ガリレオ・ガリレイ
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裁判の検証

この裁判には疑問が多いことから、20世紀になって検証が行われた。第1の大きな疑問は、1616年の判決が2種類あり、内容がまったく逆であること。第2には、『天文対話』の発刊にはローマ教皇庁から正式の許可があったにもかかわらず、発刊をもって異端の理由とされたことである。

Giorgio di Santillana によれば、有罪の裁判記録そのものが、検邪聖省自身が偽造したものであった。もちろんこれを直ちに信じるわけにはいかないが、無罪の判決文が無効という証拠がいまだ見つからないことと、第2の理由もこれにより説明がつくことから、署名のない有罪の判決文は偽造であるという考えが強くなっている。ただし、この1616年の有罪の判決文が偽造であるという説については、偽造した者が誰なのか未だにわかっていないということもあり、ただちにこれを認めることはできないという主張がある。

このほか、次のような説もある。
そもそも、1616年の裁判は存在しない。これは、当時ガリレオは告発も起訴もされていないということを根拠にしている。この説に基づくと、ベラルミーノがガリレオを呼び出したのは、今度、地動説を禁止する布告が出る、ということをガリレオに伝えるためであった。その後、ベラルミーノがガリレオを呼び出し、何らかの有罪判決を下した、という噂が広まったため、困ったガリレオがベラルミーノに無罪の判決文(正確には、ガリレオは何の有罪の判決も受けていないという証明書)を作ってもらった、という。

1616年の裁判の署名のない有罪の判決文(らしきもの)は、ベラルミーノが判決を言い渡したときに、同席した者がベラルミーノの口頭での発言を記述したものである(同席者がいたことはガリレオも認めている)。ただしこの説でも、記述した者の名が明らかでない。また、担当判事の署名がない以上、有効な文書でないという事実にかわりはない。

1616年の裁判の署名のない有罪の判決文(らしきもの)は、裁判の成り行きに合わせてあらかじめ用意されたもので、あとはベラルミーノの署名を書き足すだけで有効になるよう、先に作られていたものだった。しかし、結局、ガリレオは有罪とならなかったため、この文書にベラルミーノの署名はされなかった。ただし文書はローマ教皇庁に残され、第2回の裁判で証拠とされた。


ローマ教皇庁の対応

1965年にローマ教皇パウロ6世がこの裁判に言及したことを発端に、裁判の見直しが始まった。最終的に、1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、ガリレオに謝罪した。ガリレオの死去から実に350年後のことである。

2003年9月、ローマ教皇庁教理聖省(以前の異端審問所)のアンジェロ・アマト大司教(Angelo Amato )は、ウルバヌス8世はガリレオを迫害しなかったという主張を行った。

2008年1月16日の毎日新聞によると、ローマ法王ベネディクト16世が17日にイタリア国立ローマ・ラ・サピエンツァ大学での記念講演を予定していたが、90年の枢機卿時代にオーストリア人哲学者の言葉を引用して、ガリレオを有罪にした裁判を「公正だった」と発言したことに学内で批判が高まり、講演が中止になった。


主著書

『星界の報告』(1610年)

『太陽黒点論』(1613年)

『贋金鑑識官』(1623年)

『天文対話』もしくは『二大世界体系にかんする対話』(1632年)

『新科学対話』(1638年)

『レ・メカニケ』(執筆:1599年頃、仏訳出版:1634年、原本出版:1649年)



文学への影響

ベルト・ブレヒトは1947年、戯曲『ガリレイの生涯』(邦訳岩波文庫)を書いている。また、イタロ・カルヴィーノは『なぜ古典を読むのか』(邦訳みすず書房刊)や『カルヴィーノの文学講義』(邦訳朝日新聞社刊)などにおいてガリレオを文人(詩人)としてとらえ、その文体を賞賛している。


脚注^ 佐藤満彦『ガリレオの求職活動 ニュートンの家計簿』(中公新書、2000年)では、ガリレオがピサ大学時代に行った、ということにしている。


参考文献

『ガリレオの生涯』1,2,3. S.ドレイク 共立出版 1984-1985年 ISBN 4320008189, ISBN 4320008197, ISBN 4320008200

『ガリレオ 人類の知的遺産31』伊東俊太郎 講談社 1985年 ISBN 4061453319

『ガリレオ・ガリレイ』青木靖三 岩波新書 1965年, 1994年 ISBN 4000038621

『ガリレオ 庇護者たちの網のなかで』田中一郎 中公新書 ISBN 412101250X

『ガリレオの娘 科学と信仰と愛についての父への手紙』デーヴァ・ソベル著 DHC 2002年 ISBN 4887242646

『ローマのガリレオ 天才の栄光と破滅』W・シーア、M・アルティガス著 大月書店 2005年 ISBN 4272440322

『ガリレオの迷宮』自然は数学の言語で書かれているか? 高橋憲一 共立出版 2006年 ISBN 4320005694
ウィキクォートに ⇒ガリレオ・ガリレイに関する引用句集があります。ウィキメディア・コモンズには、 ⇒ガリレオ・ガリレイ に関連するマルチメディアがあります。


カテゴリ: 出典を必要とする記事 | イタリアの物理学者 | イタリアの天文学者 | イタリアの哲学者 | 16世紀の学者 | 17世紀の学者 | 1564年生 | 1642年没

更新日時:2008年8月7日(木)21:11
取得日時:2008/08/17 18:24


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki