外見上の特徴として、長身、金髪、青色の目、白色の肌、角ばった頬、毛深い等が想像されることが多い。だがこうした外見上の特徴とされる物の多くはステレオタイプなイメージに過ぎず、そもそも民族は必ずしも人種的・生物的特徴を規定する物ではないため、ゲルマン系であると言っても上記の様な特徴を持つとは限らない。
古来からの様々なイメージからゲルマニア出身者は金髪を持つ者が多いとされていた。しかし中世ヨーロッパに活躍したヴァイキングには黒髪や赤髪の者も多く含まれていたと言われる。そもそも金髪は年を経るごとに黒ずみ色素を失っていく為、幼少期には金髪の者も青年期には異なる髪の色に変化する事も別段珍しくない。
ゲルマン人の直系を自負する事の多いドイツ人も金髪より黒髪や茶髪の方が割合として多く[1]、金髪をゲルマン人の典型的特徴とし、人種政策における重要な要素としたナチスのアドルフ・ヒトラーも黒髪であった。「ゲルマン民族」との連続性とその証としての金髪を重んじるグループの指導者が黒髪である事は当時から奇妙な矛盾と捉えられていたらしく、「理想的アーリア人とはヒトラーのように金髪で、ゲーリングのようにスマートで、ゲッベルスのように背が高いこと」という有名なジョークが存在する。
言語により東ゲルマン、北ゲルマン、西ゲルマンの三つに分類される。東ゲルマン語はすでに死滅している。→ ゲルマン語派参照。
東方ゲルマン
ブルグンド人(ブルゴーニュとも)
東ゴート人 ※東ゴート人も西ゴート人も元々同民族(ゴート人)。
西ゴート人
ヴァンダル人(スラブ系との説もある)
西方ゲルマン
アングロ・サクソン人(イングランド人の祖)
アングル人
サクソン人(ザクセンとも)
アラマニ人(アレマン・アルマーニュとも)
フリース人(オランダ人の祖) ※現在フリース人は少数民族で、今のオランダ人を形作るのは、ドイツ系低地地方の住民である。
北方ゲルマン
デーン人(デンマーク人の祖)
ノルマン人(スウェーデン・ノルウェー人の祖) ※スウェーデン(Sverige)人の祖先は、故ドイツのスヴェリ族とも言われている。
ノール人(ノルウェー人)
スヴェーア人(スヴェリ族→スウェーデン人)
ルーシ族(ルーシ)
ノース人
南方ゲルマン
詳細不明。
⇒英語版によれば、北方ゲルマンの対立概念とされている。
最も広義には北方ゲルマンを除くすべてである。しかしながら、西方ゲルマンのうち「北海ゲルマン」とされるアングロ・サクソン人やフリース人は起源が北方ゲルマンに近いものとされ、除外されることが多い。
東方ゲルマンも一般には含まない。英語版のゲルマン諸語の分岐を示す図の載ったページでは東方ゲルマンを南方ゲルマンに含め、アングロ・フリジア語を南北いずれにも属さない独立の分枝としていたが、最近の修正では東方ゲルマンは除外されている。一方上記南方ゲルマンのページでは東方ゲルマンを北方ゲルマンに含める案が記載されている。
また、大陸で膨張した後の低地サクソン人(フランク人と近縁なウェーザー・ライン系諸小部族の要素が濃い)も含めるかどうか微妙なところがある。
故に、狭義では種族史的な観点からフランク人と、南下したエルベ系諸族(アレマン、バイエルン、イタリアへ向ったランゴバルドなど)を含むが、言語分類の見地からはさらに狭く、高地ドイツ語地域に限定する場合が多い。
不明
マルコマンニ人(ケルト系との説もある)※北方からのローマ帝国侵入を図り、マルクス・アウレリウスとのマルコマンニ戦争でやぶれた。
ロンバルド人(ランゴバルド人) ※ランゴバルド史では、今日のデンマークの北方、スカンディナヴィア半島から移住して来たと記されている。
ユート人(ジュート人) ※現在のデンマークからイギリスに移動し、アングロサクソン人と同化した。英国人とユダヤ人を同祖とみなす空想的な人々は、このユート人を、イスラエルの失われた10支族の末裔と考えた。
アングロサクソン人に近縁として西方ゲルマンに含める場合が多いが、既にスウェーデン方面から来住していたデーン系に圧迫される過程で混血もみられたと考えられる。
フランク人 西方ゲルマンに分類されるが、厳密には民族ではない。
関連項目
イギリス人
ドイツ人
スウェーデン人
ノルウェー人
デンマーク人
ゲルマン法
ゲルマン民族の大移動
バラモン
ヴァイキング→ノルマン人
サガ
北欧神話
アーリア人
アーリアン学説
ルーン文字
民族移動時代
インド・ヨーロッパ語族