犬たちを鎖に繋いだまま置き去りにしたという事で、当時や後の映画『南極物語』公開時には当時の南極観測に関わった人々への激しい批判が起きた。だが、地球環境保護などへの見方が少なからず変化した現在では、犬の群れが放される事で事実上野生化し、それがペンギンなどを食糧として大量に消費した場合、かえって南極の自然や生態系を乱してしまう可能性があったのではないかとして、この点を鑑みればやむを得ないとする見方もある。実際、上述の通り、タロとジロがペンギンを狩る能力を持っていた事は確認されている。
SF作家の星新一は、この事件は人間側から見れば美談であるが、ペンギンの立場から見れば、獰猛な肉食動物を人間が置いていった為に大被害を受けたという悲劇ではないかと考え、この視点からショートショート作品を一編書いている。『探検隊』という題名で、1961年の作品集『ようこそ地球さん』に収録されている。また藤子・F・不二雄は、SF短編『裏町裏通り名画館』の中で、タロとジロに捕食されるアザラシの親子の苦難を描いた映画(『北極物語』)を登場させている。
なお、現在では生態系保護の為、南極に犬など外来の生物を持ち込む事はできない。
名前出身地年齢備考
アカ稚内5昭和基地で死亡
アンコ苫小牧2行方不明
クロ利尻3.5昭和基地で死亡
ゴロ稚内2昭和基地で死亡
ジャック利尻3行方不明
シロ利尻2行方不明
シロ子稚内0.5第1次越冬後、8頭の仔と共に帰国
ジロ稚内1第4次越冬中に病死
タロ稚内1第4次越冬後に帰国
テツ旭川6第1次越冬中に病死
デリー旭川5行方不明
比布のクマ比布4.5第1次越冬中に失踪
風連のクマ風連3行方不明
ペス利尻4昭和基地で死亡
ベック利尻3.5第1次越冬中に病死
ポチ利尻2.5昭和基地で死亡
モク深川2昭和基地で死亡
紋別のクマ紋別3昭和基地で死亡
リキ旭川6行方不明
注:年齢は「宗谷」出港時のもの。シロ子のみ雌、他全て雄。
参考文献
北村泰一「カラフト犬物語 生きていたタロとジロ」教育社、1982年
「タロとジロ、本当の物語 元越冬隊員が明かす「再会シーン」」毎日新聞2007年2月15日東京夕刊
リンク
⇒樺太犬タロ・ジロの一生 稚内市青少年科学館
カテゴリ: 著名な犬 | 南極 | 1955年生 | 1960年没 | 1970年没
更新日時:2008年10月5日(日)04:26
取得日時:2008/10/05 15:41