キノコ
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生育場所キノコの多くは植物やその遺骸を基質としているが、中には動物のなどの排泄物や死骸を基質とするものや、他種のキノコを基質にするものもある。また、植物の根と菌根と呼ばれる器官を形成して共生し、植物から同化産物を供給されて成育するものもある。通常目にするキノコの多くは地上に発生しているが、トリュフのように完全に地下に埋没した状態で発生するもの(地下性菌)もある。地域としては森林草原に発生するものが多い。一般にキノコは日陰や湿ったところに生えると言われ、実際にそういうところで眼にする場合が多い。しかし、キノコの側からすれば、これはやや異なる。というのは、地下性のものを除けば、キノコの形成には光が必要な場合が多いのである。これは、キノコが胞子を外界に飛ばすためのしくみであることを考えれば当然と言える。朽ち木の中の閉じた空洞で胞子を飛ばしても仕方がないので外に開かれた場所にキノコを作る必要がある。しかし菌糸の生育できる場所が湿ったところである場合が多いので、その中で明るい開けたところに出てきてキノコを作っても、周囲に比べるとやはり暗く湿ったところに成らざるを得ない、というのが本当のところである。真っ暗なところでできたキノコはびん栽培のエノキタケに見られるように、モヤシのようにしか育たない。


形態と構造柄が無く層状の形となるサルノコシカケの仲間キノコの形態は多様である。担子菌に属するキノコは、シイタケなどのように、柄の上に傘が広がり、その裏面にひだがあるという、いかにもキノコらしい形態をしたものも多いが、それだけでなく、サルノコシカケ類などのように柄のないもの、ホコリタケ類やトリュフなどのように球形に近いもの、コウヤクタケ科のキノコなどのようにほとんど不定形のものまである。また、腹菌類に属するキノコには、奇抜な形のものが多い。キクラゲなどのキノコは寒天のような質感をもつので、まとめて膠質菌(Jelly fungi)といわれることある。子嚢菌の場合、よく見かけられるのはチャワンタケと言われる、お椀型が上を向いており、その内側で胞子を作る型のものがよく知られる。アミガサタケは太い柄の上にお椀が多数並んだものである。しかし、多くの種はごく小さな球形のキノコを作り、あるいはそれを基質中に埋まった形で作るため、ほとんど目につかない。地中性のものでは、球形や楕円形のものが多く、内部に胞子の塊を作る例が多い。形態からはその属する分類群がわからない場合もある。当然ながらキノコを形成しているのは菌類の細胞であるが、菌糸と呼ばれる通常の細胞だけではなく、ベニタケ科の多くに見られる類球形の細胞など、平常の菌糸体には見られない独特の形態を持つ細胞を含むことが多い。キノコ自体の水分は90%である。


キノコの部分名称

キノコの部位参照


同定についてキノコ類の同定は、簡単ではない。上の各部名称に記されたような様々な特徴において分類され、それを頼りに同定するのであるが、元来キノコは菌類であり、カビと同じような微細な仕組みの生物であることを忘れてはならない。それが多数積み重なって肉眼的な構造を取ってはいるが、カビと同様に微生物としての目に見えない部分の特徴が実は重要であり、たとえば胞子や担子器などを顕微鏡で見なければ本当に正しい同定はできないものと考えるべきである。もちろん、熟練したものは顕微鏡を使わずとも、大抵の同定を正しく行えるが、これはその地域に出現するであろう類似種や近似種の区別をすでに知っているからできることである。菌類図鑑もいろいろあるが、外形の写真だけの図鑑での同定は基本的には正しくできない可能性があるものと考えなければならない。


機能菌類にとってのキノコの意義は、既に述べたように胞子の散布にある。多くのキノコでは、空中に胞子を飛ばし、風による散布を行なっている。傘の下を透かしてみると、胞子が粉のように降ってくるのを見る場合がある。しかし中には、ハエトリシメジのように特異な匂いなどによって昆虫などの動物を誘引して胞子の散布を行なっていると考えられているものもある。スッポンタケやキヌガサタケは糞便に近い悪臭がして、ハエ類が集まる。また、多くのキノコが昆虫やほ乳類などの餌になっていることも、その胞子散布と関係があるとも考えられる。


キノコにかかわる動物キノコを食べる動物はヒト以外にも多い。国外では、リスなどがキノコを木の枝先にかけて乾かし、冬の食料とする例も知られる。昆虫にもキノコを食べるものは数多い。名前にキノコをつけてあるものにコウチュウ目でオオキノコムシ科・デオキノコムシ科・コキノコムシ科があり、それらに所属するものの多くがキノコを餌として、そこに生活している。他にゴミムシダマシ科にもキノコを食うものは多い。ハエ目にはキノコバエ科・チャボキノコバエ科・ツノキノコバエ科・ホソキノコバエ科・クロキノコバエ科などがある。ナメクジ、カタツムリにもキノコを食べるものがあり、特にナメクジは露地栽培や林地栽培を行う生産者にとって厄介な害虫になっている。他に、トリコデルマなどの不完全菌はキノコを攻撃するものがある。熱帯域に分布するいわゆる高等シロアリ類や、南北アメリカ大陸に生息するハキリアリ(英語で「リーフカッティング・アンツ」)の仲間は、キノコを育て菌胞を餌として利用する物がある。[1]


食物としてのキノコ


歴史食用としての歴史は古く、古代ローマ時代から色々なキノコ料理があった。また、日本においても古くから身近な存在であったことが縄文時代遺跡から出土した「きのこ型土製品」により伺い知ることができる。現在世界では一年間に800万tが食べられている。


食用キノコの例ハタケシメジ老菌(篠山市浜谷池奥シイタケエノキタケシメジ類、マイタケナメコツクリタケ(マッシュルーム)のように、非常によく食べられており、栽培も行なわれている食用キノコがある。最近では、エリンギやヤマブシタケの栽培も増えている。また、マツタケのように、栽培には成功していないが、大量に輸入されていたり、トリュフのように高価で珍重されるキノコもある。キヌガサタケは高級な中国料理の材料として扱われていたが、すでに中国で栽培されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki