サンスクリット語
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発音と文法

サンスクリットの表記には時代・地域によって多様な文字が使用された。例えば日本では伝統的に悉曇文字(シッダマートリカー文字の一種。いわゆる「梵字」)が使われてきたし、南インドではグランタ文字による筆記が、その使用者は少なくなったものの現在も伝えられている。

ここでは現在最も一般的なデーヴァナーガリー文字を用いることとする。

母音? a? aa? i? ii? u? uu? R? RR
? L? LL? e? ai? o? au?? aM?? aH


記号は標準的でないが、ウィキペディア日本版では一応この正書法をとる(京都・ハーバード方式)。

子音無声・無気無声・帯気有声・無気有声・帯気鼻音
軟口蓋音? ka? kha? ga? gha? Ga
硬口蓋音? ca? cha? ja? jha? Ja
反舌音? Ta? Tha? Da? Dha? Na
歯音? ta? tha? da? dha? na
舌音? pa? pha? ba? bha? ma

半母音? ya? ra? la? va
歯擦音? za? Sa? sa
気音? ha


文法

名詞男性、女性、中性に分かれ、単数、両数(双数、dual)、複数の区別とに応じて曲用する。格は主格呼格(よびかけ)、対格具格(…によって)、為格(…の為に)、奪格(…から)、属格(…の、に属する)、処格(…で、において)の八つある。つまり、一つの名詞は24通りの曲用を考えうる。

曲用は規則的なものに限っても性・語幹の末尾によって多くの場合に分かれ、複雑である。

動詞活用は、動詞の種類によって伝統的に10種に分けられている。注記すべきこととして、能動態受動態の他に、反射態という、行為者自身のために行われることを表すが存在する。これはギリシア語の中態に相当する。また、アオリスト相も存在する。


著名な文学・哲学・宗教文献

ヴェーダ関係(シュルティ、天啓文学)

ヴェーダ聖典

リグ・ヴェーダ

サーマ・ヴェーダ

ヤジュル・ヴェーダ

アタルヴァ・ヴェーダ


ブラーフマナ

アーラニヤカ(森林書)

ウパニシャッド(奥義書)

チャーンドーキヤ・ウパニシャッド

ブリハッドアーラニヤカ・ウパニシャッド

アイタレーヤ・ウパニシャッド

イーシャー・ウパニシャッド

カウシータキー・ウパニシャッド

ケーナ・ウパニシャッド

ターイッティーリャ・ウパニシャッド

カータカ・ウパニシャッド

シヴェーターシヴァタラ・ウパニシャッド



叙事詩関係

マハーバーラタ

バガヴァッド・ギーター

ナラ王物語

ハリ・ヴァンシャ


ラーマーヤナ


ダルマ・シャーストラ関係

マヌ法典

ヤージュニャヴァルキヤ法典


アルタ・シャーストラ(実利論)

カーマ・スートラ

ナーティヤ・シャーストラ(演劇論)

ヴァーストゥ・シャーストラ(建築論)

哲学関係

ヴァイシェーシカ・スートラ

ヨーガ・スートラ

ニヤーヤ・スートラ

ミーマーンサー・スートラ

ブラフマ・スートラ

サルヴァ・ダルシャナ・サングラーハ(全哲学綱要)


カーリダーサによる戯曲

その他仏教文献(般若経法華経など。ただし、インド仏教の衰滅に伴い散逸してしまったものも多く、チベット語訳や漢語訳にしか残っていないものが多い。)


梵語 - 仏教での伝播、日本での一般認識

仏教では最初、ヴェーダ文献の聖性を否定し、より民衆に近い水準の言葉で文献が書かれたため、サンスクリットが使われることはなかったが、大体紀元の前後を境にして徐々にサンスクリットが取り入れられ、仏教の各国への伝播とともに、サンスクリットも東アジアの多くの国々へ伝えられた。

日本は中国経由で、仏教、仏典とともにサンスクリットにまつわる知識や単語などを取り入れてきた。その時期は非常に古く、すくなくとも真言宗の開祖空海まではさかのぼれる。

実際に、日本で使われる仏教用語の多くはサンスクリット由来であり(""、"和尚"、"南無阿弥陀仏"、"卒塔婆"など無数にある)、"檀那(旦那)"など日常語化しているものもある。

また、経典のうち陀羅尼(だらに、ダーラニー)、真言マントラ)は漢訳されず、サンスクリットを音写した漢字で表記され、サンスクリット音のまま直接読誦される。陀羅尼は現代日本のいくつかの文学作品にも登場する(泉鏡花「高野聖」など)。

卒塔婆や護符などに描かれる梵字は、サンスクリットに由来する文字である。(ただし、一般的なデーヴァナーガリーとは多少異なる悉曇(しったん、シッダーム)文字に由来している。)

日本語五十音図の排列は、日本語のほうが子音の種類がずっと少ないという点を除けば、サンスクリットの伝統的な音韻表の排列にそっくり倣って作られたものである。


印欧語族としてのサンスクリット

サンスクリットはインド・ヨーロッパ語族(印欧語族)に属する言語である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki