ごく一般的なテレビアニメ番組について、その制作過程とフォーマットを以下に述べる。
下記は特に注記が無い場合は民放テレビ局での事例を指す。
テレビアニメの場合は、アニメ制作会社もしくは広告代理店が企画をテレビ局に持ち込み、局側がそれを採用するか否かを決定する。
企画を企業に説明・宣伝し、民放テレビ局から割り当てられたCM枠にCMを出す提供スポンサーを獲得するのが広告代理店の役割である。広告代理店を経由してスポンサーから得た広告費を、テレビ局はアニメ制作会社に制作費として提供する。テレビ局への見返りは、2年間で2回の放送権と商品化権収入の一部(通常10?20%で1年限り)と言われている。
企画は大別して特定の原作を持たず、アニメそのものが原作にあたるオリジナル作品(ガンダムシリーズなど)と、漫画・ライトノベル・コンピュータゲームなどの原作者より権利を得て何らかの作品をアニメ化するものとがある。近年ではメディアミックス展開を想定した企画も多い。製作資金は、テレビ局側が放送権料の名目でその100%を負担する。近年では放送局が制作に関与せず、制作委員会制度により逆に制作会社・広告代理店側がテレビ局の放送枠を買い取る作品が急増し(主に深夜アニメやUHFアニメ、WOWOWアニメ)、このような番組は放映枠買取番組と呼ばれる。
そして、アニメ制作会社は元請けとして音声制作会社と下請けのアニメ制作会社に発注する。これが仕上がり、納品されてテレビアニメは完成する。これがテレビアニメ制作の基本的構造である。
なおテレビアニメの場合、著作権は制作プロダクションが保持したまま、放送権のみを放送局に売る。これは日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』において、制作プロダクション主宰の手塚治虫が同時に原作者でもあるという立場でもあり、自身の作品でもあるアニメ版の著作権を、放送局に売り渡すことに難色を示したところ放送局もこれを認めたため、その後も同じ方式が踏襲されていったものである。
放送局が著作権を買い取ったアニメ番組も初期には存在したが、版権ビジネスが成立しないために制作プロダクションが経営的に苦しく、現在ではほとんど存在しない。その為本放送を行った放送局の放送権が切れた後は、その放送局の系列以外でも放送される例が多い[7]。
最も一般的なテレビアニメは、1回30分の番組である。5?15分のショートアニメも存在し(主にNHK教育や独立UHF局系で放送される一部の作品)、民放キー局系でも主に早朝や午前帯にそれらを複数放送する番組も存在する(『おはスタ』『おはコロシアム』『アニメロビー』など)。
テレビ局の編成サイクルは3ヶ月(13週、1クール)を単位としているので、当然ながらテレビアニメの放送期間も3ヶ月単位である。
かつては1年単位が最も一般的で、半年から9ヶ月単位は少数派であったが、1990年代以降は状況が変化し、全日帯アニメなら半年(2クール)、深夜アニメなどは3ヶ月(1クール)を放送期間とするのが普通である(これはテレビアニメに限らずテレビドラマでも同様の傾向が大きく見られる)。
ただし放送期間は番組の視聴率や人気・関連ビジネスの状況などによって変化することも珍しくなく、半年から1年程度延長される例もあれば[8]、逆に視聴率不振などから放送期間短縮による打ち切りに至る例もある[9]。また、打ち切りに至らずとも、放送枠を早朝もしくは深夜枠に格下げされる例も少なくない[10]。
更に在京キー局およびその系列局制作アニメ作品の一部においても、時間帯を問わずに制作スケジュールなどの関係で2クール分放送後、一定期間をおいて3クール目以降を放送する手法を取る作品も現れている[11]。
一般に1クール単位の放送であるから、総放送回数も13で割り切れることが多いが、放映期間内に特別番組やスポーツ中継などの特別編成が入った場合、そうなっていないことも良くある。最近では、2002年辺りからフジテレビなどで深夜アニメ放送に関するトラブルが相次いだ事から、その防止策として企画当初から通常のクール数に応じた話数よりも、若干少なめに全放送予定回数を設定する事例も相次いでいる(中には本放送開始前、稀に本放送途中に関連特別番組を流す作品も存在する[12])。
なお、特別番組として単発放送されるテレビアニメも一時期は多数存在したが(『トンデモネズミ大活躍』『生徒諸君!』など)、現在では深夜帯で放送して後日ソフト化を前提に制作される作品[13]以外は極めて少ない(例外としては日本テレビ系列『金曜ロードショー』枠で放送の『ルパン三世TVスペシャルシリーズ』や『はじめの一歩』特別編など)。これは制作費が高くつく割にキャラクターグッズ展開などがしにくく、CM収入だけでは制作費の回収が厳しい問題などの為であるという。
民放で放送する場合、製作資金および放送費用を負担するスポンサーが必要不可欠となる。
そのスポンサーは、本来の視聴者層が子供向けの場合、食品(菓子や子供向けの加工食品)・子供向けの玩具や生活用品メーカーや教材会社などが草創期以来長年主たるスポンサーであった。
テレビアニメが特撮番組同様に草創期から子供向け番組と位置づけられていたものが殆どであった為、特にオリジナル企画作品の場合は番組スポンサーを務める玩具メーカーや食品メーカーなどとのタイアップが殆どであった。その為、スポンサー側からの要望が作品設定に多大な影響を与えた例は数知れない。これを作品に違和感なく反映させる事も担当アニメーターの力量を測るバロメーターとなっている。
しかし、子供向けアニメの広告主の多くを占める、商品単価が低く購買層も狭い子供向け商品の企業であることは、放送局にとって営業上不利となる。
20%台あるいは30%台の視聴率の子供向けアニメより、その裏番組で視聴率10%強の同時間帯で大人向けスポンサーのつく番組(クイズ・ドキュメンタリーなどでスポンサーが電子機器・製薬・事務用品など)が放送局にとっては収入面で有利な傾向であるようだ(少子化の進む近年のみならず、アニメ全盛時代のはずの1970年代といえども例外ではなかったようである)。