乗員が打ち上げと再突入の際に乗る、釣鐘型をした部分。1〜3人乗りで、中で乗員は足を集めるように扇形に座る。
再突入の際は格納されたパラシュートを開いて減速し、地上数mまで降下した後に、帰還船の下に取り付けられた小型逆噴射ロケットによって着地の衝撃を和らげる。
帰還船の表面はアブレータによりコーティングされている。これはちょうど接着剤が固まったようなもので、化学繊維に含浸させて固めることにより強度を維持している。軌道上で塵から帰還船を保護し、再突入時にはアブレータ自体が溶けて熱分解する際の融解熱と分解熱、および炭化したアブレータによって内部を保護する。アメリカのスペースシャトルに使われている耐熱タイルのように繰り返し使うことは出来ないが、耐熱タイルほど脆くないし、ソユーズ自体が繰り返し使うことは考えられていないため、問題はない。
なお乗員は3人と言っても、初期のソユーズは3人乗ると狭く、帰還時に宇宙服を着られなかった(2人で乗れば可能だった)。しかし、11号で帰還船の気密が漏れ、上空で乗員が3人とも窒息死する事故の後は、安全のために宇宙服を着るようにした代わりに、一時的に乗員も最大2人になった。
その後改良が進められて、1976年に登場したソユーズT型から、乗員も宇宙服を着た状態で最大3人にされた。
軌道上で一番後部にある、円筒形のモジュール。
姿勢制御ロケットや大気圏再突入の時に使う逆噴射ロケットおよびそれらの燃料タンク、さらには飛行士の生命維持のために必要な酸素や水などが搭載されている。名前の通り機械類専用のモジュールで、人が入るスペースはない。 機械船の大きな特徴は横に長い太陽電池パネルだが、ロケットにはこれが折り畳まれた状態で入っており、軌道上で横に開く。
軌道船と同じく、大気圏再突入の際に切り離され、空力加熱により燃え尽きる。
宇宙船内の空気は、地上の大気組成にほぼ等しい70%の窒素と30%の酸素の混合ガスを、1気圧に保っている。これはボストーク以来のロシアの宇宙船の伝統である。米国においてはアポロ計画までは船内気圧を減圧して100%純粋酸素を船内に充填していた。
ソユーズの打ち上げには、通常R-7(ロシア語 Р-7)というミサイルを改良した11A511型ロケットが使われる。
R-7の改良型はスプートニク1号やユーリ・ガガーリンも乗ったボストークを打ち上げた実績を持っており(前者は8K72PS、後者は8K72Kが正式な型式)、11A511も随所に改良点はあるものの、ケロシンと液体酸素を燃料としたり、第2段ロケットの周りに4本の第1段ロケットを取り付けるクラスター構成など(これはロシア側の言い方で、アメリカ側では4本のロケットは補助ロケットと呼んでいる)、基本的なシステムは初期のR-7から代々受け継がれている。
そもそもA-1やA-2を含むA型ロケットは、もともとはR型ミサイル、すなわち大陸間弾道ミサイルとして開発されたものであり、A-2から宇宙船を外せばそのまま核弾頭を搭載して北米に撃ち込むことができた。同様にアメリカでも、マーキュリー宇宙船を打ち上げたレッドストーンも短距離弾道ミサイルであったことなどから、宇宙開発がどれだけ軍拡競争と密接な関係にあったかが伺える。
なお、ソユーズを打ち上げるロケットの正式な型式は11A511だが、A-2の呼称の方がよく知られているために、以降A-2と呼ぶことにする。エンジン
周囲が第1段、中央が第2段
A-2では、第2段も第1段も、4基のメインエンジンと、その周りにある補助エンジンからなる(補助エンジンは、第2段に4基、第1段に1本あたり2基)。メインエンジンのノズルは固定されているが、補助エンジンにはジンバル機構(ノズルの向きを傾ける機構)が備わっており、これを動かすことによって発射時にロケットの姿勢や軌道をコントロールする。4基のメインエンジンとあるが、燃料を送るポンプは1つだけで、ポンプの先の燃焼室とノズルが4つになっている。こうすることで燃焼室1つあたりの圧力を下げることが出来るため、圧力に対する耐久力の設計を低く抑えられる。
そして第2段の上に第3段ロケットが搭載され、さらにその上にソユーズの各モジュールが搭載される。ソユーズのモジュールには、打ち上げ時の空気との摩擦やゴミから守るためにフェアリング(カバー)が取り付けられる。これは第1段ロケットを分離後、大気圏上層部で外される。
これら全て合わせると、最大で直径10.3m、全長49.3m、重量310トンになる。レール上を発射台に向かうソユーズ
ちなみにA-2の打ち上げでユニークなのは、打ち上げまでロケットを保持していた支柱が、ロケットエンジンに点火されると同時に花びらのように開く方式だが、こうなったのはロケットの軽量化が原因である。
第2段ロケットが、軽量化の結果第1段ロケットの重量を支えることが出来なかったため、ロケットの中ほどからトラス構造の頑丈な支柱に吊り下げられた状態で発射される。この方式はチュルパン(Tyulpan、チューリップ)発射方式と呼ばれ、レニングラード金属鋳造工場(LMZ)で設計された。ロケットのエンジンが点火され、出力が上がってロケットの重量を支えられるようになると(すなわち「エンジン出力≧重量」となると)、支柱が切り離されて花が開くように四方へ倒れこむ。この光景はロシアのロケット発射に固有の風景であり、西側のロケットには見られない。補助ロケットの重量を第1段が支えられるためである。
打ち上げから118秒後に第1段ロケットを切り離し、さらに加速。160秒後に大気圏上層部でフェアリングを分離し、さらに打ち上げから300秒で第2段を切り離し、第3段に点火。最終的に発射から583秒後、ソユーズ宇宙船が地球周回軌道に投入される。
※打ち上げロケット(A-2)についてはR-7のページも参照のこと
評価発射台上に設置されるソユーズ(バイコヌール、1975年7月15日)
現役の有人宇宙船としては最も安全で経済的であるとされ極めて高く評価されている。商業用の宇宙観光が全てソユーズで行われているのもこの為である。特に、1981年の初飛行以来2度致命的な事故を起こしたスペースシャトルに比べ、ソユーズは基本設計は古いものの、技術的に「枯れた」機体であり、既に30年以上に渡って死亡事故を起こしておらず、その信頼性は極めて高い。
スペースシャトルに比べて、ソユーズが有利だと言われている主な理由に、次のようなものが挙げられる。