シンガポール
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一党独裁

人民行動党の事実上の一党独裁制ヘゲモニー政党制)。このためシンガポールは、いわゆる「開発独裁」型国家であるともいわれる。労働者党などの野党の存在は認められているが、その言論は大きく制限され、投獄や国外追放などの厳しい弾圧に晒されている。21歳以上の全国民が選挙権・被選挙権を持つ普通選挙だが、野党候補を当選させた選挙区民は、徴税面、公団住宅の改装が後回しにされるなどの“懲罰”を受ける。

また、政府による選挙干渉やゲリマンダーは日常化しており、選挙は外国からの独裁批判をかわすためのお飾りの色合いを濃くしている。このため、一般市民の政治への関心は低い。「政治的安定」を享受していると肯定する意見も一部にある。

たびたび繰り広げられる非民主的な統治方法は、リー・クアンユーが弁護士資格を持った政治家であるということから来ると思われる。つまり、「捕まらなければよい」という論理を国家元首として公にしているわけである。しかも、人民行動党は立法集団でもある。


国会国会議事堂

国会は1院制。任期5年。解散あり。定数は選挙区選出83、非選挙区選出0〜6、任命9。非選挙区選出は野党懐柔のために設けられた枠で、選挙区選出枠以外は憲法改正案、予算案の議決権を持たない。

選挙区は当初は単純小選挙区制であったが、現在は小選挙区9、定数5〜6の集団選挙区14(75議席)となっている。集団選挙区は中選挙区制の一種だが、各政党は定数一杯の候補を立てる必要があり、有権者は政党に投票するため無所属での立候補はできない。さらに、最多得票を獲得した政党が議席を総取りする方式で、人民行動党が確実に勝つための工夫が凝らされている。1997年総選挙では、チェンサン選挙区(定数5)で野党が45.2%の得票を集めたが、政府はすかさずゲリマンダーを行い選挙区割りを変更、野党の得票を分散させた。集団選挙区は、野党が定数一杯の候補者を揃えられずに擁立を見送る選挙区が多い。そのため、2001年総選挙では、人民行動党は過半数の55議席で無投票当選を決めている。選挙のたびに小選挙区は削られ、集団選挙区の割合が増えている。また、集団選挙区の定数も3から4、そして現行の5〜6と増やされている。

供託金は、候補者1人当たり13000シンガポールドルで、供託金没収点は有効得票÷定数の8分の1である。


2001年総選挙

2001年総選挙は9月28日には選挙人名簿の縦覧を開始。10月18日に議会の解散が行われ、10月25日総選挙が告示された。投票日は、9日後の11月3日であった。日程は、野党の選挙態勢を整わせないよう、極めて慌ただしく進められた。結果は、人民行動党82、労働者党1。野党議席が3に満たなかったため、非選挙区選出枠からシンガポール民主連合1人が選出された。人民行動党は、得票率75.29%で98.80%の選挙区議席を獲得している。


2006年総選挙

2006年5月6日、総選挙が投開票された。与党・人民行動党(PAP)が全84議席のうち82議席を獲得した。得票率は2001年の総選挙より8.7ポイント低下し、66.59%であった。因みに投票率は、94%で、有権者数は122万人。なお、37議席は人民行動党候補が無投票当選。選挙が行われた47議席中人民行動党が45議席を獲得した。野党は1988年以来過半数を上回る候補を立てられず、政権を争うというという意味では選挙前から「不戦敗」の状況が続いてきたが、今回は回避した。労働者党が1議席(ラウ・アキアン書記長)、シンガポール民主連合が1議席(チャム・シートン・シンガポール人民党書記長)を獲得した。

与党の得票率は、2001年の前回75.29%、2006年の今回は、8.7ポイント下がって66.59%。野党の二人はいずれも前回よりも得票率を伸ばした。人民行動党は1965年のシンガポール独立以来、単独政権を維持してきた。


外交

宗主国のイギリスや、太平洋での有力国である日本・オーストラリアなどと貿易を通じ密接な関係を持つ他、隣国であるマレーシアやインドネシアタイ王国などのASEAN諸国とも密接な関係を持っている。

しかしその反面、隣国で元々は同じ国であったマレーシアとは領土や開発問題、欧米諸国へ対する姿勢などで度々衝突しており(軍事的な衝突ではなくあくまで外交上のもの)、心理的・物理的に密接ながら複雑な関係と言える。また、ASEANの一員でありながら、欧米諸国との貿易や金融に過度に依存した都市国家であるゆえに、主な「顧客」である欧米諸国におもねる言動を取る事が多いため、マレーシア以外の他のアジア諸国とも幾度にわたり外交的な衝突を繰り返している。


軍事

兵力は陸軍50,000、海軍9,000、空軍13,500の計72,500名。徴兵制により、男子に2年間の兵役を義務付けており、兵役終了後は予備役に編入され、有事の際は総動員体制となる。2006年の軍事予算は100.5億シンガポールドルで、全歳出に占める割合は22.5パーセントである。

陸軍はイギリス製センチュリオン戦車約100両(旧式)およびドイツ製レオパルト2戦車(現在132両)を保有している。海軍は潜水艦は4隻、ラファイエット級1隻を含むフリゲート6隻、ドイツ巡洋艦6隻を保有する。空軍は米国製戦闘機F-5を45機、F-16C/D(Block52)を62機、F-15SGを保有し、2010年以降は第五世代のステルス戦闘機F-35が順次導入され、F-5を置き換えていく予定である。東南アジアの中では、無視できない軍事勢力でもある。シンガポールの国際的発言力は、経済・軍事両面での強さに裏づけされているとも言える。


対外軍事協力

イギリスの要塞であった歴史的経緯から、現在もイギリス軍と密接な関係にある。イギリスは1967年にスエズ以東からの撤退を宣言したが、これに対応するための枠組みとして、1971年に、シンガポールの他、マレーシア、ニュージーランドオーストラリアとともに五ヵ国防衛取極めを締結した。当初は、防空システムに関する協力から始まったが、後に空軍だけではなく海軍の合同演習も行われるようになった。

また、冷戦を通じてアメリカ軍との関係も深まっており、1990年にはアメリカ軍によるシンガポール国内施設の使用に関する覚書を締結した。シンガポール軍の装備も、アメリカ製が多い。特に空軍の歴代主力戦闘機は、アメリカ製で占められてきた。F-35戦闘機の開発計画においても、最も低いレベルだが優先的に輸出枠を確保できる“Security Cooperation Participation”として参加している。

このほか、中華民国との間で「星光計画」と呼ばれる協力関係が1975年以来続いている。これは、シンガポールの国土が狭いため、当時のリークアンユー首相と蒋経国総統の間で、シンガポール陸軍部隊の訓練を中華民国内で行うことなどを取り決めたものである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen