グリーン車
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車両設備

基本的には、座席間隔が普通車のそれに比べ広い、ないしは腰掛の横幅が広い物を用いていることが多い。また、腰掛自体もジョイフルトレイン個室の類を除いて、一般にリクライニング機構を装備した回転式クロスシートを用いている。グリーン車の設備には特別二等車を源流に持つ特急急行用と、「並ロ」、「並二」と呼ばれた一般の二等車を源流に持つ普通列車用の2系統があり、普通列車用の設備は特急・急行用に比べて簡素で、利用料金もそれぞれ別個に設定されている。

なお、特別席という観点から本席を先頭車に設定し、運転席後ろの仕切りをガラス張りにして「パノラマ型」にしたものや2階建て車両の上部に設定する場合もある。先頭車に設定する理由としては、トイレの利用などで車内を通り抜けるだけの乗客がむやみに入らないようにする目的もある。他方、編成の長い東海道山陽新幹線では、乗客が乗降時に駅ホームの端まで歩かなくてすむ(なるべく駅の階段やエレベーターが近くなる)よう、グリーン車車両を編成中央に連結している。


特急・急行用グリーン車(185系サロ185)のリクライニングシート

特急・急行用グリーン車の源流となるのは、1950年に製造された初の特別二等車「スロ60形」である。翌1951年に製造された「スロ53形」では、後の特急・急行用グリーン車の標準様式となる座席間隔(シートピッチ)1,160mm、20m級全室車の場合定員48人が確立された。この様式は、1986年の国鉄最末期に製造されたキロハ186形にまで踏襲されている。

1987年国鉄分割民営化後は、標準化を旨とした国鉄時代と異なり、国鉄を引き継いだJR旅客鉄道会社が線区や列車の事情に応じた設備のグリーン車を製造し、あるいは既存車を改造したことにより、その設備は一気に多様化した。従来は2+2人掛けの4列配置が一般的であった座席配置も、観光需要の多い路線、列車を中心に1+2人掛けの3列配置が採用され、中には個室を設置する列車も現れた。

座席についても、従来からの標準であったリクライニング機構やフットレストのみならず、レッグレストを設置したり、各席にテレビを設置したり、音楽を配信するオーディオ・ヴィジュアルサービスを提供するものまでが出現した。サービス面でもフリードリンクや雑誌の提供、旅客機のキャビン・アテンダントを真似た女性客室乗務員の乗務など、内容の向上が見られる。


普通列車用113系サロ110形1200番台とサロ124形E231系サロE231形1000番台(後方にサロE230形1000番台もある)

普通列車用グリーン車については、通勤輸送に使用されるという性格上、座席定員の確保も重要な条件であり、特急・急行用のものとは、また異なった発展を遂げた。設備としては、特急用の普通車レベルが標準であり、定員は60人前後である。また、座席は、特急用普通車の設備向上に伴って変遷して来た。中には特急・急行用車両のグリーン車を転用したり、それら並みの設備を持って新製されたものもあるが、あくまで例外的なものであり、早期に淘汰の対象となっている。

1950年代以前の二等車には、転換クロスシートのものと座席間隔を大きくとったボックスシートのものがあったが、1960年代以降には回転クロスシートが一般的となった。1973年には、グリーン車の設備向上を狙って急行形並みの設備を持ったサロ113形が新製されたが、定員の減少のため乗客の評判が悪く、早期の転出を余儀なくされている。その反省から、定員を60人に増やし簡易リクライニングシートを装備したサロ110形1200番台1976年から製造され、以後の標準形となった。

なお、1980年代以降、グリーン車が連結されている東海道本線横須賀線では、通勤ラッシュ時を中心に乗車定員を上回る乗車が見られ、グリーン車であるにもかかわらず立席乗車が恒常化していたため、さらなる座席定員増加を狙って国鉄分割民営化後には2階建て構造で製造されている。この素地を作った車両としては、サロ212・213形及びサロ124・125形とされている。これにより、座席定員は実に1.5倍の90人に増加され、これ以降製造される車両の標準形となっている。


グリーン個室

成田エクスプレス」(JR東日本253系電車)、「スーパービュー踊り子」(JR東日本251系電車)、「スペーシアきぬがわ」(東武100系電車)、またかつての新幹線100系電車等には、個室グリーン席があり、個室単位で座席が販売される。コンパートメント席も参照。


その他のグリーン車

上記のほか、1970年代から1980年代にかけて国鉄・JRに登場したお座敷列車(畳敷きの和風車両)、欧風列車などのいわゆるジョイフルトレインも大半がグリーン車として設定されていた。2000年代でも和風車両のほとんどはグリーン車扱いとなっているが、一部例外もある。

また、一般用の列車においても、和風車両などをグリーン席として指定した事例がある。例えば、1985年から1989年まで食堂車を改造した和風車両に「だんらん」の愛称を与え、エル特急「雷鳥」に連結された。

また、新幹線E954形500系900番台等の試験用新幹線電車にも、営業列車として使われないにも関わらずグリーン車が設定されていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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