起源は諸説あり、はっきりとはわかっていないが、現在中国説が最も有力であり、また、全て東方に発生したものが欧州に移入されたとする点では一致している。これら東方に発生したものを西アジア方面から復員した十字軍やサラセン人などの手によって欧州に伝えられた可能性が高い。
古代エジプト起源説
1816年にイギリスのサミュエル・ウェラー・シンガーが自著「プレイングカードの歴史」にて紹介した古代エジプトの神秘哲学がタロットというトランプに表象されていることから非常に古くからエジプトにトランプがあったとする説。しかし近年の研究で、現存する最古のタロットカードよりも古いトランプの現物や記録が存在することなどから、タロットの方がプレイングカードから派生したと考えられ、この説に関しては現在は否定的な意見が多く、最近ではタロットと古代エジプトの関係も否定されている。
インド起源説
チェスとともに6世紀ごろのインドで発祥したとする説。ジプシーが7世紀ごろにインドから欧州に伝来したとされるが、信憑性は薄いとされている。
中国起源説
12世紀以前の中国に「葉子」というトランプの一種があったことから、これが13世紀に欧州に伝わったとする説。
起源が定まっていないことから欧州への伝来についても諸説あるが少なくとも14世紀には欧州各地に記録が見られることから相当数広まっていたと考えられる。欧州に最初にトランプが出現したのは14世紀前半のイタリアとされているが、スペイン説も有力。当時のアラブのカードは、スートは貨幣、刀剣、カップ、ポロ競技用バットであったが、このうちバットはポロ競技になじみの薄い欧州において、イタリアでは儀式用の杖、スペインでは棍棒に変化する。またフランスでの流行の火付け役となったジャック・クールの功績を称え、カップの図柄はクール(ハート)と名を変え、図柄もハートに変化し、現在に至っている。
14世紀も後半になると、フランスではスートがダイヤ、スペード、ハート、クラブに変わり、絵札の騎士が女王と差し替えられた。現在広く普及しているイギリスのスタイルは、このフランスの形式を発展させたもの。なお52枚組が世界標準タイプと呼ばれるのは、19世紀にホイスト、20世紀にブリッジという52枚を使用するゲームの流行、カードにインデックスを付け、角を丸くし、上下を対称にした双頭カードの考案等々の改良を加えたのがイギリス及びアメリカのメーカーであったこと、加えてこの当時の国々の国際的な力関係による。
日本に伝来したのは16世紀頃と言われる。1597年に長宗我部元親が「博多かるた諸勝負」を禁止していることから、この頃には既にトランプが相当流行したものと考えられる。 また1634年の角倉船の絵馬にはトランプをしている男女の絵がある。
日本における最古のトランプは48枚の札からなる天正かるたと呼ばれるもので、ポルトガル語のカルタ(carta)がそのまま日本語となり、漢字では賀留多、歌留多、紙牌などと書かれた。西洋のカルタにならい、うんすんカルタ、株札、がら札、花札などが生まれた。天正かるたはその最初の札に「天正金入極上仕上」と記してあったことから、別名を「きんご」と言い『壇之浦兜軍記』などの書物にその記載を見ることができる。うんすんカルタ(宇牟須牟加留多)もそのままポルトガル語の「umsum carta」の読みがあてがわれ、その記述は『雍州府志』、『半日閑話』などに見ることができる。枚数は48枚(後に75枚)ではじめの5枚を「ウン」、次を「スン」と呼び、慣用句「うんともすんとも言わない」はこれに由来するとも言われる。札の絵には布袋、達磨、異国人などが書かれていた。これら西洋カルタ系統のものは早くから賭け事に使われ、江戸幕府でもかるたの賭け事の禁制をしばしば触れた。
江戸後期からは四季12ヶ月の花を描いた花札が流行するなど、多種多様のかるたが民族娯楽として作り出される。様々なかるたが流行していくとともに正統であるいわゆるトランプは日本では影を潜める形となっていった。
また、日本古来より存在した歌貝(貝あわせ)などを発展させ、札を西洋かるたの様式にして作られた百人一首などのカルタは「よみかるた」と称され、西洋カルタ(めくりかるた)とは系統が異なるものである。
トランプが再び盛んに行われるようになるのは明治時代になってからである。トランプの名は1886年に出た桜城酔士の「西洋遊戯かるた使用」に見られ、トランプのゲームと奇術(マジック)が紹介されている。最初はアメリカ、イギリスからの輸入であったが、やがて国産品もつくられるようになり、1953年に任天堂がプラスチック素材を取り入れたトランプを開発・販売。それが世界に広がり、今現在ではプラスチック素材が取り入れられたトランプが大きく普及している。現在普通に見られるのは、一部有名メーカーの品、欧州、アメリカからの輸入品を除いて、ほとんどが中国もしくは台湾製である。
フランスではトランプの絵札に実在もしくは伝説の人物を当てはめることがしばしばあった。現在の絵札のデザインの元となっているのは、16世紀にフランスのパリで作られたものであるが、その当時は以下の通りの人物に当てはめられていた。
キング
スペード:ダビデ王(『旧約聖書』の「列王記」に登場するソロモン王の父、古代イスラエル国王)