食用に漁獲され、重要な漁業資源となっている地方もある。地域によって様々な漁法があるが、魚やアメリカザリガニのように釣りで漁獲することもできる。肉食が強いので、釣り餌も赤虫やサシ(蛆)、ミミズなどが使われる。他にもソーセージ、魚の切り身、イカ等でも釣れる。塩茹でや唐揚げなどで食べられるが、他の淡水魚や淡水性甲殻類と同様に寄生虫を保持する可能性があり、生食はされない。
食用以外に観賞用として飼育する人もいるが、肉食性のため小魚や小型のエビを一緒に飼育すると捕食してしまう。また、多数を一緒に飼育すると共食いや喧嘩を繰り返し結局は1匹だけ残るので、1匹ずつ飼育した方がよい。
おもな種類ミナミテナガエビのメス
テナガエビ Macrobrachium nipponense (De Haan, 1849)
体長10cmほど。朝鮮半島南部、中国北岸、台湾、本州、四国、九州に分布するが、九州ではヒラテテナガエビやミナミテナガエビの方が多い。鋏脚が非常に細長く、オスでは体長の1.8倍に達する。地方によっては淡水でも成長できる陸封型となり、湖やダムで繁殖する個体群もいる。
ヒラテテナガエビ M. japonicum (De Haan, 1849)
ヤマトテナガエビともいう。体長8cmほど。千葉県以南から台湾までの水のきれいな川に生息する。川をさかのぼる力が強く、流れが速い川の上流部にも生息している。名前のとおり第2胸脚が太くて平たく、胸部の横には細い縦じまもようがたくさんある。
ミナミテナガエビ M. formosense Bate, 1868
体長10cmほど。神奈川県以南から台湾まで分布し、九州や沖縄で「テナガエビ」といえばこの種類を指すことが多い。第2胸脚はヒラテテナガエビよりは細いが、テナガエビより太くて短い。また、胸部の横のもようは太い"m"字型である。ヒラテテナガエビよりも下流域に多い。
ザラテテナガエビ M. australe (Guerin-Meneville, 1838)
体長5cmほどで、テナガエビとしては小型種。長い鋏脚の先端半分に小さな棘が密生し、ザラザラしているのでこの名がある。太平洋・インド洋の沿岸河川に広く分布し、日本では種子島以南に分布する。
ショキタテナガエビ M. shokitai Fujino et Baba, 1973
日本で唯一の完全陸封型のテナガエビで、幼生は海に下らずに稚エビになる。沖縄県西表島の固有種で、台湾や中国に分布する同様の陸封種タイリクテナガエビ M. asperulum (Von Martens, 1868) から分岐したと考えられている。名前はエビ研究者の諸喜田茂充に対する献名である。環境省レッドリスト準絶滅危惧(2000年)、沖縄県レッドデータブック絶滅危惧II類(2005年改訂)。
コンジンテナガエビ M. lar (Fabricius, 1798)
体長15cmにもなり、成長したオスは鋏脚を含めると30cmに達する大型種。オスの鋏脚は鋏部分が外側に大きく曲がる。西太平洋とインド洋の沿岸河川に分布するが、日本での分布域はトカラ列島以南である。コンジンテナガエビ
参考文献
保育社「原色日本大型甲殻類図鑑」(I) 三宅貞祥 ISBN 4-586-30062-0
南方新社「川の生き物図鑑 鹿児島の水辺から」鹿児島の自然を記録する会編 ISBN 4-931376-69-X
カテゴリ: エビ | 食用甲殻類
更新日時:2008年8月29日(金)07:04
取得日時:2008/09/01 15:36