数少ない友人で武器や情報などをパニッシャーに提供している協力者。
インターネットの初期頃からプロハッカーである。フランクと同様にギャングに家族を殺されている。
ヘンリー・ルッソ
ハッカーであり、近年登場した新たな相棒。宿敵『ジグソウ』の息子。
マーティン・ソープ
表向きはパニッシャーを追う立場の警察だが、実は協力者で犯罪者のデータをパニッシャーに提供してる。
キングピン/ウィルソン・フィスク
表社会では実業家だが裏社会を取り仕切っているギャングの帝王で、本人自身も格闘技の達人で一見贅肉に見える体形は全て筋肉である。ニューヨークを舞台にするスパイダーマンやデアデビルの宿敵でもある。ベルトスクロールのアクションゲームではボスだったこともあり、彼を追うパニッシャーは1面からギャングから情報を聞き回っては殺しまくる。情け容赦無い性格だが、妻には刃向えないと云う一面も有る。
ジグソウ
元はビリー・ルッソという端正な顔立ちもウリの殺し屋だったが、顔面をズタズタに引き裂かれ、つぎはぎ顔にされたことでジグソウと名乗る。実写映画『パニッシャー: ウォー・ゾーン』ではヴィランを務めた。『バットマン/パニッシャー』ではゴッサム・シティを舞台にパニッシャー、ジグソウ、バットマンジョーカーが入り乱れた。TPSゲーム『THE PUNISHER』ではスターク社を襲いアイアンマンのアーマーを強奪するなど暴れまわる。パニッシャーの中でも代表的な宿敵である。
他作品のキャラクター
スパイダーマン
ニューヨークで活動するスーパーヒーローの一人。蜘蛛糸のような繊維を出したり、壁にへばりつくこともでき、危機察知能力(スパイダーセンス)等の能力を持つ。かつてスパイダーマンにはノーマン・オズボーンの殺害容疑がかけられたことがあり、ジャッカルは彼を殺すために殺し屋を雇った。このヴィランとしての登場がパニッシャーのデビューであった。一大クロスオーバーイベント『シビル・ウォー』では一転してピンチに陥ったスパイダーマンをパニッシャーが助けに現れ、更にボロボロになったスパイダーマンをシークレットアベンジャーズ基地まで抱きかかえ運んだ。
デアデビル
同じくニューヨークで活動するクライムファイター。視覚以外の四感+αの感覚が非常に鋭いという能力を持ち、様々な格闘技を体得している。表稼業は盲目の弁護士マット・マードックでありパニッシャーと共闘することもあるが、パニッシャーが犯罪者を問答無用で殺してしまうため度々かち合うことがある。『Punisher Kills The Marvel Universe』ではパニッシャーがヒーローもヴィランも殺しまくるのだが、フランクと彼は幼馴染というオリジナルの設定になっている。
ゴーストライダー
高速で走るバイクに跨がりニューヨークで活動する超自然的なクライムファイター。炎を吹き出す能力と、犯した罪と他人に与えた苦痛の全てが降りかかる「ペナンス・ステア」という能力を持つ。彼もまた事件が起きると共演することがあり、パニッシャーとウルヴァリンの3人でブラックハートとも戦った。また、ゴーストライダーであるジョニー・ブレイズは二代目パニッシャーを名乗ったこともある。
ウルヴァリン
X-メンニューアベンジャーズといったチームの一員であり、活動の幅が広いミュータント。上記のようにゴーストライダーと3人で組んだこともあった。パニッシャーほど苛烈では無くとも場合によっては殺人もやむを得ないとし、ある種の共感を持ちあっている。『What If』には吸血鬼になってしまったウルヴァリンのエピソードがあり、ウルヴァリン率いる吸血鬼軍団に対して立ち向かった人こそ聖職者を目指していたフランクだった。
キャプテン・アメリカ
パニッシャーとは相反する高潔な人格の主であり、第二次世界大戦の生ける伝説。フランクも憧れていた人物で、パニッシャーは『シビル・ウォー』でスパイダーマンを救出した後、キャプテンアメリカ率いるシークレットアベンジャーズに参加表明する。しかし曲げることのできないパニッシャーである彼のやり方(犯罪者は有無を言わさず殺すこと)を目の当たりにしたキャプテン・アメリカが受け入れられるわけもなかった。そしてシビルウォー事件後、彼のマスクを拾ったパニッシャーはバッキーにマスクを渡すまでの一時ではあるが彼のコスチュームを纏っていた。
ニック・フューリー
二次大戦時から活躍していた男でありS.H.I.E.L.D.の長官。インフィニティ・フォーミュラによって老化を抑えているという設定により、数十年にわたって若々しい姿を保っていた。


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