親愛の情を持っている相手と目が合うと、両目を閉じることがある。ときに、そっぽを向く行為を伴う。ネコの習性を良く知らない人間から見ると無視されたように感じる仕草だが、実際には両目でウインクしている様なものだと思えば分かりやすい。
本当に噛み切るつもりではなく、甘えて飼い主や他のネコを興奮して噛む事がある。これは手のような手ごろな接触手段を持たない動物によくみられる習性である。また親ネコは子猫の首の付け根を咥えて携行し、ネコはその場所を噛まれるとおとなしくなる(この事を利用して交尾の際にオスがメスを噛んだりする)。ネコの習性を良く知らない人間から見ると何故噛み付かれたのかわからず、とまどう行動だが、ただ甘えているだけであり、噛んでも相手が反撃しないのを確認して自分に対する愛情を確認しているだけである。「痛い」と口に出して伝えたり、大げさに痛がる仕草をして見せれば、徐々に力を抜いた甘噛みを覚えていく。痛いからといって、引っ叩いたりすると自分に対する愛情を疑うようになり、拗ねてしまう場合もある。
幼いうちに母ネコと引き離された場合など、毛布や飼い主の唇を母ネコの乳房に見立てて吸い付くことがある。両前足を周囲を揉むように動かす。うっとりとした表情をし、放っておくと30分位続ける場合もある。その動きから、「フミフミ」とか「チュパチュパ」と呼ばれている。ウールサッキングとも呼ばれる。
ネコのもっとも象徴的な行動で、「ねこばば」の語源にもなっている。用を足す前に砂を掘ってくぼみを作り、用を足した後、砂をかける。初めのうちどこがトイレか認識できない場合があるが、そういったときはネコの様子を見て催しているなと思ったら、すばやくトイレに移してやり、用が済んだら大げさに褒めてあげることが大事である。しつけをする事でネコも人間用のトイレを使用させる事ができる。
用を足す場合でなくても、臭い物を見つけたとき実際に砂がなくても砂をかける仕草をする。
長い口喧嘩を経てから、格闘になる。口喧嘩は、一方が低音で唸ると他方は高音で返すなどの特徴が伺える。普通1対1の喧嘩であるので、人間が喧嘩の声に似せて横槍を入れると、気味悪がって喧嘩を中止することもある。喧嘩格闘は高い位置を制したものが有利とされ(飛び掛るのに有利)、戦略的ポジションを探りながらの口喧嘩が長時間続く。格闘になるとほんの数秒で決着する。
よく眠る。安全な環境とエサに満たされている家ネコはよく眠る。写真はペット用のベッドで体を寄せ合って眠る3匹のネコたち。
まるくなって身を守るように眠るのがネコのひとつの典型的なスタイル。明るい日中など、この写真のように前足でまぶたにフタをして光を遮って眠るネコも多い
周囲を警戒する必要がないと、体を長く伸ばしてひっくり返ったような姿勢で眠るものもいる。写真はまわりを信頼している子猫たち。
PCのキーボード周辺を好むネコは多い。PCの廃熱で暖かいことが多い上、PCに向かって過ごす飼い主に構ってもらいたい心理もはたらくのであろう。
野良猫の「箱座り」。目を閉じていながら、耳を頻繁に動かし、周囲を警戒しつづけている。
箱や袋などに入ったり、家具の後ろや下に隠れたり、狭い場所を好む。
からだを舐める。直接舐められないところは(たとえば自分の耳など)、一旦前足に唾液を含ませておいて、その湿った前足でなでる。写真は前足を舐めている様子。
トイレ。通常は砂地状のところにする習性があるが、よく訓練されたネコは人間用のトイレで用を足すこともできる。
けんかの時は、けんか相手に対して体を横向きにし背中を湾曲させ、体毛を逆立ててふくらませ、体を大きく見せて威嚇する。
仲間とじゃれることは狩りの訓練も兼ねる。隠れ場所や寝場所として駐車場を好むものも多い。
現代において、ほぼ世界中に存在するイエネコだが、人為的に広まったもので、それぞれの地域にとってイエネコは外来種である。
イエネコは優秀なハンターとしての能力と本能を持っている。非常に狩りを好む気性は欲求といっても差支えないぐらいである。古来、人に飼われてきた理由もネズミ等の駆除能力によるところが大きかった。野生化した猫はもちろん、十分に餌を与えられている飼い猫も野外の鳥類や小型哺乳類、爬虫類、両生類などの小動物を捕殺してしまう。その事が生態系に深刻な影響を与えてしまうこともある。
日本での代表的な例としては、沖縄県において、野生化したイエネコが地域固有種のヤンバルクイナを捕食したり、イリオモテヤマネコとの交雑や猫エイズの感染によって、イリオモテヤマネコの生息数減少を引き起こしているケースがある。
人間に飼われ十分に餌を与えられているイエネコでも狩りを行うことはよく知られており、飼い主が居住する地域によってはやはり、生態系に影響を及ぼすケースがある。例をあげれば、ニュージーランドのスティーブンズ島における固有種、スティーブンイワサザイは、灯台守が飼育していた一匹のイエネコによって絶滅に追い込まれたと見られている。
イエネコは国際自然保護連合がリストアップした「外来侵入種ワースト100」にもランクインしており、固有種の多い地域では戸外に出さないなど飼育に注意が必要である。ましてや脱走や飼育放棄など野生化につながるような事態は絶対に避けるべきである。
古代エジプトの猫の像
(ルーブル美術館所蔵)
新石器時代、中近東地域から農耕が広まり始め、穀物が保管されるようになるにつれて、ネズミが爆発的に増加したために、穀物庫の番人役として猫が村の中で重宝されるようになったといわれる。
現在世界最古のものとしては、キプロス島のシロウロカンボス遺跡( ⇒en:Shillourokambos)で9500年前の飼い猫の化石が発見されており、新石器時代もしくは石器時代後期から人類が既に猫をペットとして手なずけていたことを示唆している。この猫の骨は人骨が埋葬されていた場所から凡そ40cm離れた場所に埋葬されていたが、遺体の保存状況、位置関係などから、高位の人物が飼い猫を一緒に埋葬したものと考えられる。発掘された猫が年齢凡そ8ヶ月であることから、その人物が死亡した際に、一緒に殺されて埋められたものであるとも推測できる。さらには、キプロスの同遺跡において猫が何らかの宗教的重要性を持った存在であった可能性も示唆されている。遺骸からは屠殺された形跡が見られないため、埋められていた猫はおそらく人間と同様に扱われていたと考えられるという。ただし、同時代の同地域の遺跡からは、人間がネコ科の動物を食用にしていた跡も発見されているという。
エジプトでは、ネコがライオンの代わりとして崇拝されていたし、バステト女神として神格化もされていた。