もっともフナに近い品種。丈夫で飼いやすい種類が多い。
ワキン(和金、和錦)
中国から来た最初のキンギョ。フナに近い体型。もっとも手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。観賞用としては、更紗模様の三つ尾のものが好まれる。和金の子供で、体長3cm前後のものを小赤、5cm前後のものを姉金と称することもあり、縁日の金魚すくいなどでよく見られるほか、大型肉食性魚の生き餌として使われることもある。フナに一番近い金魚のため、平均寿命も金魚の中で最も高い。フナに近いため明治時代には食用としての研究もされている。
アメリカから逆輸入という形で日本に入ってきたキンギョ。水産試験場の池で、日本から輸入されたフナやリュウキンなどが自然交配を重ねた結果生まれた品種。ワキンの様に細長い体にすらりと伸びた鰭が美しい。吹き流し尾と呼ばれる長い尾をなびかせて素早く泳ぐ姿が彗星を連想させるためにこの名が付いた。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。
ショウナイキンギョ(庄内金魚)
大正時代に山形県の庄内地方で生み出された品種。体色は赤一色か更紗。一見コメットに似るが体型はいくぶんか丸みを帯びており、尾びれの張りもあまり強くない。寒冷な気候に非常に強く、丈夫な品種。
シュブンキン(朱文金、朱文錦)
サンショクデメキンとの交配により、キャリコ柄になった品種。体型はコメットに近く、長く伸びた各鰭が特徴。手に入りやすく、丈夫で飼いやすい品種。なお、イギリスには特徴的な尾を持つブリストルシュブンキン(Bristol shubunkin)という品種のみを、熱心に飼育する愛好会も数多く存在する。
ジキン(地金、地錦)
ワキンの突然変異により、尾がX状に開いた(孔雀尾)品種。六鱗(ロクリン)とも呼ばれる。愛知県の天然記念物で、美しい体色を引き出すために人為的にうろこを剥いだり薬品を塗布するなどの方法で調色が行われる。ワキン系の品種ではあるが、体質は弱く、飼育は非常に難しい。三河地方ではずんぐりとした体型で、尾張地方では笹葉のような長手の個体が多い。
シュブンキンとエドジキンの交配により近年生み出されたキンギョ。見た目はシュブンキンに近いが、尾は四つ尾であり、成長するに従い、更に大きく長く伸びるひれが特徴。まだ流通量が少ないため、とても珍しい品種。
朱文金
ワキンの変異種。体調が短く丸みを帯び、尖った頭・豪華な尾が特徴。
リュウキン(琉金、琉錦)
琉球経由で中国より渡来したことにより、この名がある。ワキン同様、手に入れやすく丈夫で飼いやすい。最も金魚的というか、金魚のイメージの基本とも言えるもので、金魚のイラストの多くはこれをモチーフにしている。 シュブンキン同様、キャリコ柄もある。
タマサバ(玉サバ)
錦鯉の産地として知られる新潟県中越地方で生み出された品種。ずんぐりとした体型に、コメットのような長い吹き流し尾を持っているのが特徴。リュウキン系の品種であるが、動きはワキン並みに機敏。「錦鯉と一緒に泳げるキンギョ」として、池などで飼育されていることも多い。たまに金魚すくいでも見られる。 派生品種としてさらに尾を短くして、体を丸くしたフクダルマ(福だるま)がある。
高知県の天然記念物。尾が反転している(そり尾)のが特徴。当歳魚はすり鉢型の容器で飼育され、ふちに沿って泳ぐことにより、この独特な尾が形成される。但し、この尾のために泳ぎが上手ではない上に水質の変化にも敏感なため、飼育は非常に難しい。他種との混泳も避けた方がよい。リュウキンとオオサカランチュウとの交配により作出されたという説もある。
トサキンとアズマニシキの交配により近年生み出された品種。トサキンに似た体型と透明鱗の白い体色、3つ尾が特徴。
キャリコ琉金
背びれが無くなってしまった品種。尾びれが短く、体型は丸く、頭に肉瘤が発達する品種が多い。
(関東)ランチュウ(蘭鋳、蘭虫、卵虫)ランチュウ
ワキンが品種改良された高級魚。高いものは10万円単位で30万~50万円程度にも上るものある。丸みを帯びた体型と頭部の肉瘤が美しい。水質の悪化に敏感で体質的にはやや弱い面がある(ランチュウ養殖の宗家では、十分にプランクトンの繁殖した水での単独飼育を推奨された)。本来はオレンジ一色か、オレンジと白の更紗模様だが、最近では、クロランチュウ・シロランチュウなども出回っている。
別称は模様魚、関西蘭鋳。大阪府など近畿地方を中心に飼育されているランチュウ。関東のものよりも頭部が小さく、肉瘤もあまり発達しないのが特徴で小さい花房がある。体色は更紗か、ジキンのような六鱗柄が好まれる。1903年(明治36年)に鳥取県米子市在住の三好音次郎が発刊した『金魚問答』には本品種の更紗斑図は24列挙されており、現在この品種を手掛けている篤志家諸氏の大きな指標となっている。この品種の最も大きな特徴は尾である。体軸に対して平行についているとされる『尾先の割れない平付け丸尾』であり、この尾の作出および維持には困難を要する。明らかに遊泳に不適当と思える尾であるから、老熟魚においてスム-ズに遊泳を保っている個体群はほんの一握りであることも確認されている。