ダーウィンは当時の多くの人と同じように人種平等主義者ではなく、また女性は能力が劣るとも考えていた。しかし一般に考えられていたのとは異なり、人種間の生物学的な差異は非常に小さいので、人種を異なる生物種と考えるべきではないと主張していた。またダーウィン家もウェッジウッド家も奴隷制度には反対しており、ダーウィン自身も反対していた。ビーグル号艦長のフィッツロイと衝突したのも奴隷制度に対する意見の相違であった。フィッツロイが「(奴隷たちが)現在の状態に満足していると答えた。だから彼らは奴隷でいて幸せなのだ」と言ったのに対し、「主人の前でそう言ったのだから、本心かどうか分からない」と答えフィッツロイの怒りを買った。ブラジルでは主人による奴隷虐待の場面に遭遇しており、ブラジルを出航するときに、奴隷虐待を二度と見ることがないのがうれしく、この国は二度と訪れないだろうと書き残している。帰国後には奴隷解放運動も支援した。
従弟のゴルトンに優生学の考えについて聞かされたときは、人種の改良のために効果があるだろうと答えたが、現実的に政策として行うことの困難さも理解していたと言われる。
宗教的には、後年に「無神論者ではなく、不可知論者というのがもっともふさわしいだろう」と述べている。典型的な手紙魔であったダーウィンは生涯で2000人と手紙による意見交換をしたが、そのうち約200人が聖職者であった。決して生物に対する神学的な見解を否定したわけではなかったが、しかしもっとも愛した長女アン・エリザベス(アニー)が献身的な介護の甲斐無く死ぬと、元来信仰心が薄かったダーウィンは「死は神や罪とは関係なく、自然現象の一つである」と確信した。
ダーウィンが死の床で信仰を告白したとか、創造論を認めたと言われることがあるが、これは後年の作り話である。彼の死の直後にホープ婦人という女性がダーウィンの最後の告白を聞いたと吹聴したが、ダーウィンの娘ヘンリエッタは、そのような人は知らず父とも会ったことがないと証言した。最後の言葉は息子フランシスに向かって言った「死ぬことは、ちっとも怖くない」だったと言われている。 また、生物の多様性について、何か偉大な存在を感じないかと問われこう答えている。 「その大きな存在は、たびたび私の考えを圧倒するのですが、しばらくすると綺麗に消えてしまうのです」
邦訳された主な著書
『種の起原<上・下>』岩波文庫 <上>ISBN 4003391241 <下>ISBN 400339125X
『図説種の起源』 リチャード・リーキー編 吉岡晶子訳 東京書籍 1997年
『人及び動物の表情について』岩波文庫(復刻版)ISBN 4003391276
『ビーグル号航海記<上・中・下>』岩波文庫 <上>ISBN 4003391217 <中>ISBN 4003391225 <下>ISBN 4003391233
『ビーグル号世界周航記 ダーウィンは何をみたか』改訂版 築地書館、1979年
『ダーウィン著作集〈1〉人間の進化と性濁汰(1)』文一総合出版 ISBN 4829901217
『ダーウィン著作集〈2〉人間の進化と性淘汰(2)』文一総合出版 ISBN 4829901225
『ダーウィン著作集〈3〉植物の受精 』ISBN 4829901233
『よじのぼり植物―その運動と習性』森北出版 ISBN 4627260709
『ミミズと土』平凡社ライブラリー ISBN 4582760562
『ダーウィン自伝』ちくま学芸文庫、筑摩書房 ISBN 4480085580
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^ 小川眞里子『甦るダーウィン』岩波書店 ISBN 978-4000023962, P.207 (注40の解説) - 原著は Trinder B. (1998) A History of Shropshire (West Sussex: Phillimore, 2nd) P.79.
^ R・ドーキンス『悪魔に使える牧師』P125
^ チャールズ・R. ダーウィン, 八杉龍一 訳『種の起源』(原著初版訳)「序言」岩波書店 ISBN 4003391241, P.12
^ 小川眞里子『甦るダーウィン』P.56
^ この批判は現代でも健在である アーノルド・C. ブラックマン『ダーウィンに消された男』朝日新聞社 1997年
^ S.J.グールド『ニワトリの羽』9章 ミミズの一世紀と常世
^ ⇒http://www.nytimes.com/learning/general/onthisday/bday/0212.html
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ディスカバー 方舟の獣たち
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自然選択(自然淘汰)
性選択(性淘汰)
進化医学(ダーウィン医学ともいう)
資本論 - 進化論が唯物史観の着想に寄与したとしてカール・マルクスから第一巻を献本された。
ダーウィンの悪夢 - ドキュメンタリー映画
⇒ダーウィンアドベンチャー(ガラパゴス諸島)
⇒ダーウィンプロジェクト(ケンブリッジ大学)
参考文献
ピーター・J. ボウラー 『チャールズ・ダーウィン : 生涯・学説・その影響』 横山輝雄訳、朝日新聞社〈朝日選書〉、1997年。