キリスト教
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プロテスタントの展開

プロテスタントではルター派がドイツ北部や北欧に広がり、それとは別にカルヴァンの影響を受けて改革派教会カルヴァン主義)が大陸で展開した。そしてジョン・ノックススコットランドを経由した長老派教会はイギリスやアメリカにも広がった。また、イギリスではイングランド国教会(聖公会)が1534年にカトリックから分離しておりプロテスタントに分類されている。

またアメリカ合衆国では建国以来、信教の自由を保障したことと移民を広く受け入れてきたことからプロテスタント系諸教派が競い合って、多様なキリスト教信仰が展開している。教派を跨る形で大覚醒(Great Awakening)を代表とする信仰復興運動、再臨運動、異言を伴うペンテコステ運動などが起こり、これが新たな教派を形成し、ヨーロッパなどにも波及した。

さらにマックス・ヴェーバーの有名な学説『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が指摘したように、ピューリタン(主に長老派信徒)の影響が強いイギリスとアメリカで資本主義が驚異的に発展する。そして、それらの富める国力とアメリカで勃興した信仰復興運動を背景にプロテスタントも19世紀頃から海外宣教に積極的に乗り出していくことになる。

20世紀初頭、アメリカ合衆国ではドイツに発した自由主義神学の是非を巡ってプロテスタント教派間で教義論争(メイチェン論争など)が行われ、自由主義神学(リベラリズム)を採用する主流各教派(メインライン)と、聖書の無誤無謬を主張した福音主義ファンダメンタリズム根本主義など)とに教派が二分された。しばらくの間メインライン(長老派ルター派メソジスト聖公会)は多数派として政治的主導権を有していたがベトナム戦争が膠着化した1970年代頃のカウンターカルチャー(対抗文化運動)の興勢の中で影響を減じて世俗化し、信者は現在減少傾向にある。

その一方で福音派は、ビリー・グラハムに代表される大衆伝道者などが大規模な伝道集会や聖会、テレビなどのメディアで多くの改宗者を獲得し、第四次大覚醒とも呼ばれている。1980年代以降はキリスト教右派と呼ばれる勢力が政治的な影響力を誇るようになった。彼らの多くは創造論を奉じて進化論を『聖書』と矛盾するものとして退ける。また福音派、キリスト教根本主義、キリスト教右派、ローマ・カトリックは社会問題となっている妊娠中絶に反対している。福音派は大宣教命令から、海外布教とりわけ東欧圏・アジア・アフリカなどでの活動にも熱心である。一方、ペンテコステ派のジム・ベーカーなどに見られるように、大衆伝道者が性的スキャンダルを引き起こす例があった。モラル・マジョリティはレーガン大統領の当選に貢献したが、その態度は2008年の共和党大統領候補McCainから"agent of intolerance"として批判された。またMcCainはこのような伝道者による支持表明を拒絶することを余儀なくされた。

このように福音派を中心とする教派は勢力を拡大しているが、アメリカのプロテスタント総体は衰退傾向にある。また、1960年代の公民権運動の頃から、マルコムXなどアフリカ系市民イスラームへ改宗する運動も少数派ながらも続いている。アメリカにおける近現代史の詳細についてはアメリカ合衆国の現代キリスト教も参照されたい。


正教会の展開

詳細はロシア正教会ギリシャ正教会ルーマニア正教会をそれぞれ参照

ここではロシア正教会と、ギリシャも含めたバルカン半島における正教会の、近現代史の一部概要のみを記す[50]

ピョートル大帝以降のロマノフ朝の西欧型近代化政策により、ロシア正教会は国家の保護に入ると共に国家の強力な統制を受ける事となった。1721年にはモスクワ総主教座が廃止される。このような統制下でも、18世紀後半にはアトス山から正教修道精神の復興が起きた事も影響し、ロシア正教会の修道精神はなお盛んであった。この頃の著名な修道士にサロフの聖セラフィムなどがいる。

西方教会の影響を脱し正教の伝統的な精神を復興する事が企図された、正教聖師父の信仰を伝える書『フィロカリア』が1792年に出版されると、1793年には教会スラヴ語に翻訳され、ロシア正教会の精神的な再生に寄与した[51]1931年スターリンの命令によって爆破され、崩れゆく救世主ハリストス大聖堂

20世紀になると共産主義革命によってロシア正教は大きな打撃を受け厳しい状況を耐え忍ぶことになった[52]。弾圧の程度は時期により強弱はあったものの、恒常的に教会は強力な弾圧の下にあった。聖堂外で司祭が祭服を着用して儀礼を行う事は許されず、墓地で正教会の司祭が埋葬の祈りを行う事すらも禁じられていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Smilegreen