環境省はこのような事態を重くみて2005年6月より施行された「外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)」により、ブラックバスの一種である「オオクチバス」および「コクチバス」の輸入、飼養、運搬、移殖を、原則として禁止することとした。
方法としては網により捕獲する方法、一定の場所に巣を作って産卵する性質を有するため卵を除去する方法がある。後者の方法では人工産卵床を設置し産卵後にそれを取り除くのが効果的である。小規模な溜池では水抜きによってブラックバスとそれ以外の魚を分け、バスを除去した後、在来魚を戻すという方法がある。近年は船に積載した電気ショッカーによる一括駆除も試みられている。
他にも、ブラックバスの習性として、オスがメスの卵に放精後、他のオスが卵に近付くのを阻む習性があることから、体格が大きく強いオスを精子が体外に出ないようにする手術で不妊化させ、そのオスに積極的に卵の受精を妨害させようという計画もある。この方法は滋賀県水産試験場で研究されており、体長30cmを超える大型の個体を捕獲して不妊化させることで、相当数の受精を妨害できると見ている。これにより旺盛なバスの繁殖率を低下させ、また一括駆除などと違い環境への悪影響も無い。
海外
ブラックバスはアメリカ東部が在来地域であり、西部その他の地域へは移入種として導入されている。アメリカ国内においても、ブラックバスの導入後、在来種の減少や絶滅を招いた、との報告がある。[11]
優秀なスポーツフィッシングの対象魚であること、味が良いことから、世界各地に移入されている。ブラックバスが導入された湖沼の中には、捕食によって在来魚の個体群が減少したり絶滅したりするなどの影響が出ている例がある。そのため、IUCN(国際自然保護連合)によって世界の外来侵入種ワースト100に選定されている。[12][13]
環境省では「世界中で猛威をふるっている侵略種である」としている。[14]
イギリスや韓国では生体の持込が禁止されている。[14]
ブラックバスの害魚論が問題になっている一方、河口湖や山中湖などブラックバスを漁業指定対象魚とし、入漁料徴収の対象としている湖もある。これらの湖をはじめ、全国にはブラックバスフィッシングの愛好家を対象とするビジネスを展開する多数の事業者(貸しボート業、売店、飲食施設、宿泊施設等)があり、地域経済の中心にこの魚を置いているところも少なくない。また、ブラックバスは釣魚としては優秀で、ブラックバス愛好家は日本釣振興会によれば300万人に上るといわれており、愛好家の多い釣りである。
釣具の種類・釣法も年々開発され、新作のルアーも新開発される。
ブラックバス擁護派を含め、同種にはなんらかの規制を行うことは必要不可欠との認識が、専門家および釣り関係者の中では支配的である。生態系の保護・維持と経済魚としてのブラックバスの活用を上手くすみ分けることがひとつの大きな課題となっている。
奈良県下北山村の池原貯水池はブラックバスを積極的に観光資源として活用し、また放流も行い、全国のバサーにとっては「ブラックバスの聖地」と注目されている。特にこのダム湖は日本では珍しいフロリダバス(正確にはオオクチバスとの交雑個体群)がおり、60?70センチのサイズが釣れることでも有名。
日本では生臭くて料理に向かない魚というイメージが強いが、悪臭の元は皮の部分であり、皮を剥がして調理すれば白身で淡泊な味の美味な魚である。
実際にアメリカでは水産資源としてフライやバター焼き・ムニエル等に調理され普通に食されている魚であり、近年、日本でも従来は駆逐のために捕獲後は廃棄処分されていたブラックバスを調理し、給食の副食として提供している自治体や、蒲鉾・魚肉ソーセージの材料や鮒寿司の鮒の代用にすることで、釣られたブラックバスを再放流につなげず、食材として消費し、駆除に役立てようとしている業者が少なからず存在する。
ブラックバスの駆除に熱心な琵琶湖近辺では、特産の鮒寿司と同様ななれずしを作り、ビワスズキという名称で試験的に販売しているところもあり、琵琶湖周辺やブラックバスフィッシングの有名地である芦ノ湖周辺などでは、フライなどのブラックバス料理を売り物にしているレストランなども存在する。また日本料理人である村田吉弘は、ブラックバスの白身で淡白な味わいを評価し、積極的に日本料理の食材として取り入れようとしている。
ただし、淡水魚の常として寄生虫の問題が在るため、生(刺身など)で食べることには向いていない。バス料理愛好家などからは、調理方法として揚げ物(フライ)・焼き物(ソテー)・煮物・ムニエル等が推奨されている。
脚注^ ⇒都道府県内水面漁業調整規則例(平12・6・15 12水管1426水産庁長官通知)(抜粋) - 2002年6月 水産庁「外来魚問題に関する懇談会」の中間報告 参考資料5
^ ⇒ブラックバス等外来魚問題に関する関係者の取り組みについて(「外来魚問題に関する懇談会」の中間報告) - 2002年6月 水産庁
^ ⇒近年の琵琶湖におけるフロリダバスの大規模な侵入 - 2004年 横川・中井・藤田
^ ⇒日本におけるオオクチバスの拡散要因 日本魚類学会 - 環境省 第3回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(魚類)オオクチバス小グループ会合提出資料 2005年1月7日
^ ⇒日本におけるオオクチバスの拡散要因 日本魚類学会 - 環境省 第3回特定外来生物等分類群専門家グループ会合(魚類)オオクチバス小グループ会合提出資料 2005年1月7日
^ ⇒基本情報:特定外来生物等一覧 - 環境省 外来生物法
^ ⇒特定外来生物の指定対象等に係るパブリックコメントの意見の理由と対応の考え方
^ ブルーギルはブラックバス同様の外来種であり、鯉も放流されて広まったものは琵琶湖などに生息する在来種の野ゴイと遺伝子レベルで異なる為、外来種である可能性がある。
^ 生態系に組み込まれるには数千年程度の時間経過をもって有り得るという見解がある。外来種#史前帰化生物も参照。
^ ⇒特定外来生物の指定対象等に係るパブリックコメントの意見の理由と対応の考え方