括弧書きの設備はホテルやマンションや病院などで使われている三点ユニットのみにある設備
特殊設備
人感センサ
擬音装置
便所は多くの国で個室となっているが、中には仕切りのない国もある。また、用を足したあとの始末にはトイレットペーパーを用いず水洗する習慣を持つ国もある。そのような便所は、写真のインドやトルコのように、個室内に蛇口がある。水を用いる地域は気温の高い場所であることが多い。世界的に見れば完全に他人の視線を遮断する日本式の公衆トイレのほうが例外的でもある。日本人は排泄をする姿を他人に見られることを極度に嫌い、その逆に入浴を見られることは抵抗を感じない国民である。欧米では完全に密室にすることは犯罪の温床となると考えられている。
中国の便所北京市内の公共厠所の内部。便器は近代的なステンレス製だが、仕切りがないオープンタイプ。
中国の便所(厠所という)でよく連想されるのが俗に「ニーハオトイレ」と呼ばれる仕切り無しの共同便所である。これは公衆便所と勘違いされるが、純粋な公衆便所は少数で、多くは自宅に便所を持たない住民が共用する便所である。近年は外国人観光客対策や衛生上の問題などから、個室タイプの水洗トイレが推進されてきており、大都市部ではやや少なくなってきたが、地方都市や農村などではまだまだ多く見られる形式である。
大便器(多くは四角い穴か長い溝のみ)の間は一応仕切り板で仕切られていても、仕切りの高さは1mほどの場合が多い。扉は無い場合が多く、あっても仕切りの高さかそれ以下である。また、その仕切りさえ存在しない完全オープンタイプで、四角い穴や長い溝だけが存在するというものも多く、用便中の姿が他の利用者に丸見えである。清朝皇?便器又名官房如意桶。
しかし、中国では、古来、排泄行為を他国のようにその姿を憚り他人を遮断することはなく、むしろ便所は住民同士が会話を行う一種のコミュニティの場と見なされて来た。特に地方では現在もその習慣が残っているためにこのような便所になったのである。現実に、扉がある便所でも、用便中に扉を閉めない中国人も珍しくない。
そのため、用便中であっても通路を通ったり、前で順番を待つ利用者と、挨拶を交わしたりする。これが外国人から「ニーハオトイレ」と揶揄される理由であるが、これは文化的な差異であると見なすべきであろう。また中国の伝統的な便所は、ほとんどの場合、男女別に区別されており、近年、個室水洗トイレの導入に伴い便所を男女兼用にする傾向に対して違和感を訴える市民も多い。
便器の並び方は、通路を正面に見てしゃがむか、通路を横に見てしゃがむかにより、縦溝式(通路から見た位置でこれを「横型」と言う人もいる/「地球の歩き方84-85年版」の解説など)と横溝式(同じくこれを「縦型」という人もいる)に分けられる。縦溝式には水洗式と汲み取り式があるが、汲み取り式の場合は直接便槽に排泄するタイプであり、これは農村の共同トイレなどでよく見られる。そしてこれらは溜めた屎尿を堆肥として利用することが多い。農業が適さない乾燥地帯などでは、掘られた穴の上に木板などを敷いただけで、一杯になったら穴を隣に掘りなおすといった簡易式のものもある。
横溝式はほとんどが水洗式で、個室に深さ50cm~60cmの溝があり、その間に跨って排泄する。排泄物は定期的に放水される流水によって流され、便槽に落下する仕組みとなっている。バケツやレバーを使って、用便の都度流すタイプもあり、利用者か管理人がそれを行う。学校など大がかりな施設でも設置できるのが利点だが、糞便が目詰まりしやすいとか、他の利用者が排泄した屎尿がすぐ真下を通過し、悪臭や水跳ねが発生するなど問題もある。日本でも簡易水洗式と言って古い公衆便所などで稀に見られるが、日本の場合は、便器は独立しており、汲み取り式の便槽部分が繋がっていて、そこを水で流す方法である。
更に簡易式のものでは便槽という仕組み自体を持たず、共同便所にバケツや桶などを置いているだけというものも見られる。その屎尿は家畜の飼料、堆肥などに利用される。
なお、2006年9月に内蒙古溝形式の学校便所に転落し女学生2名が死亡する事故が報じられ、旧時代の便所を改修せよとの声が高まっている( ⇒新京報Webサイト)。トルコのトイレ
トルコ式という言葉があることからもわかるように、トルコにおいて大便器はまたがり式である。小便器のほうは、日本や欧米のものとなんら変わりがない。ただし、大便器は日本のものとは異なり、いわゆる金隠しがない。また、一部外国人向けのものを除いて、用を足したあとの始末には、トイレに備え付けの取手付きの小型の容器に入った水と、左手を用い、紙は使用しない。また、便所内には、洗浄に用いる小型容器に水を供給するために、専用の蛇口が用意されていることが普通である。洗浄後、臀部をふき取ることはしないが、これは、上達すれば驚くほど少ない水量で洗浄が可能であることによるものである。この方法は痔になり難いと言われている。
トルコにおいては、一般に公衆トイレは有料である。また、地域に限らず公衆トイレはジャーミー(camii:モスク)が経営していることが多い。これらのトイレでは、多くの場合手を拭くための紙が使用後無料で渡される。また、サービスの良い一部トイレではコロンヤ(kolonya:トルコ語でコロンのこと。ほぼ全てがレモン臭)を手に振りかけてくれる場合もある。トルコ式トイレは、西ヨーロッパでも、田舎や場末のトイレではよく見られる。
この方式はインドにおいても普及している。肛門を洗う左手は不浄の手と見なされ、食品を扱ったり、握手をしたりすることはない。
日本においてはこの便器をモチーフにした製品をかつてスターライト販売が生産していた。黒色プラスチック製のたらいに足場を設けたような風貌で、便器全体を洗浄するという非常に画期的な便器であった。かつては国鉄の主要駅や全国の公衆便所でみられたが現存数は少ない。
ローマ帝国の滅亡後、インフラの劣化した中世のヨーロッパ都市では、部屋の中の出窓のように拡張された一角で、目隠しのついたてなどした中でおまるを使い、排泄物は、「水!気をつけて」の声を出してから、窓から通りに投げ捨てられた。