1879年にスウェーデンの分析学者ラルス・ニルソンによりガドリン石から発見され、スカンジナビアにちなんで名付けられた。ほぼ同時にこれを発見したクレーヴェにより、1870年にメンデレーエフによって存在が予言されたエカホウ素と同一であることが明らかにされた。
スカンジウムの化合物
酸化スカンジウム(Sc2O3)
塩化スカンジウム(ScCl3)
硝酸スカンジウム(ScNO3)
スカンジウムは反応性と価格が共に高いため、化合物の応用法の研究開発はあまり進まなかった。このため以前は有機化学の限られた分野で触媒としてわずかに用いられるにとどまっていたが、現在は用途の拡大に伴い新素材として注目されている。その筆頭格が照明での利用で、ヨウ化スカンジウム(ScI3)を水銀灯の一種のメタルハライドランプとして使用することでより強い光を得るものである。ほかの用途としては、アルミニウム合金への添加、ニッケル・アルカリ蓄電池の陽極にスカンジウムを加えることで電圧を安定させて寿命を延ばすことや、ジルコニア磁器に酸化スカンジウムを添加することで、ひび割れを防ぐ効果があるなどの用途がある。
スカンジウムの重量比でみた主要な用途は、高機能素材であるアルミニウム−スカンジウム合金の形での、一部の航空宇宙用部品、スポーツ用品 (自転車、野球のバット、射撃、ラクロスなど) の材料である。しかしこれらの分野では、軽さや強度が近いチタンの方がはるかに多く利用されている。
スカンジウムをアルミニウムに添加すると、溶接における加熱部分での再結晶化や結晶粒成長が、大幅に抑制される。アルミニウムは面心立方構造の金属であり、粒径の縮小はそれほど強度に対する効果がない。しかし、Al3Sc が細かく分散することによって、合金中にいろいろな析出相が有るにもかかわらず、ミクロな単位で強度が増大する。本来の添加の目的は、溶接可能な構造材用合金の、加熱時の過度な結晶粒成長の抑制であるが、添加によって二つの効果が促進される。一つは他の相がより細かく析出することによる、強度の大幅な増大で、もう一つは時効硬化型合金における、粒界の非析出帯の減少である。
最初にアルミニウム-スカンジウム合金が使用されたのは、旧ソビエト連邦の一部の潜水艦発射弾道ミサイルのノーズ・コーンである。海氷を貫通してもミサイル本体が壊れないほどの強度を確保できたため、北極海での、海氷下に潜行中のミサイル発射が可能になった。
トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム( ⇒en:Scandium triflate)は、有機化学においてルイス酸触媒として用いられる。
1990年代半ばに、ジルコニアに酸化スカンジウムを4~11mol%固溶させたスカンジア安定化ジルコニアが固体酸化物燃料電池(SOFC) の電解質として東邦ガスの水谷らにより見出され、2000年になって第一稀元素化学工業の柿田らによって世界で初めて工業生産された。これまで高価と思われていたスカンジウムが市場に安価に供給されつつある。
1元素の周期表18
1H21314151617He
2LiBeBCNOFNe
3NaMg3456789101112AlSiPSClAr
4KCaScTiVCrMnFeCoNiCuZnGaGeAsSeBrKr
5RbSrYZrNbMoTcRuRhPdAgCdInSnSbTeIXe