シートベルト
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バックル

着用者をベルトにより固定、解放することができる装置。 バックルは、鉄板やウェビングなどを使ったベルトの先端部に組み込まれ、主にラップ/ショルダーベルトのタングと結合する装置。


リトラクター(巻取り装置)

ストラップ(ウェビング)の一部又は全体を収納することができる装置。


ストラップ(ウェビング)の素材

主に、引張り強さに優れたポリエステル繊維を編んで帯(ウェビング)を作り、金属製タングに通す。このタングを座席または床に取り付けられた受け側金具(バックル)へ挿入して固定させる。帯の単純引っ張り強度は30kN程度あり、普通乗用車一台を吊り上げるのに十分な強度がある。但しこの頑丈さが、事故の際の救出に障害となる場合もある(切断にはナイフが必要。では歯が立たない)。

その為、近年ではシートベルトを切断する為のナイフと、窓を割る為のハンマーがセットになった、非常用の脱出工具が市販されており、自動車のピラーや床などに取り付けることが出来る様になっている(但し、取り付ける方法によっては裏側に隠れた配線などを傷つけてしまう可能性がある為、自動車メーカーに相談をした上で取り付ける事が好ましい)。 尚、シートベルトを切る時には握りの下についた刃を使い、窓を割る時には反対側にあるハンマー(通常のハンマーと異なり打撃面が鋭利な円錐形になっており、サイドウィンドウなら一撃で破壊できる)を使う様になっている物が多い。


シートベルトに関する機構

シートベルトを着用する際の安全性と快適性の向上のために様々な機構が開発されている。


座席ベルト非装着時警報装置

運転者席のシートベルト装着を喚起するための装置。

初期警報

運転者席のシートベルトが装着されていない状態で電源を投入した際に、音または表示により警報を発する。


走行時警報(シートベルト・リマインダー)

運転者席のシートベルトが装着されていない状態で一定の速度・時間・距離を走行した際に、音または表示により警報を発する。


ベルト巻き取り装置(リトラクター)

シートベルトの着用を容易にするための装置。安全性の向上にも利用される。

非ロック式巻き取り装置(NLR;Non Locking Retractor)

通常時にベルトを巻き取り収納し、小さな力でベルトを引き出せるようにした装置。現在は、ほとんど使用されていない。


自動ロック式巻き取り装置(ALR;Automatic Locking Retractor)

非ロック式巻き取り装置の発展形。引き出したベルトを任意の位置で停止させることで自動的にロックする。ロック時は巻き取り方向にのみ動き、それ以上引き出せなくなる。現在は、ほとんど使用されていない。


緊急ロック式巻き取り装置(ELR;Emergency Locking Retractor)

自動ロック式巻き取り装置の発展形。平常時は装着者の身体の動きを阻害しないように強く拘束せず、衝突時にベルトをロックする。車体の傾き、車両の減速度、ベルトの引き出し速度を感知して作動する。ALR/ELR式を含めて現在、主流で使われている。


ALR/ELR式(Automatic/Emergency Locking Retractor)

通常はELRシートベルトとして機能するが、一定以上ベルトを引き出すことでALR式にベルトをロックする。ロックがチャイルドシートの固定を主な目的としていることから「チャイルドシート固定機能付きELR」とも呼ばれる。


その他

プリテンショナー装置

衝突を感知した際に自動的にベルトを巻き取ることで乗員の拘束開始を早める装置。単にベルトをロックするのではなく、積極的に巻き取って乗員を固定することを目的とする。火薬を発火させてその推進力で弛んだベルトを瞬時に巻き取り、衝突直後の乗員の移動量を軽減し、シートベルトの機能を高める装置。リトラクター装置につけるもの、バックルベルトにつけるもの、ラップベルトの取り付け金具に取り付けるものなどがある。


エネルギー吸収装置(フォース・リミッター/ロード・リミッター)

衝突によりシートベルトに一定の荷重がかかると、それ以上の荷重をかけないようにベルトの拘束を緩め、乗員の身体にかかる負荷を軽減する装置。ベルト巻き取り装置(リトラクター)の回転シャフトにトーション・バーを用いて衝突時にそのバーを捻ることでウェビングを数センチメーター引き出して乗員の身体にかかる負担を軽減する装置。


緊急制動時シートベルト巻き取り制御装置(急ブレーキ連動シートベルト)

ブレーキの踏み込み速度、レーダーによる進路の障害物認知などにより乗員と車両の挙動を予測し、衝突前にシートベルトの巻き取り速度を制御する。衝突前に乗員の拘束開始を行うことが目的だが、障害物の接近を運転手に警告するためにベルトの圧迫で注意喚起する機能を付加したものも存在する。


アジャスタブル・ベルト・アンカー(ハイター・アジャスター)

ショルダーストラップの肩部分について、着用者の体格に合わせて位置(高さ)を調節できる機構。車体のピラー部に取り付けられたレール・アンカーに、ショルダーベルトのスルーアンカー(ベルト通しアンカー)を結合して衝突時にシートベルトが有効に機能する位置(高さ)に固定できる。


日本における状況


設置義務

日本においては車両へのシートベルト設置について道路運送車両法に基づく道路運送車両の保安基準で定められている。

従来シートベルトは高級車におけるオプション装備という位置づけだったが、欧米でのシートベルト設置義務化の動きを受けて道路運送車両の保安基準を改正、1969年(昭和44年4月1日以降に国内で生産された普通乗用車(定員10人以下、軽自動車を除く)は運転席にシートベルトの設置を義務付けられた。(軽自動車については同年10月1日生産車から)

このシートベルトの設置義務は運転席についてのみであったが、シートベルトの設置用金具にについては全席に義務付けられており、1973年(昭和48年)12月1日以降の生産車には助手席、1975年(昭和50年)4月1日以降の生産車には後部座席にも設置が義務付けられた。

当初は腰部で身体を固定するいわゆる二点式シートベルトが一般的であったが、後に胸部も固定する三点式シートベルトが普及した。 1975年(昭和50年)4月1日以降の生産車の運転席・助手席には基本的に三点式シートベルトの設置をすることとされている。オープンカーなど一部の車については、例外として二点式シートベルトが認められていたが、1987年(昭和62年)3月1日以降はその例外も無くなっている。

1994年(平成6年)4月1日以降は後部座席の側面席、2012年(平成24年)7月1日以降は全ての座席を三点式シートベルトにすることと定められた。

なお、定員11人以上の普通乗合車(バス)については1987年(昭和62年)9月1日以降の生産車に運転席にのみ二点式シートベルトの設置、同時に着用が義務付けられている。

なお、日本の法規制上は、シートベルトは、平常時には乗員の各種動作を阻害しないように、ベルトが自由に伸縮する機構が必要である。 そのため、装着時に完全に体が固定されてしまう、主に4点式以上のアフターパーツのシートベルトに関しては、保安基準に適合せず車検にも通らない(純正のシートベルトを残していれば、車検は通るが、公道では、純正シートベルトの方を着装しなければならない)。


着用義務

日本において乗員のシートベルト着用については道路交通法により定められている。

1971年(昭和46年)6月2日施行の改定道路交通法より運転席、助手席でのシートベルト着用について努力義務を課していたが、着用義務の法制化について国会に多数の陳情が寄せられるようになったことから、1985年(昭和60年)9月1日施行の改定道路交通法により自動車高速道・自動車専用道において前席でのシートベルト着用が罰則付きで義務付けられた。(一般自動車道については翌年11月1日から)

なお、着用義務については傷病、あるいは業務上の特段の理由がある場合は適用が除外されている(詳しくは道路交通法施行令第26条の3の2及び ⇒座席ベルト装着義務の免責に係る業務を定める規則を参考のこと)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen